コレクティブ 国家の嘘のレビュー・感想・評価
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無関心は人を殺す
政治やシステム、企業が腐敗していくのはなぜだろうか。権力を握った人間が大義を忘れ、自分(もしくその周りの人間)だけに利するようになってしまうからなのか、それともそんな人間だけが権力を握れるようになるからなのか。
本作はルーマニアで起こった医療スキャンダルのドキュメンタリー。ライブ火災の惨事による負傷者が入院後に多数亡くなるという事態から、病院と医療製品メーカーの癒着、政治的な腐敗にまで切り込んでいく内容に驚いた。これ、本当にドキュメンタリーなのか?普通の社会派ドラマみたいな映像だぞ。
更に驚いたのが、新たに就任した保健相側の映像も撮影していること。政治的な思惑ではなく単に現状を変えようとしている姿も見せていたのが作品に厚みを与えている。
でも、最後はスッキリしない。ここで終わる?と。でもそうか、ドキュメンタリーだったよなと思い出した。根底まで腐敗したものは早々簡単には刷新できないということか。他人事には思えない。今の為政者が望むのは世間の無関心だ。どんなスキャンダルが起ころうと目先にうまそうなエサをぶら下げれば政権を維持できるってことなのか。この映画は、そうさせてはならないってメッセージに思えた。途中、抗議行動を起こしていた人たちが叫んでいた「無関心は人を殺す」というスローガンが心に刺さる。そう、長いこと腐敗してしまった原因の1つは無関心ってことだ。
避けたい未来
ルーマニアの権力の腐敗の果て。これがドキュメンタリーであることに驚愕させられる。一部の人がどんなに頑張ろうと大きな利権複合体は揺るがない。
これは遠い外国だけの出来事だろうか。日本では不正が正されているだろうか?「天に恥じない」という誇りを見失う時、これは我々の現実となるだろう。
さて、日本にガゼタは残っているのだろうか?
汚職と既得権益を守る姿
ドキュメンタリー映画なので、ストーリーも、エンディングもありません。
事実を伝えているだけです。
この映画を鑑賞しても、何かを得られるのかは、鑑賞した人によって異なります。
映画賞を受賞したから、映画評論家が高く評価しているからという理由で鑑賞しても得られるものは何もないでしょう。
コレクティブは、2015年10月30日、メタルコアバンド「Goodbye to Gravity」のライブ中に火災が起きた東ヨーロッパにあるルーマニアの首都ブカレストのクラブの名前です。
この火災で、27名が死亡し、病院に搬送された重症患者の37名も死亡しました。
国家の嘘は、ルーマニア政府が国民に嘘を言ったことを示しています。
ルーマニアの人口は、2000万人くらい、国土は日本の三分の二くらいの大きさの国です。
ウィーンは、オーストリアの首都です。
ブカレストからウィーンまでの距離は、850kmくらいです。
東京から札幌や福岡までの距離が、800kmくらいです。
ジャーナリストが、政府発表に疑問を持ち、病院に搬送された重症患者の37名の死因が感染症ということを追求し、国家の嘘を暴き出すきっかけになりました。
この映画では、ジャーナリストが政府発表に疑問を持ち追求する姿と新任の保健相が国家の嘘に対応する姿が見られるところが良いです。
日本では、ジャーナリストが政府発表に疑問を持ち追求する姿を見ることはできません。
日本では、担当大臣が国家の嘘に対応する姿を見ることはできません。
汚職と既得権益を守る姿だけは、日本もルーマニアも同じです。
映画「i 新聞記者ドキュメント」と比べて観ると、日本は、ルーマニアに劣っていることが理解できます。
映画「i 新聞記者ドキュメント」は、ルーマニアではもちろん、日本以外では公開さえされずに、アカデミー賞はもちろん、映画賞にノミネートも受賞もしていません。
この映画「コレクティブ 国家の嘘」は、日本はもちろん、世界中で公開され、アカデミー賞で2部門でノミネート、多数の映画賞を受賞しています。
世界報道自由度ランキングでは、ルーマニアは48位で、日本は71位です。
この映画で描かれているルーマニアに、主観的にも客観的にも、日本の報道自由度は劣ります。
映画「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」でも描かれていましたが、「報道機関が権力に屈すれば、国民の将来はない」ということを再確認することができました。
日本の総選挙結果で、日本に将来がないことが示されることでしょう。
ルーマニアは30年以上は直らないそうですが、日本は50年以上は直らないでしょう。
牧島かれんデジタル担当相(女性、44歳)は、2019年6月と2020年6月の2回にわたって、NTT
の秘書室長から会員制レストランで金額の最も高いコース接待料理で接待を受けて、
「大臣就任前の一議員として政治活動を行ったものだ。一議員として、いろいろと意見交換を
するのは、政治活動の中で大事なことだ」と述べました。
日本の将来は、ありえません。
この映画に登場するのは50歳以下の若い人です。
国民の将来を変えるのは、老人ではなく、若い人です。
老人に国民の将来を任せれば、何も変わりません。
日本人は、メタルコアバンドのライブに行く人が悪いと感じるのではないのでしょうか?
