「阿部寛の泣くシーンが好きです」異動辞令は音楽隊! 八べえさんの映画レビュー(感想・評価)
阿部寛の泣くシーンが好きです
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阿部寛演じる刑事の再生の物語。
こういったドラマは人物のBefore/Afterのギャップと、その変化への過程への共感が物語の成否を決めていくように思う。
今回の阿部寛の演じる刑事は、「足で稼ぐもの」というかなりオールドタイプな刑事として描かれる。
熱血でありながら、傍若無人、犯人逮捕という目的のためなら手段は選ばないタイプ。流石にいまだにこんなタイプいるんだろうかと思う、ちょっと極端、漫画みたいである。
ただ、その彼も奥さんには出ていかれ、娘にも愛想を尽かされ、実母は認知症。
音楽隊に左遷された自分、そして認知症の母しかいなくなった自分を再認識させられた際に、強がっていた殻が割れて、立ち尽くして我が身の不甲斐なさを思い涙する。
悔し涙なんて簡単に言い切れないほど、さまざまな感情が溢れるような涙に見えた。
どうしてこんなことに、何が悪かったのか、どうしたら良かったのか、自責の念と共に理解されない悔しさ、苛立ち、寂しさがあったのだと思う。
そこから少しずつ変わり始める。
そのきっかけが音楽である。
娘とのセッション。支えてくれる人たち。
悲しい事件が、ドラマのエンディングに向けて物語を動かす。
この悲しい事件は予想できただけに、切なかった。
協力し合い物語は解決に向かっていく。
そして、最後のセッション。
忘れられない時間となっていった。
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