「映像の力」流浪の月 tacohtkさんの映画レビュー(感想・評価)
映像の力
希望はある。晴れ晴れした希望ではないかもしれないが、曇天の下でささやかな希望を紡ぐことはできる。
そんなことを感じた映画だった。
タイトルからは、曇天というより月下とも言えるのだろう。
そして、自分はどちら側にいるのか、どの側にいるのかということも突きつけられた作品だった。
とはいえ、やはり映画の「映像の力」を強く意識させられた。冒頭のシーンから「ああ、これは映画だな」と思わせるカメラ。
そうしたシーンは随処にあって、ストーリーの説明ではない映像そのものの力を感じられる。
そういう意味でも映画館で見られてよかった映画だった。
映画がはねてから、映画館を出て歩き出す時に、映画館に入る前とは姿勢が少し変わる。
いい映画はそういう気がする。
役者は子役を含め、皆、緩みのない演技。李相日監督の作品である。
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