「コメディっぽいけどそんなにコメディではない」異動辞令は音楽隊! つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディっぽいけどそんなにコメディではない
笑えるところはもちろんあるけれど、思ったほどコメディ作品ではなく意外と真面目でシリアスな作品だった。
印象的で、かつ笑えたのは、若者からドラムセットを譲られるシーンだ。
バンドマン風の若者は「就職するんで。大人にならなきゃ」と言う。譲られる阿部寛演じる成瀬は大人になるために音楽を始めるわけだ。
このシーンからも分かるように「大人になる」ってことについての物語だったかなと思う。
大人になるとは色々あるだろうが、本作では、自分のことばかりではなく、あとに繋げる、伝える、誰かのために頑張る、という継承についてだったかと思う。
自分のことだけでなく、誰かのためにというのは「大人になる」の内に含まれていると思うんだよね。特に相手が我が子だったりすればなおさらだし、そこから派生して、親の気持ちを知るというのも「大人になる」一歩だといえる。
後進を育てる。先達の真似をする。先達に報いる。全ては繋がっているように思える。
磯村勇斗は好きな役者だけど、今回も良かった。最後に全部持ってかれた気がする泣きは本当に良かった。
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