異動辞令は音楽隊!のレビュー・感想・評価
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映画に大事な三つの要素
けして「貴種」とは言えないけれど、
これも一つの「流離譚」。
実績はあるものの、捜査現場で傍若無人に振る舞い過ぎた刑事が、
それを咎められ、左遷の憂き目に遭う。
流される先は、180°畑違いの音楽隊。
加えて隊員たちのほとんどは、兼務ばかりでヤル気も皆無。
が、主人公が加わったことで、
自身も変われば組織も変わる。
共に長足の進化を遂げ大団円となる一部始終。
しかしそこに至るまでの道程は、
当然の様に平坦ではなく、山あり谷あり。
度毎に観客は、時に義憤を感じ、笑い、そして涙する。
ここには映画の肝心な三要素、
笑わせ泣かせ握らせる(手に汗を)の全てが詰まっている。
さほど期待しないで観に行ったものの、
望外の収穫と断じてしまう。
「貴種」でない理由は、もう主人公の見た目から明らか。
刑事生活三十年の成れの果て、
時代遅れのフォルムの眼鏡に無精髭、
衣服もマル暴の人と見紛うばかりのファンキーさ。
私生活でも仕事一徹の態度に妻子から愛想をつかされ、
数年前に離婚を言い渡される始末。
それでも不憫に思い何くれと気にかけてくれる高校生の娘なのに
大事な約束を忘れることさえありがち。
そんな『成瀬(阿部寛)』のモチベーションは那辺に有りや。
社会正義の行使か、それとも成果を挙げることが単純に嬉しいのか。
自分の見るところではおそらく後者。
子供のまま、大人に成りきれない人間にありがちなタイプ。
気に入らないことや、思い通りに行かないことを
所構わず怒鳴り散らし我儘に振る舞うのはその証左。
そんな彼を変えるのが、一つ音楽のチカラとは
ありがちなプロット。
触媒となる婦警の『来島(清野菜名)』の存在は効果的も
やや性急過ぎる変化には少々眉に唾を付けたくなる。
また、連続アポ電強盗の事件終結に至る経緯も、
背景描写が全く無く、かなり杜撰な造り。
それでも、齢五十になってまだ変わることができる余地の提示と、
一人の良化が周囲をさえ幸せにして行く流れは観ていて心地良い。
音楽映画に外れナシとの想いを
改めて強く持つ。
それにしても『阿部寛』は不思議な俳優だ。
役柄が変わっても口跡は変わらず、
何を演っても、同じに聞こえてしまう。
それでいて、芯から発散する空気は
きちんとその者を体現している。
彼が変わったのは、共に2008年の
〔歩いても歩いても〕〔青い鳥〕あたりからとの認識。
読モの嚆矢で、最初は馬鹿にしていたけど、
随分と良い役者の成り切ったもの。
でも、自身が変わり努力が報われる帰結って、
本作のプロットに似ている?
やっぱりかっこええわ
阿部さんが若い頃から好きで久々に映画に来ました。捜査1課で人の命がかかってる事件を扱うから怒鳴りつけるのはともかく後輩を殴るのはよくないなあ。最初に上層部が意見を取り入れてくれればあの上品な可愛らしいご婦人が亡くならずに済んだかも知れないのに。それにしてもマルタイが被疑者と接触するのがわかっていて張り込みするのに誰も警棒等を持っていないのは普通のことなのですか?私が子供の頃は警察のマーチングバンドとか県警対抗の武術大会とかTVで放映されていて直に見に行きたいと思いましたよ。音楽隊は無駄じゃないですよ。嫌がらせのようなネズミ取りの方がキライ。
予告編が勿体無い邦画。 本年度ベスト級。
予告編は劇場で何度も観たけど微妙な感じ。
お目当ての作品を観る前に時間があったので鑑賞したけど、なかなか面白かった。
コメディー要素の多い作品と思いきや、出だしからシリアスな展開に引き込まれる。
昭和臭漂う熱血刑事。
阿部寛さん演じる成瀬が強引な捜査を続け、ある告発により音楽隊に移動させられるストーリー。
警官の窓際俗みたいな音楽隊に移動となりテンション下がる成瀬。
成瀬が徐々に音楽隊に馴染むと思いきや、いきなり馴染むどころかドラムの演奏も一気に上達(笑)
尺の制約もなるけど、そんな展開の中、娘とのバンドのセッションがとても良かった。
自分も趣味でドラムやってて、スタジオで個人練習とかしてたけど、あんな風に出来たら良いと思える印象的なシーン。