日本人は、新型コロナウィルスで亡くなったのは、亡くなった人が悪いと感じているのではないのでしょうか?
【日本も似たようなもん】
僕にはルーマニア人の友人がいるので、この事件については途中まで気を付けて追っかけていた。
緑膿菌による死者が増えて、ルーマニアの医療システムのインチキさまでは記事を読んでいたが、その後の顛末までは追い切れていなかったのだと改めに認識することになった。
コロナ禍を経験して、行政・政治とこうした医療システムが相互監視・相互情報共有の状況にはなっていないという疑問は、決して他人事ではないと思うし、これを報じるメディアの客観性や、信念に基づいた姿勢は、より重要なのだと気づかされる。
ルーマニアは社会主義国だっただけあって、「社会民主党」が、日本でいうところの「自由民主党”右派”」みたいな感じであるのは、ちょっと斬新だった。
ルーマニアは、東欧の小国で、昔からヨーロッパの大国やロシアとの間で翻弄されることが多かった。
だから、ルーマニア人の多くは、ドイツ語やフランス語、ロシア語の他、英語など多言語を身に着けている人が多く、保健相が、ウィーンに留学していたというのは、ドイツ語が堪能だったからだろうなと思った。
僕のルーマニア人の友人は、日本語を含めて5か国語を読み書き話すことが出来て、ルーマニアの語源はローマ人という言葉にあるらしく、そんな兄弟のようなイタリア語は特に勉強したわけではないが、僕たちが方言と感じるくらいの程度で聞き取りは出来ると言っていた。
彼は、日本のとある難関大学の大学院で建築工学修士を取得して、得意の数学をベースに、実は関連のない別の職種についたが、今は日本以外の国で働いていて、出来るだけ早い段階で日本に帰ってきて働きたいと言っている。奥さんは、日本人で子供もいるし、日本はお気に入りのようだが、今回のコロナ禍で露呈した社会システムの劣化だけではなく、「護られなかった者たちへ」のレビューでも書いた通り、貧困や格差の拡大は解消に向けた早急な取り組みが必要で、せめて平均所得がOECD加盟国の平均はゆうに上回り、貧困率が縮小に向かうなど、改善に向かっている日本に戻ってこれるようであれば良いなと思う。
日本もそうだが、本当に守旧派とか既得権益というのは、発展を妨げるんだなと思った。
無医村か❗ 東スポもがんばれ👊😆🎵
ルーマニアはナチ、ソ連と長く支配下に置かれて、国民の自尊心が萎縮し、共産主義体制から民主化も遅かったので、賄賂政治が横行する腐敗構造から抜け出せなかったんだね~
酷いとは思うけど、ずっと抑圧されて貧乏ケチケチ体質が染み付いちゃうと、消毒液も薄めて節約しちゃうのかな?公立病院なのにどうして?って思うけど、政官民(含む製薬会社)癒着の腐敗構造が当たり前で、経営者(理事長)に忖度しちゃうのでしょうね。
安全より節約。人の命は二の次。コレクティブという名前のライブハウスの火災で死者のほかに重症でなくてもあとあとになって死ぬ人が多数いた。スポーツ新聞の編集長(トロンタン)が頑張って、内部告発する女医さんも出てきて、辞めた厚生大臣の後釜に民間人から正直者の大臣が出て、透明性が確保できたために露になってゆく事実。重症熱傷の診療は時間と人手、自己皮膚組織移植などの技術が必要な病院の総合力が試される救急診療。元々、緑膿菌が一杯の院内感染の温床では助からない。細菌感染によるショックは急激に死に至る。慢性化しても、ウジが湧くなんて、最初から諦めているとしか思えない。移植医療の問題点も呼吸器内科医が病院にいないから、外国(ドイツ)へ送る。無医村か?
