「月が全てを知っている」流浪の月 momoさんの映画レビュー(感想・評価)
月が全てを知っている
広瀬すずが大人の女優に脱皮した。
絞って痩せた松坂桃李の演技が素晴らしい。
横浜流星もアイドルから俳優に脱皮した。
内田也哉子がピンポイントで存在感がすごい。
サラサの子供時代を演じる子役がほんとにいい演技をしている。
母親の愛を得られずに生きてきた人にとっては胸をえぐられるような辛み。
まるで自身のことのように胸が傷むシーンが続く。
唯一ほっこりするのがしばしの安息の場で、ピザを食べる幸せなシーンだ。
李監督の作品は、説明しすぎないのに肝心な部分の描き漏れがない。案外これが難しいバランスだと思う。
フミが大人の女性を愛せないことや、サラサが好きでもない男から身体を触られる辛さと、デリケートな問題を扱ってるから、適当に観て誤解しないでほしい。
マスコミが書き立てるような見方をこの映画に対して決してしないで欲しいと切に願う。
月は全てを知っているのだ。ことの本質を。
観ている者も、主人公たちと共に湖に流浪して身を任せよう。
そうすることで月と同じ視点に立てるだろう。
月と一緒に2人の幸せを願えるだろう。
コメントする