「様々な技術力」流浪の月 またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
様々な技術力
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他の方も書かれている様、警察絡みは考証不足に思えるし、他にもマイナス要素は色々あるのだが、トータルでは長さが心地よい、見ごたえのある作品と感じられた。それはやはりスジの展開・役者・撮影・編集などの技術の結集によるところと思う。
原作未読のため次々展開するスジに心地よく裏切られた。何よりラストに救われた。
子役白鳥玉季は初見で正に広瀬すずに成長しそうな顔立ちでかつ演技も上手で感心した。大人たちも皆期待にそぐわぬ力演。中でも広瀬すずには顔についた血を拭わないまま街を歩くとか相合い傘の後をつけるとか横浜流星を怒鳴りつけるなど無理スジなシーンも見られたが、スーッとおとなの役にはまってきた感。あと内田也哉子は驚きのキャスティングだった。
そして月や鳥などの様々なイメージカットや画面の隅にピント送りで重要な要素をチラ見せさせたりする美しい撮影。パラサイトの撮影チームとのこと、確かな腕を見せていただきました。
製作で最初に出た名前はUSENの宇野さん、これからもどんどん面白い邦画に投資して行ってください。
個人的マイナス点は、原作通りだとは思うが、大本の原因が病気というのは好きではなかった。二人の関係性を描くのにその理由は必要なかったのでは?と思いました。(不幸が原因で不幸になるネタが個人的に嫌いでして。)
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