「演技力と演出で魅せられた映画」流浪の月 冬眠さんの映画レビュー(感想・評価)
演技力と演出で魅せられた映画
原作未読鑑賞
実力のあるメインキャストが集まった中でも松坂桃李が飛び抜けすぎてて・・・
奥底にある絶望感というのを非常によく描いていた
例えばさらった少女との一見楽し気な食事をしているシーンでも
恋人と一緒のシーンでも、どこか心から楽しんで無い様な感情の表現をしていた
あと文の母親役で出演していた内田也哉子さんも、登場シーンとセリフは少なかったが
圧倒的な演技力で観たものへ爪痕を残すような存在感でした
李監督の演出も人間の表と裏を月になぞらえて表現するという素晴らしいものになっていた
「私の何を知っているの」
この一言がこの映画の主題となってる言っても過言ではない
文の絶望
更紗のトラウマ
亮の暴力性
誰しもが持っている人間の裏側・暗部・知られたくない真実は誰も暴くことはできない
月の裏側は誰も覗けない
物語のほうは、映画中退屈になる場面はなかったのだけれども
テンポが一定すぎている感がありました
抑揚を言いたいところだけど、題材が題材なだけに難しいところではありますが
評価は敢えて厳しく言うと4に届かない・・・何か足りないが何かは分からない
評価 3.98
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