「胸が苦しくなるような「切ない」映画だった…」流浪の月 ぴーちぱいさんの映画レビュー(感想・評価)
胸が苦しくなるような「切ない」映画だった…
1つ目の「切なさ」は、
大学生の文が10歳の更紗を同居させたことで誘拐犯にされてしまうこと
自分の身の安全を守ってくれる「大人」と「家」が
「ない」と感じていた更紗に、安らげる「家」と一人ではない「安心感」を与えた文は、一生背負わなければならないほどの犯罪を犯したことになるんだろうか…
そして、2つ目の「切なさ」は
文と更紗が子供の頃から抱える性的な問題
デリケートな問題だけに、絶対に人には知られたくない
しかしそれを話せないことが、誤解やトラブルとなってゆく…
ネットに本当かうそかわからない情報があっという間にとびかう時代
世の中には、少なからず「生きにくい人」、「行き場のない人」がいるんだろうな
文と更紗はお互いの存在自体が、唯一の「生きていける場所」なのかもしれない
松坂桃李と広瀬すず!
さすがの圧巻の演技で、作品ががっちり成り立ってます
一皮むけたような横浜流星の演技も秀逸でした
また、
画面に風、陽の光、水や雨などが、動きをもってきれいに差し込まれ、作品タイトルの「月」をよりシンボリックにひきたてていました
そして、見終わったあとにその寂しげで冷たく光る月の映像が、しばらく心から消えない…
そんな、余韻を残します
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