「歌え!動物たち 最高のショーを魅せるために」SING シング ネクストステージ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
歌え!動物たち 最高のショーを魅せるために
原題はただの『SING2』だが、今回ばっかりは邦題の方がいい。
ニュー・ムーン劇場の面々が、新たなステージへ!
地元では連日満員のニュー・ムーン劇場。
観客の中に都会から来た大シアターのスカウトが。が、不評で、「才能ナシ」「本場では受けない」とまで言われてしまう。
大都会のエンタメ界でショーを開く事が夢のバスター。
一念発起。仲間たちを集め、いざ都会、エンタメ界の聖地“レッド・ショア・シティ”へ。超大物ジミー・クリスタルのオーディションに飛び入りで参加するも、撃沈。
が、口から出任せでジミーの気を引く事を言い、彼主宰のショーに出演する事に。
ジミーの気を引いた事とは、伝説のロック歌手、クレイ・キャロウェイの出演。ところが、キャロウェイとは面識も無いどころか、彼はこの15年一切公の場に姿を現していなかった…。
前回は劇場存続の危機だったが、今回は命の危機…!
ショーを成功させなければ、マジでジミーに殺される…。って言うか、彼に嘘を付いた時点でもうすでにアウトなんだけどね。
話的にはシンプルながらもツボを抑えた前作がイルミネーション・スタジオの作品の中でもなかなかだったので、見る前は果たして今回は…? だったけど、今回も上々であった。
何としてでもショーを成功させ、尚且つキャロウェイを出演させなければならない。
しか~し! 肝心のショーの脚本すら出来ていない。…と言うか、無い。
グンターの思い付きで脚本を急いで仕上げる。
壮大なSFミュージカル。伝説の冒険家を探し、4つの星を巡る。
トリはキャロウェイ、それぞれのパートをニュー・ムーン劇場の面々が担当。…するのだけど、
主役のロジータ。見せ場の高所からの大ジャンプが出来ない。
急遽主役をジミーの甘やかされた娘、ポーシャに。歌は上手いが、演技力が…。
アクション・パート担当のジョニー。インストラクターがスパルタでジョニーを見下し、上達出来ない。そんな時、ストリートダンサーのヌーシーに振付を習い…。
恋愛パート担当のミーナ。内向的な性格故これまで恋愛経験が無く、“恋する乙女の顔”が出来ない。しかも相手役は無神経なナルシスト。そんな時、アイスクリーム屋の好青年と出会って…。
最初は自信を無くしかけていたが、出会いや恋心をきっかけに各々が自信を取り戻していく。特に、ロジータがあるキャラを助ける為に大ジャンプするシーンは感動的でもある。ニュー・ムーン劇場の仲間たちの絆。
ストーリー上の肝はやはり、キャロウェイ。
最初オファーしに行ったミス・クローリーは門前払い。
バスターとアッシュが説得に行く。が…
絶対お断りだ!
断固拒否され、話の隙も無い。
何故、こんなにも拒否するのか…?
いや、何故彼は歌うのを辞めたのか…?
そんな彼の心を動かしたのは、アッシュの歌。
キャロウェイがカムバックするまでがかなりあっさりだけど、物語の進行上仕方ないか…。
そんなキャロウェイやショーに関わる新キャラたち。
中でもとりわけインパクト放つのは、ジミー。
大抵こういう作品の場合、最後にはいい奴になるんだけど、最後の最後まで徹底してイヤな奴!
傲慢オレ様な業界の大物。モデルいるのかな…?
新キャラもいいが、お馴染みの面々の活躍や魅力もたっぷり。
やはりお気に入りは、ミス・クローリー。スピンオフの短編アニメでも作ってくれないかな…?
娘がクビにされた事に激怒し(実際はロジータを主役に戻した為、役変更)、バスターを監禁するジミー。
何とか脱出するも手下に追われ、ショーを中止して街から逃げようとする。
でも、ここで逃げ出したら、負け犬のまま。
何の為にここにやって来たのか。
何の為に努力してきたのか。
ジミーを怒らし、ショーに出演は出来ない。ならば、
劇場を乗っ取り、ゲリラで敢行。
小さな町の負け犬劇場の面々が意地を見せる。最高のショーを!
幾らなんでもスゴすぎやろ!…と突っ込みそうになるが、その言葉を押し留めるくらい、アニメーションならではの表現力を活かした圧巻のショー!
壮大で、ファンタスティックで、華麗。
ジョニーは見事なダンス・アクションを披露し、ポーシャも別役をこなし(父親から自由に)、ミーナは想いを告げられ、ロジータも大ジャンプを成功。
楽曲も素晴らしい。今回も劇中彩るナンバーは珠玉の名曲揃い。
そして、最高潮のまま迎えたトリ。
キャロウェイの登場~パフォーマンスは、まるで『ボヘミアン・ラプソディ』のライヴ・エイドのような高揚感。
アニメ史上最高のショーを魅せてくれた。
次のショーもあるだろうか。
あったとしても、きっとまた最高のショーを魅せてくれるに違いない。
ニュー・ムーン劇場なのだから。
唯一残念だったのは…
劇場で観なかった事。
劇場で観たら、それはそれは格別だったろうに!(>_<)
はじめして。
お邪魔します。
〉アニメーションならではの表現力を活かした圧巻のショー!
〉壮大で、ファンタスティック、華麗。
本当に同感です。語彙が乏しくてとても私には書けません。