「既製獣」整形水 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
既製獣
韓国製のアニメは初めて観ました。しかも3Dと色々異質なところはありますがとっても楽しく、とってもゾワゾワする作品でした。
主人公は体型にも顔にも自信の持てない人。美人女優のメイクを担当していますが、豚だったり不細工呼ばわりしていますが、後者はともかく前者は自分自身の管理の問題なので自分にも否があるというのも描き方として上手だなと思いました。テレビの収録と言いつつ、爆食いする様子をネットに晒されるというネットでの公開処刑もされるという現代のネット社会の闇を行くところまで描いていてとても大胆だなと。もし現実に自分の身に起こったら生きることが辛くなるんだろうなと思うとゾッとします。
その後、その晒しっぷりを目撃した整形水を管理している人から整形水が送られてきて、それをビデオ通りに顔をつけたら顔面の脂肪が取れ、目も大きくなり、体型以外別人になっていました。さすがに両親も驚きを隠せていませんでした。その後は完全に整形水に取り憑かれ、親から2億ウォンせびるというクソっぷりを見せつけて、贅肉を削ぎ落としスリムボディに変化します。今までそういう好奇の目で見られる経験が無かったこともあり、有頂天になってしまいます。
ただ、整形水風呂に長時間入ってしまったが故に、肉どころか皮膚も顔面もドロドロと溶けてしまうという恐怖を視覚的にドカンと見せてきて、とってもおどろおどろしかったです。そんな風になった娘を救うために両親は自分の肉を娘につけるという、中々にぶっ飛んだ行為をはたらきます。でも娘はあまり修復できず、整形水の売人に責め立て、顔と腕だけは治してもらったけれど、それでは満足できず、売人を床に叩きつけたり首を絞めたりして殺し、整形水風呂に浸け、そこから溶かした肉を自分につけるという中々に狂気的な行動に出ます。
ただ、ここから再び転落していく様をジェットコースターのように見ていくことになります。メイクを担当していた俳優と再会し、家まで行くことになりますが、その俳優は美人を妬み、整形水で不細工を綺麗にしたり、美人の表情のパーツを体につけたりとこっちはこっちで狂気的な人間でした。美人女優もパーツを奪われており、目が汚いという理由込みで潰されるという見ていて痛い映像が続きました(今年はよく目が潰される作品が多い)。主人公も縛られ、宙吊りにされており、そのまま目を奪われました。その後主人公が実体では生きていなかったので、整形水に溶かされたんだろうなと思いました。その後その俳優の足に目があり、可愛がられるというちょっと笑ってしまうような感じでした。まだ口のパーツが無いから、次の狙いを定めて終わります。
今年一怖かった作品です。韓国のエンターテイメントは侮れないと痛感しました。
鑑賞日 9/30
鑑賞時間 14:20〜15:55
座席 H-2