「金をかけたのは祭と豪華俳優陣だけ」沈黙のパレード テニーさんの映画レビュー(感想・評価)
金をかけたのは祭と豪華俳優陣だけ
定食屋にあれだけ有名俳優陣が集まった場に
胡散臭い人物が現れれば否が応にも
殺されたら犯人はこの中にいると一目瞭然で
そこがまず残念
それとガリレオというと
福山雅治が意味不明な数式を解いては
悦に浸るシーンがあると思っていたのですが
今作はないですよね?
と言う事はそもそも殺人のトリックは
簡単でどうしようもないという事で
物理学教授が態々出なくても良いと思える
続いて北村と柴咲の刑事二人は結局
犯人逮捕もしなければ乱闘シーンもない
北村に至っては序盤に会議に遅れた上に嘔吐という
これまた意味不明な点があり
その謎を福山教授には解いてほしかったぐらいだ
豪華俳優陣が全員容疑者っぽいとなると
まるでオリエント急行っぽいが
まあそれは置いといて
作品全体に言えるが
俳優陣が人間味溢れるクサイ演技をしている時に
一人それこそヘリウム中毒のような血圧低めの福山が
物理学教授という事で終始淡々と冷静にいると
一気に興醒めしてそれこそ作品の熱量や温度を下げる
後はマスコミらしき役の某俳優と歌手志望の妹は
後半まったく登場しないし、そもそも作品に不要でしかない
キムタクのマスカレードシリーズの福山版というか
キムタクが登場しない殺人事件というか
東野作品ってこんなに退屈なんだと改めて思い知った意味では
大変貴重だがかなり残念な作品としか言いようがない
映画であり殺人事件なのだからそこに一番予算が掛かっていると期待したら
狭い狭い押入れのような場所が殺害現場でこれってちょっとあんまりではないのか
作者は殺害トリックを思いついてから逆転で内容を構築していったとしか思えず
だから少し忘れたが、殺された男は夏だというのに帰宅してすぐに寝ようとしたり
実家を放火するなと荒唐無稽なところが多々ある
極め付けは女子高生を檀れいがほぼ殺した場面で
いくら喧嘩になったからって子供相手にあんなにムキに押し倒すか?
それこそ精神異常者でもないかぎりあんな無謀な事はしないし
その後の謎行動も金麦飲みすぎのアル中のようで
さらに致命的なのはこの現場を目撃していたとされる殺された男のシーンは皆無
作品の最も大事な点であるにも関わらず、そこはなしって何だよ
ドラマは面白かったのに映画はこんなに詰まらないって
邦画というか日本全体の停滞感も考えさせられる不思議な作品です
ところで福山教授はあれだけ研究熱心なら
何か企業や人々に役立つ画期的な発明や成果を出したのだろうか?
単なる口だけの物理学オタクが勝手に容疑者宅を訪れたり
事件現場をウロウロしているのはまるで寿司テロを繰り返す若者のようだ