「家の中の小さなお話」ミラベルと魔法だらけの家 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
家の中の小さなお話
動きはさすがのディズニークオリティで、観ていて気持ちがいい。
ただ、キャラとお話が……
家族内の軋轢を解決するのが物語の骨子。
一家を守ることに固執するうち、孫たち一人一人の自主性を認めない絶対君主化したおばあちゃんのせいで、家族そのものの絆が崩壊するか否かってとこ。
家の中のお話で終始し、こじんまりした印象でした。
主人公ミラベルの、心が狭く承認欲求強すぎなところが、まずハマれず。
ほとんどのキャラが、魔法に依存してて、自分本来の力を伸ばす努力を怠っていて。
ってか、家=魔力の源泉たる蝋燭に一家が隷属し、村人はその一家に隷属してる。
村人の努力は例えば畑の生産量とかにむけられず、一家のごきげん取りに向いている。
ベースに1960年代以降、今も続くコロムビアの内戦があるとはいえ、この図式は黒人奴隷が持ち主の白人に復讐するサスペンスや、ホラー映画における呪いのパターンでよく見るやつ。
だから「別にこの一家、滅びていーんじゃね?」くらいに突き放す気持ちになってきちゃって。
また、日本語吹替版の出来もイマイチ。
曲に対して、歌詞が字余りだったり足りなかったり、単語の途中で曲が進んだり。
『アナ雪』や『リメンバー・ミー』のような心地よさがなく、明らかに曲と歌詞が合ってない。
これは翻訳スタッフの方の問題であり、声優はよかった。
原語の字幕で観た方がいいと思います。
劇場スクリーンで観る迫力があったから、観に行ったことは後悔していないが、これだったら「Disney+」に落ちてくるのを待てばよかったかもなと、会費を払っている身としては微妙な気持ちになりました。
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