劇場公開日 2021年10月8日

  • 予告編を見る

「かなり評価は割れそうな状況だが、今週は枠自体が少ないので…」スターダスト yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5かなり評価は割れそうな状況だが、今週は枠自体が少ないので…

2021年10月8日
PCから投稿

今年136本目(合計200本目)。

まず、本映画は「史実に「ほぼ」近いお話です」と出ます(英語では mostly)。そのため、あることないこと描写することはできない状態です。
いわゆるドキュメンタリー映画ではないですが、普通の映画か?というとまた微妙なところ。その中間点くらいにあると解するのが妥当でしょうか…。

諸般の事情があったのか(他の方も書いている通り、権利関係や、あまり触れたくない内容に触れているため?)、何が「ほぼ」近いのか、換言すれば、どの部分をぼかしているのかが正直わからない状況です。

内容としては、先週の「トーベ」に近いところがあるものの、こちらは英語ですので聞き取ることは可能です。この「トーベに近い」という事情から、「大人の営み」のシーンもあれば、薬物乱用を連想させるシーン、さらには「日本では偏見の残る病気」に関すること(やや配慮が足りない。現在では行われていない治療法(手術)について、断り書きがない)など、かなり多々にわたります。さらに「トーベ」と同じようにまた「娼婦」が登場するという状況…。内容的に、音楽に興味のある小さい子(中学生~高校生くらい?)が見に行くという類型は考えにくいのですが、史実に着想を得ているので概ね史実通りですし、今週はそもそも作品数が少ないので(来週は異様に多かったりバラバラすぎ…)、何見に行こうか?って思ってこれを家族で選ぶと、また凍り付くことになるんじゃないか…という状態です。

この権利関係の問題か、実在する人物で、今から50年くらい前(1970~80)の人物なのでフィルムなど残っているはずなのですが、それが出るのはごくわずかで、歌一つも「完全に」流れてこないというのに音楽映画には分類されうる(あえてどれかに入れろと言われれば、そうなる)というかなり妙な状態になってしまっています。
ただこの辺、ご親族の方もいる以上、仕方がないのだろうとは思います。少なくとも、実在した人物を、音楽家として取り上げて当時の動画が流れるとか音楽が聴けるというものではないので、そこを間違えると「なんじゃこりゃ」になりかねないので注意です。

ただ、「トーベ」と同じで、史実に着想を得ている以上、あることないこと描くことはできませんし、表現がやや不穏当なところがある(「娼婦」など、正直、お子さん持ちの方にはキツいのでは…)とはいえ、あからさまな状況でもないので、そこは大きく減点対象にしていません。

評価は下記のように4.7を4.5まで切り捨てています。

-----------------------------------------
(減点0.3) 上記の事情(突如、大人の営みやら「娼婦」やら出てくる)ことはまぁ、この映画が史実に着想を得ている以上仕方がないところでしょう。

 ただ謎なのは字幕で、どうでもいいことの翻訳は結構あるのに(町などの施設の看板など。HOTELがホテルだの、STOREがストアなのは、どうみたって明らか)、「日本では偏見が残る、ある種の病院」についてはその中(施設内)の標識についてまで翻訳がなく(これも大人の事情と思われるが…)、しかも、キリスト教文化を前提にした歌詞がどんどん出るので、かなり「字幕の偏り」が大きく(完全にないところと、異様に詳しいところが混在しすぎ)、観る人は全員混乱するんじゃないか…という状況です。

 (※参考) この映画を見に行くのは、少なからず音楽に興味がある方だと思いますが(私もそう)、score には「得点」という意味以外に「楽譜」の意味があります。このことを知っているだけでも字幕の理解度は違います。
-----------------------------------------

yukispica