劇場公開日 2022年5月13日

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「広瀬すずの成長と今後の可能性に畏れを抱く」流浪の月 のらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5広瀬すずの成長と今後の可能性に畏れを抱く

2022年5月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

150分の長丁場、全く長いと感じなかったけど、精神的に体力が必要でした。
セリフはかなり少なく、行間に緊張を持たせた感じ。雑音も少ないので、スクリーンに集中してゆく。
役者は、ハズレが誰一人いない…松坂桃李は見た目からして松坂桃李じゃない。終始表情が無いというのは、相当難しかったろうなぁ。
横浜流星は熱演、多部ちゃんは短い時間で強い存在感をよく出した。子役も素晴らしい演技だった。
そして、広瀬すず…「怒り」「三度目の殺人」でも、助演とは言え難しい役をこなしたところから、今回主役も心配ないさと思っていたら、大変失礼しました。更に大きく成長しているではありませんか。末恐ろしい子です。
撮影監督に、「パラサイト」「哭声」の撮影監督を招聘したのも良かった。それぞれのアングルや切り替え…スクリーンに惹き込まれる。
難しい問題を扱っていたけど、観て良かったです。

なお、原作も読みました。
原作も良いですが、文章だと必死に説明している感じの強いところを、セリフの行間の表情や、背景・風景の切り替えで見事に表現しており、これぞ”映像芸術”と納得できるところに昇華させているように感じました。

のら