流浪の月のレビュー・感想・評価
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トータルで素晴らしい
李監督の作品、それぞれの物語の「好き・嫌い」と言う主観はさて置き、全ておいて紛れもなく「映画」と感じるものを観させてくれる。特に今作『流浪の月』は脚本、キャスティング、演出と演技などトータルで素晴らしい。
オールラウンダーでどんな役でもこなし、この世代の男性俳優ではトップの実力と言える松岡桃李さんが間違いないのは言うまでもない。
対する広瀬すずさんも、彼女史上で最も「演技」が光る。生きていくために身につけた「(やり過ごす)笑顔」は、鑑賞している我々が彼女の事情と想いを知るにしたがい、その「痛み、そして凄み」を感じさせる。
また、『永い言い訳(16)』で映画デビューした白鳥玉季さん、透明感とはつらつさの裏に感じさせる「後ろ暗さ」。
そして、横浜流星さんの初めのシーンから一瞬にして感じさせる「いけ好かなさと暴力性」。
さらに、「こういう役をやらせたら」と、完全にハマっている趣里さんと三浦貴大さん(貴大、太ったなw)らが周りを固め、鑑賞者を違和感なく物語に没入させてくれる。
TOHOシネマズ日比谷は公開1週目のわりに小さめ箱でしたが(『シン・ウルトラマン』に割りすぎなんだよ。。)、平日(サービスデイ)朝一の回は客入りもまあまあで、客層は比較的年齢高めな感じ。そのせいか、中盤以降トイレ退出数名ありましたが、私的には150分十分見応えがあって長くは感じませんでした。良作です。
衝撃。見た後ボーとしてしまう
小説を読まずに見ました。
独特な世界観。過去と現在を行き来しながら伏線が回収されていく。時間が長いので集中力が切れないか心配でしたが、完全に没頭してしまい、全く長く感じませんでした。
広瀬すずのインタビューをたまたま見る機会があり、魂を削って演じたとか(?)。すごい伝わってきました。また松坂桃李も別人でした。脱帽です。最後まで緊張感をもって見れました。
ストーリーや演技、全てが衝撃であまり処理できてません。皆さんにも是非見て頂きたいと思いました。
この後は少し楽して観れるものを見たいかも笑。
やっぱ映画ってすごいなと思いました。
想像
話は複雑なのにいちいち説明がない分、それぞれが感じた気持ちを一生懸命伝えようとするシーンが強く印象に残ります。
もう少し詳しく知りたいなーとも思いましたが後は自分の想像でプラスにしたらいいのかなと思いました。
古びたベランダや風に揺れるカーテン、昼間の月と夜の月、コーヒー店の情景も
ステキです。
広瀬すずと横浜流星は繊細で大胆な演技も申し分なかったし、相変わらず不気味なくらい上手い松坂桃李で長い上演時間もあっという間でした。
好きな類いの映画です。
静謐な叫びと微かな救いを示す月の光
それぞれが深い痛みを抱えていて、だからこそ人生がうまくいかず、苦しみもがきながらかすかな愛をつかみ取ろうと苦闘する。そんな人々の姿を丁寧にそして静かに描いている。
饒舌な叫びではなく、ひとり密かに、誰にも悟られることなく、苦しみは暗闇や水の中で吐露され、それを月は物言うことなく見つめている。
原作が素晴らしいのだろうけど脚色も良い。役者も良くて松坂桃李をはじめ子役の白鳥玉季、横浜流星など物語に説得力を加えている。
監督の演出のうまさと、それを引き立てるホン・ギョンピョのカメラ。美しい静物画のようなシーンに目を奪われる。
そして原摩利彦の硬質なピアノ。前作の「怒り」の坂本龍一のような印象。とても良い。今後チェックしたい音楽家になった。
重く困難な問題だけど多くの人に普遍的なテーマを扱っている。
結末に微かな希望が見えたのが救いだった。
長くない150分間
冒頭の
2人が出会う公園から世界観に引き込まれた。
