劇場公開日 2022年5月13日

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「心にたくさんのガラスの矢がささるような映画でした。」流浪の月 のりたまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0心にたくさんのガラスの矢がささるような映画でした。

2022年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ストーリー、役者、映像が揃った、美しい、けれど重い映画でした。

文が更紗に言ったセリフ、
「更紗は更紗だけのものだよ。他の誰かに、更紗を好きにさせてはいけないよ」
は、心にぐっときました。
全ての人が、子ども時代に一番に教えてもらえたらいいなと思いました。

日本でも、ようやく多様性や弱さを認める流れになってきました。
人を社会の都合に合わせるのではなく、様々な人が居心地よく存在できる社会を創る時なのでしょう。
衝突や面倒が増えますが、それもまた人の営みであり、今よりもっと息がしやすくなる気がします。

最後まで、涙は出ませんでした。
エンドロールで初めて深呼吸して、2時間半、息を詰めて観ていたことに気づきました。
月が見えるレイトショーの帰り道、「流浪の月」は夜が似合う映画だなと思いました。
夜明けが近ければいいな…。

のりたま