「メディアに奪われる体」整形水 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
メディアに奪われる体
言わずと知れた韓国は、昔からの美容大国だ。
ワールドカップ日韓同時開催の頃すでに「韓国美容ツアー」が用意されていたなぁと思い出す。
なので整形も先駆けてカジュアルだと聞くし、
近頃では美男美女ぞろい。韓国俳優やアイドルも世界レベルで有名である。
なるべくして競い合うバラエティ番組も人気なのは言わずもがな。
思い浮かべながら観ていると、
国内にある過剰なルッキズム、もたらす劣等感や競争を思い浮かべずにはおれないし、
グロテスクとある種ナンセンスな表現で、
過剰に意識、追及されるあまり「美」が売買されていることへの「痛烈な風刺」を本作に感じた。
それは完全なブラックユーモアとして描かれたラストのように、
個人のモノであるはずも、いいようにあおられ操られるまま「メディアに奪われてしまう体」
もしくは「見失う自分自身」という強烈なメッセージを想起させる。
直接、血しぶきが飛ぶよりも、この身近さにうすら寒い恐ろしさを感じた。
もちろんアニメ特有のかっとんだバカホラー話としても見てもいいし、
綺麗な3CDアニメを楽しむのだっていい。
加えて先述したように、今に警鐘を鳴らす「寓話」として鑑賞したならば、
なかなか痛烈にうまくできているいな、と感じて止まない。
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