無駄な場面やセリフは感じられず飽きる事なく
一気にエンドロールまで鑑賞。
世間からの隠れ家のようなきらきらした
優しい光が差し込む文と更紗の部屋。
足音に人間性が現れる
アンティークショップの階段と文の珈琲店
一つ一つの場面の光と陰が美しい。
テレビで観てる時とは違う役者たちの
内面から血を噴き出すのを抑圧したような
痛みと凄みにプロを感じた。
話の展開にはついていけない箇所もあったけど
それを上回る映画館で鑑賞するのにふさわしい
重厚な作品。
松坂桃李だからこその
小説も好きで、イメージそのままに役者さんの演技に引き込まれて最後まで集中して見れました。
実写化したことで1つ思ったのは、文のルックスがもしも小太りで大人の女性に相手にされそうな感じだったら成り立たないよなー、やっぱり更紗が洗脳されているとか、映画の中の周囲の反応と同じようなことを感じでしまうんだろうなって。
リアルの世界でも少しルックスのいい犯罪者を持ち上げる人間はいるし。
人の印象、外見に偏見を持たず見るって難しいと思った。
人の毒々しいところを丁寧に捉えた作品
つい目を伏せてみないふりをしたくなるような、どろどろした部分は、人間みんなが多かれ少なかれ抱えている。
文と更紗はをそのでこぼこがちょうどはまった二人で、その二人の微妙な関係性を丁寧に描いていた。
本屋大賞を映画化ということで、この毒々しさはなくして万人受けする形に持っていくかと思いきや、いい意味で裏切られました。
闇は毒々しく、でも光はさわやかにロマンチックに。そんな映像が素敵だった。
原作で月が綺麗ですね〜のようなくだりがあったか忘れてしまったけれど、二人がそれぞれ月を見てお互いを想っていたり。
広瀬すずと松坂桃李
広瀬すず、松坂桃李、多部未華子、横浜流星など、役者が良く見に行った。映画自体も文句は付けないが、ただ1点、初めの頃の横浜流星と広瀬すずの下ネタシーンが不快に思う。子供と見に行っていたらと思うとゾッとする。あと横浜流星の家庭内暴力シーン。不愉快しかない。これは年齢制限あったっけ?こういうシーンがあると知っていたら観なかったのに。
途中退室もいました
撮影監督が韓国の監督さんだったので期待して久しぶりに日本映画を見ましたが、残念な感じでした。途中で出て行ったお客さんも数名いたぐらいです。お金と時間を無駄にしてしまった感がありました。
とても美しい物語だった
テーマは「居場所」だと思う。本作品の台詞で言えば「逃げる場所」となるのだろうか。逃げる人がいれば、逃げられる人がいる。逃げられる人は、次は逃げない人、逃げる場所のない人をターゲットにしようとする。そうして亮くんは更紗を選び、更紗はそうと知らずに亮くんと付き合う。
逃げる人が心を許せるのは、自分と同じ逃げる人だ。更紗は文を心の拠り所とし、文は更紗を受け入れる。「居場所」は土地ではなく、一緒にいる人にあったのだ。大人になった更紗は、漸くそれに気づく。文が子供時代の自分の居場所になってくれたように、これからは自分が文の居場所になる。多分、文も再び自分の居場所になってくれるだろう。どこに行っても、ふたりで同じ月が見られれば、それでいい。
とても美しい物語だった。
理解出来るそれぞれの人間の感情
俳優陣の演技もストーリーも魅入ってしまって150分があっという間の作品でした。
桃李くんの激ヤセはほんと心配になるくらいの痩せっぷりで目もギョロっとして役作りも演技もプロの凄さを見せ付けられました。
すずちゃんは最近あんまり拝見してなかったのですが、改めて美しさと演技力の高さを魅せつけてくれました!
白鳥玉季ちゃん!すずちゃんに雰囲気が似てて少女期に違和感なさすぎる(笑)
ほんと可愛い!!表情と声のトーンが大人顔負けの演技です!
可愛いし、表現が上手いし凄い!!
何と言っても流星くん!