先が読める展開の連続だけど、素直に楽しめた印象。
磯村優斗演じる成瀬の部下。
坂本のポイントが高めで良かった。
最近、演奏中にフラッグを振っているカラーガードに興味があり、もう少し見たかったです( ´∀`)
「置かれた場所で咲きなさい」
タイトルからしてもっとコメディ映画かと思っていましたが、笑えるシーンは特になく熱い人間ドラマでした。
自分の希望通りの部署じゃないところに配属って会社ではよくあることだから、多くの方が共感できるのではないでしょうか。渡辺和子さんの名著「置かれた場所で咲きなさい」を思い出しました。
一番好きなシーンは娘とのセッションシーン。
色々詰め込み過ぎではないですか、あと、凝り固まった思考はそんな簡単に治りませんよ。
高齢者を的にした犯罪、認知症、親子関係、シングルマーの仕事と子育て、パワハラ等々いろんな要素を詰め込んでいるけど纏めきれてないんじゃないですかね。
例えば、主人公はなぜ、組織の輪を乱してまで、また、家庭を壊してまで捜査に没頭するのか・・・
あと、凝り固まった思考はそんな簡単に治りませんよ。あっさり、音楽隊を受け入れていますが普通は腐って終わりです。そうならない何かエピソードが欲しかった。
ついでに言えば、いろいろおかしな描写がありますね。最後の犯人の登場の仕方とか演奏会への移動方法とか・・・
出来が良ければ気にならない矛盾点が出来が悪いと次々に気になってしまいました。
出演者の方が演技・演奏を頑張っていたので点数は甘目です。
磯村さん
阿部さんと倍賞さんの芝居が完成されてリアルです。他のキャストさんも負けず最高でした。
刑事一筋、無愛想で誰にでも噛みつく成瀬刑事に手を焼く部下の坂本刑事この2人の掛け合い熱かった。
異動命令で音楽隊すら知らなかった刑事がやがて..と王道に描かれていきます。
阿部さんのジャージにTシャツインはダサくてもドラムかっこ良かったです。清野さん実家の鉄板焼き屋も気になりました。
磯村さん大河ドラマの主役に抜てきして欲しいです。
音楽はあまり
警察音楽隊が観れると思い鑑賞
あんまり無かったが、
久しぶり阿部寛を堪能
だんだん変わっていく様を、
上手く演じておられた。
清野彩名とのコンビも良い。
いかにも敵役な、
光石研・六平直政が、
上手く敵役で観ていて飽きなかった
【良かった点】 ドラマ放送中のオールドルーキー系列の映画で、中年親...
【良かった点】
ドラマ放送中のオールドルーキー系列の映画で、中年親父のセカンドライフもの。さらにそこにパワハラ上司の性格更生物語、家族との絆の再確認が乗っかり、捜査まで!?と盛り盛りの展開だがしっかりまとめる辺り監督の手腕が光る。音楽のセッションをキーワードとして、娘との軽音シーン、音楽隊たちの複数人で犯人を捕まえるシーン、先輩音楽隊員と後輩刑事のシーン、そして何より音楽隊員と過ごしてそれに触発される主人公などソロではできない、複数だからこそできることがあるというメッセージに胸を打たれた。
【良くなかった点】
個人的にはあまり気にならなかったが、要素が多く、特に捜査のパートは案外あっさりしていたり、フィクションラインが若干気になる人はいるかな?と感じた。
コント並みの脚本ですが‼️❓演技は凄いぞ‼️❓
パワハラ当たり前で三十年生きてきた刑事が異動で何も無くて良い人に変わるドラマがまるで無い。
何か人生を変える出逢いか出来事が描かれないと、テーマとして成り立たないよ。
清野菜名との出会いなんか、シングルマザーが居酒屋で店主返して阿部寛を二人きりに誘うなんて、思い切り逆ナンやんか、阿部寛役が堅物なんで無視されてるけど。
主人公の突然の改心なんか、阿部寛でなければ失笑ものです。
ところで、公務員社会は必然的に腐敗する運命にありますが、幹部とか特定の悪人以外はとても仕事に忠実な善人です。
特に警察はエリートとの二層構造なので、悪い奴と善人の差が凄い。
そんな所も描かないと、警察を描く意義はありませんよ。
ところで、知事に警察の予算を左右する権限はありませんから。
でも、清野菜名とキングダムに出てた人、演技が素晴らしいですよ。
演技の素晴らしさを観るために、是非。
