劇場公開日 2022年5月13日

  • 予告編を見る

「映像の力」流浪の月 tacohtkさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映像の力

2022年5月20日
iPhoneアプリから投稿

希望はある。晴れ晴れした希望ではないかもしれないが、曇天の下でささやかな希望を紡ぐことはできる。
そんなことを感じた映画だった。
タイトルからは、曇天というより月下とも言えるのだろう。

そして、自分はどちら側にいるのか、どの側にいるのかということも突きつけられた作品だった。

とはいえ、やはり映画の「映像の力」を強く意識させられた。冒頭のシーンから「ああ、これは映画だな」と思わせるカメラ。
そうしたシーンは随処にあって、ストーリーの説明ではない映像そのものの力を感じられる。
そういう意味でも映画館で見られてよかった映画だった。

映画がはねてから、映画館を出て歩き出す時に、映画館に入る前とは姿勢が少し変わる。
いい映画はそういう気がする。

役者は子役を含め、皆、緩みのない演技。李相日監督の作品である。

tacohtk