今までのイメージとはガラッと違う役
愛情、嫉妬、怒り、悲観…
この役は「なんて酷い…」って思う人と「そりゃそうなるでしょ」と分かれる気がしました。
現代社会問題でよくある、デジタルタトゥー、DV、ネグレクト、SNS中傷…全部入ってて人間の感情をうまく表現した考えさせられる映画でした。
自分のものさしだけで人の気持ちや本当の事は分からないって事を改めて思いました。
もう一度観たくなる素晴らしい映画です。
キャスト全員演技凄いです。
映像の力、役者の力。
原作未読です。
たぶん原作から多部未華子のシークェンスが削られてるんじゃなかろうか?知らんけど。
横浜流星凄かった、ここまでやれると思わなかった。
白鳥玉季も先がたのしみ。
広瀬も松坂ももちろん良い。
ホンギョンピョの絵が凄い!基本自然光を生かすスタンスだけど、微妙な光の仕掛けも盛り込まれてある。アングル、カメラワークも隙がなく役者の演技を少しも漏らさず、そして増幅させる。
予算の問題が大きく関係する部分では有るが日本の撮影部に見習って欲しい。映画は映像、音で語る物だ、台詞だけに頼ると大抵安っぽくなる。
改めて映像の力って凄いと思った。
あ、音も抑制が効いてて非常に効果的だった。
で、全てをまとめた李監督の力量恐るべし。
ストーリー的には本屋大賞な訳で面白くないわけがない。ロリコン、性的暴行、少女誘拐、冤罪、SNS、不具者、育児拒否、監禁、ワード並べただけで出口が見えない地獄車、イヤミス要素満載。
レビューでは警察、司法的に多少齟齬があるという説があったが、毎回立件されず返されてる訳だし、まあ日本中の警察がキチンとしてるかどうかは微妙だから気にならなかった。実際のところ幼児性犯罪者の再犯率はかなり高い、本編ではそれとの冤罪が主軸になっていて、性的な行為があったのか、なかったのかが分かれ道になる。しかし遠目で見ると保護は監禁にも見えるし、それをSNSは無責任に拡散するからタチが悪い。
マインドコントロールって言葉自体も結構あやふやで心理学、精神医学ではそういう分析概念は公認されてないそうだ。
ウルトラマン何回も観るなら、一回この映画も見たほうが良いよ。
心にたくさんのガラスの矢がささるような映画でした。
ストーリー、役者、映像が揃った、美しい、けれど重い映画でした。
文が更紗に言ったセリフ、
「更紗は更紗だけのものだよ。他の誰かに、更紗を好きにさせてはいけないよ」
は、心にぐっときました。
全ての人が、子ども時代に一番に教えてもらえたらいいなと思いました。
日本でも、ようやく多様性や弱さを認める流れになってきました。
人を社会の都合に合わせるのではなく、様々な人が居心地よく存在できる社会を創る時なのでしょう。
衝突や面倒が増えますが、それもまた人の営みであり、今よりもっと息がしやすくなる気がします。
最後まで、涙は出ませんでした。
エンドロールで初めて深呼吸して、2時間半、息を詰めて観ていたことに気づきました。
月が見えるレイトショーの帰り道、「流浪の月」は夜が似合う映画だなと思いました。
夜明けが近ければいいな…。
150分が体感90分
に思えてしまうほど役者陣の演技に引き込まれた。「悪人」は観ていないが、「怒り」より断然良い。ただ文のラストや更紗と亮、2人の性描写は「怒り」の公園でのシーンのような直接的表現ではない方が私個人的には受け入れられる。
こういう役がほんとに嵌まる松坂桃李と不快さ抜群の横浜流星
暗い運命と対峙し続ける悲しき男を演じさせるとほんとに上手い松坂桃李。
今回も彼の為の嵌まり役という感じで、表情を見てるだけで結構楽しめました。
予告編見てたら複雑な話かと思ったら、わりとシンプルな話で、性的な問題を抱える二人だからこそ、心の交流を違和感なく描けてたと思います。
あと、横浜流星はほんとに気持ち悪くて不快で良かった。最初の登場シーンから学生にしか見えないスーツの着こなしの下手さ。それが徐々に不快さとなって嵌まってくる役柄で、この物語に欠かせないピースでした。
そして多部未華子も良かった。
33歳というよりた40歳近く見えるような感じで、少ない出番だけど結構良かったです。
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