「重要な瞬間」沈黙のパレード ベッラさんの映画レビュー(感想・評価)
重要な瞬間
「人生で本当に重要な瞬間は手遅れになるまでわからない」アガサ・クリスティーの名言が浮かぶ作品でした。
私達が日々重ねている瞬間のなかで、ある点がキラキラと輝くのか、鈍く暗く灯されるのか、それは振り返ってみなければわからない。善良の塊のような人たちが、あのとき、会えれば、会わなければ、行けは、行かなければ、そんななにかに右往左往するのを、湯川先生は俯瞰する。その姿はとても孤独で、正しく辛そうだ。
どんなに哀しい事実でも「実に面白い」という一言で締めくくるのが、そのうちにある様々な思いを実験者らしくひとくくりにしているが、観てるこちらが「実に面白いよ、先生こそ」と思う。
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