シンプル。
もう少しコメディ要素あるかと思ってたけど、めちゃヒューマンドラマだった。
シンプルだけど王道なストーリーで、そんな単純な…って展開も含めてとてもとてと良かった。
個人的に阿部寛って、「新参者」の加賀恭一郎とか「護られなかった者たち」の刑事役とか王道もいいけど、「海よりもまだ深く」みたくちょいコミカルだったり、クセのある役の方がいいと思ってる。
捻りも伏線もないけど、ただただド直球にハートに響きました。
同じ日に公開作品が、何本か候補ある中でこれを一番に観て良かった😭
予告よりもシリアスだった
本作はベテラン刑事が高齢者のアポ電強盗事件に
対してかなり強引な捜査をおこなったため
音楽隊に異動させられてしまい
そこでもう一度やり直すというヒューマンドラマ
予告で観たよりも
そこそこシリアスなシーンが多く
音楽隊のファンであるおばあちゃんが死んでしまうシーンもある
個人的には最初に描かれているアポ電強盗シーンの被害者も
死んだと思っていたが、ほかの高齢者は生きていたんだな
なんというか、本作はいろいろな要素を詰め込みすぎているのかな
母親がボケている要素はべつに作品にはそこまで関係なかった
主人公がアポ電強盗事件に対して熱心になるのは
自分の母親が被害者になりかねないのが理由なのかもしれないが
ちょっと感情的になりすぎている感じがする
作品のなかで
仕事のコンプライアンス、ボケた母親の介護、娘との関係、シングルマザーなど
いろいろ要素を詰め込んでいる感じがして
前半はなんかちょっと、重苦しい場面が多く
後半がそれが解決するという部分もそこまでなかった
アポ電強盗事件の主犯は見た目は普通の老人っぽいのに
ムダに強くて、確保することに手間取っていることや
コンプライアンスにこだわる坂本が
終盤でコンプライアンスを違反することをよしとしたことが
最後にスッキリしない理由だと思う
予告よりも重苦しい作品だったので
評価が分かれるかもしれない
コメディじゃなかったけどこの方が良かった
2022年劇場鑑賞194本目。
阿部寛が慣れない音楽隊に異動になって巻き起こるドタバタコメディ・・・かと思ってたら最初からめっちゃシリアス展開。阿部寛演じる刑事は思ったよりワイルド系だし、関わってた事件は未解決のままだし、絶対これコメディ展開になんないじゃん!
そのままのシリアスな感じで笑いなんか一切なく物語は進んでいくのですが、ちゃんと例の事件が絡んでいったり、警察音楽隊という部門が活かされたストーリーになっていてとても面白かったです。阿部寛のドラムうまっ!
違うパートとのセッション
阿部寛さん、いいですね!
妹 見上愛さんとのセッション、清野さんとのセッションよかったです。
犯人確保、みんなとのセッションでしたね!
ラストの演奏、とってもよかったです。
音楽隊、解散の危機は回避しましたね。
幸子さんのお見送りシーンは、しびれました。
見上愛が可愛くてカッコよかった
部下に厳しく、上司に媚びず、犯人逮捕のためなら手段を選ばずのベテラン刑事・成瀬司は、妻子と別れ、認知症の母と2人暮らしだった。そんな成瀬は、高齢者を狙ったアポ電強盗事件を捜査する中で、令状も取らず強引な捜査を繰り返した結果、パワハラの投稿もあり、広報課内の音楽隊への異動を言い渡された。不本意ながらも音楽隊を訪れたところ、そこには覇気のない隊員ばかりだったが、トランペットの来島春子はシングルマザーで仕事と子育てと音楽も頑張ってた。そんな時、成瀬を音楽隊へ飛ばした県警本部長が経費削減のため警察音楽隊を解散すると言い出した。さてどうなる、という話。
阿部寛が出ると大袈裟なんだけど演技に引き込まれてしまう。最初はぎこちなかったドラムも様になっていって娘とのセッションなんかいい感じでほんわか出来た。
トランペット担当の春子役・清野菜名はあまり母親っぽくはなかったけど、爽やかで良かった。
サックスの高杉真宙も最初は嫌な奴かと思わせて、だんだん熱くなってくるところも良かった。
成瀬の娘役・見上愛が小松菜奈に少し似てて、ギター演奏がカッコよくて可愛かった。
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