劇場公開日 2022年5月13日

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「真実は2人にしかわからない」流浪の月 アンディぴっとさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5真実は2人にしかわからない

2022年6月12日
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鑑賞方法:映画館

 原作を読んでいなかったので、映画は諦めようと思っていたが、なんとか読み終え、なんとか鑑賞できた。映画も良い出来でした。
 更紗は広瀬すずとわかっていながら、本を読んでいる間、どうしても私の脳内では更紗が有村架純だった。でも映画を観て、広瀬すずはしっかり更紗でした。いつの間にかしっかりした女優さんになったなあ、と驚いた。ラブシーンも驚き。いつの間にか大人になったんだなあ。
 松坂桃李はさすがです。少し前からなんかすごく痩せたなあと思っていたが、この映画のために痩せたとか。確かに原作で背が高く、スラーとして立ち姿はカラーの花のよう、と表現されていたから、痩せてないとダメですもんね。体型もそうだが、繊細な雰囲気も文そのもので、やはり松坂桃李はただものではない。
 一つ残念だったのは、多部未華子。原作通り顎のラインで、すっぱり切り揃えられたショートボブだったらもっとよかったのに。
 更紗もお母さんが子供を置いて家を出てしまったことが更紗の不幸の始まりだし、文も家族と溝があったことが不幸の始まり。思春期の息子の身体の異変にお父さんもお兄さんも気付いてあげられなかったことが悲しい。そしてお母さん、トネリコを引き抜いた時、文の問いかけに、せめて文の眼をみて、お前は失敗作なんかではないよと、言ってあげていたらまた違った未来があったのではないか?
 誰にも理解されなくても、2人には確かに愛があり、身体の繋がりは無くても、遥かそれ以上の心の繋がりがある。もう離れる事はできないだろう。

アンディぴっと
CBさんのコメント
2022年6月13日

> 私の脳内では更紗が有村架純だった
ああ、それ、わかります。有村さん(架純)は幸薄い主人公も多いですもんね。広瀬さん(すず)も、複雑な背景を抱えた子役を幾つも演じきった経験を背景に、いよいよ複雑な背景を抱えた主人公を難なくこなす女優という位置を確立していくんでしょうね。

CB