「黙秘権が最強の国の物語」沈黙のパレード やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
黙秘権が最強の国の物語
原作未読なので詳細不明ですが、物語の根幹となる「取り調べにおける黙秘権の行使」について証拠主義に基づく立件や起訴が正当に行われるべきところ・・・この映画においてはあまりに杜撰に拡大解釈されていると感じました。
これでは、「取り調べの際には徹底して沈黙(黙秘)することが有利、かつ最強です」・・・という日本によく似た架空の国の司法制度をモチーフにしたとしか思えません。
仮に本当に日本の話であれば、エンタメ、フィクションであることを前提にしてもかなり法律的に誤解を招く悪い設定であると考えます。
物語の土台がこんな感じで矛盾でグラグラしてますから、決定的な物的証拠が黙秘で簡単に打ち消されるような事象が当然のごとく起こり、被害者やついでに言うと鑑賞者の矛先は嫌でも警察、検察に向かうでしょう。私は原作者(脚本家?)に向いてましたが(笑)。
特に時系列二番目の殺人は、いくらなんでも素人目でも不起訴はありえないとおもいます。
一方、出演者の皆様の演技は素晴らしくて抜群の安定感でした。福山さん、北村さん、柴咲さんをはじめ、もうベテラン俳優にしか見えない飯尾さん(笑)など、別の設定かつ同じキャストでもう一度作り直してもらいたいくらいです。
なんとも複雑な読後感でした。
このシリーズは大好きなので次回作に期待いたします。
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