劇場公開日 2022年5月13日

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「 ふたりだけのセイフティーネット」流浪の月 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ふたりだけのセイフティーネット

2022年7月3日
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鑑賞方法:映画館

 コメントしずらい作品である。それこそ下手な表現をすると偏見と差別につながってしまう。
 原作も読んだが、映像にすると拡散された誹謗中傷も含めて、よりどきつくなる。

 どんなにそれが純粋な愛情で、お互い心が通じて、守り合っているものであろうと、それが親、家族、夫婦、恋人といった定番の愛情関係でないとだめな世の中なんだ、と痛感する。
 映像にすると、原作よりも一層、大人になりきれず、はずれものの青年が、少女に愛情を注いでしまったという誤解が生じてしまいがちだが、そういった見方はするべきではないと思う。

 むしろ、定番の愛情関係がDV、モラハラ、虐待等で崩れ去っていく中、その愛情関係からはじき出された者同士が、ふたりだけのセイフティーネットを築き上げ、手探りで魂の救済を図ったんだという気がした。

 逆に、愛情は親、家族、夫婦、恋人等で育むものという幻想に未だ縛られている私たち世間に、一石を投じた作品だという見方が当たっているかもしれない。その切り口だと、納得感でじわーっと充たされる。

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ジョー