「松坂桃李さんに圧倒されました。」流浪の月 ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)
松坂桃李さんに圧倒されました。
私は李相日監督と相性良いのかもしれません。過去作同様に、悪と現実と切なさのバランスに共鳴しました。
本屋大賞受賞の原作は未読ですが、映画は文芸作でもありファンタジー部分もあり現代社会の歪んだ側面も描いていて、静かに涙が溢れていました。
雨や風などの描写が素晴らしくて映像はとても美しい。揺れるカーテンを下から見上げる角度で撮ってるのが印象的。美術が種田陽平さんだけあって、作りこんだセットも素敵。
いきなりのベッドシーンは(そこまでの生々しさいる?)って思いましたが徐々にいろいろ明らかになってきて、なるほどそういうコトでしたか、と納得しました。
キャストは全員良かったです。広瀬すずさんは可愛いだけじゃなくて今やすっかり大人の女優さん。横浜流星さんはDV男を熱演されていました。
が!!なんといっても松坂桃李さんが凄まじかったです!“性”を全く感じさせず、横浜さんのような“動”のない“静”の存在という難しい役を演じきっていて圧倒されました。昨年は「空白」「孤狼の血LEVEL2」と真逆の役を演じられていましたが、いつからこんなに演技派俳優さんになられたのでしょう。「新聞記者」のときも驚きましたが、よくこの仕事引き受けましたね、とリスクのある役(作品)を選んでいてその眼識もお見事だなぁと。
ただ、残念だったのは柄本明さんの使い方。原作ではもう少し背景が描かれていたようですが、骨董品屋さんの描写が中途半端になってしまっていて映画ではよくわからない存在でしたね。
それだけが本当に残念でした。
ごーるどとまとさん
いつも共感ありがとうございます。
映画館には毎週行かれてらっしゃいますね。
良いですね。
3年も劇場にご無沙汰していると、なんか腰が重くなってしまいました。
映画館の席で、
「さあ、観るよー」って気合い入れてた日々が懐かしいです。