医師の待遇は共産主義だと悪いだろうけど、今はそうじゃないんだから、腐りきってる。
日本の私立病院も理事長がケチケチでパワハラ野郎だと同じような似たり寄ったりのことが起ますね。病気になったら、かかる病院は選びたいもの。
ルーマニアと日本が違うのは病院に手厚い保険診療報酬制度。この制度で、とくになにもしなくても病院にはじゃぶじゃぶお金が入るから、消毒液を薄めて節約しなくてもいいだけ。
ルーマニアの政治、官僚、企業は腐っていたが、ジャーナリストは死んでいなかった。東京スポーツの1面にこんな告発記事が出るような日本も怖いけど、東スポの記者もシャレでおふざけ記事を載せるのは少しは減らして、がんばってみて欲しい。
アート写真のモデルになったあの美人さんは有名なモデル?芸能人?
ただ映像を流しているだけで、塩コショウも薄めだけど、それだけにリアルだった。
医系技官
「人間じゃなくなってしまった」
劇中でそんなセリフが出てきました。
表に出てくる数々の隠蔽や嘘を権力が知らないことは、やはりあり得ないことです。彼らは全て知っていて知っていながら、やっているのです。日本の戦争も原発も水俣もそうでした。
人間とは?
最近公開された「minamata」には、権力に対して非権力が闘う姿が映されていました。ドキュメンタリーである本作にも同じ姿が映されていました。私達が本作の様な作品を鑑賞する意味はここにあるのかと思います。
日本でもコロナによって医系技官という官僚組織の利権が表に出ました。医療だけではなくあらゆるところで権力が暴走しています。私達が見聞きする全てのことは、権力に都合良く塗り替えられて届けられるので、本質を理解することは難しいとは思います。しかし、権力者は権力者の為にだったらなんでもやるんだという仕組みを理解しておけば、物事の本質を少しは見極められる様になるのでは?と感じました。日本もこのまま行くと本作と同じ道を辿りそうです。スクリーンに映しだされた人々は、明日の私なんだろうと思いました。
変わろうとしない国民に愕然とする
ルーマニアにおける大規模な医療汚職事件の全貌を明らかにするドキュメンタリーかと思いきや、その先に真の絶望があった。
事件が明るみになり内閣が辞職したものの、その後の選挙で真っ黒な旧与党が圧勝した。投票率は極めて低かった。無関心な国民がいた。
これは落ちる。やりきれなくなる。
ロシアの影響下から外れ自由化が進むと思いきや、変わることができない東欧諸国の姿を実にわかりやすく描いた今作。
タル・ベーラの『ニーチェの馬』にあった絶望と100%リンクする、見ようとしない、聞こうとしない、言おうとしない、そして変わろうとしない国民に対する絶望があった。
【”国家絡みの医療汚職、腐敗した医療組織、不正医薬品の数々、飛び交う賄賂、政治的圧力・・”の真相に迫るドキュメンタリー映画。最も恐ろしかったのは、腐敗した政治組織が事件後の選挙で圧勝した事実である。】
ー 2015年、ルーマニア・ブカレストのナイトクラブ「コレクティブ・クラブ」で起きた火災を軸に、徐々に露わになっていく、国家絡みの代々続く医療汚職、賄賂、政権と医療組織との癒着・・。ー
◆感想
<Caution! 内容に触れています。未鑑賞の方は、ここまででお願いします。>
◇冒頭のナイトクラブの映像が、恐ろしい・・。メタルバンドの演奏中に、ボーカルが発火に気付き、あっと言う間に炎が燃え広がる様子。
一つしかない出口に殺到する観客。
ー 良く、この映像が残っていたモノだ。そして、この映像が流れた後に、観る側は更に恐ろしいモノを見せつけられるのいである。ー
・この火災事件は、記憶にはあったが、まさかルーマニアの医療体制の酷さにより、助かるべき人々が死んでいったとは・・。火災による焼死者が多かったとばかり思っていた。
・成分表とは違う、1/10以上に薄められた消毒液など医薬品が、長年に亘り、平然と使われていた事。
それにより、搬送先の病院で感染症に罹患し、亡くなった方が多かった事。
・その製薬会社社長の謎の死。
ー 妻の言葉”あの人は自殺する人ではない。人を殺す人だ・・、がなんともシニカルである。ー
・ルーマニア自体の医療体制が脆弱で、緊急時には隣国に患者を搬送していた事。
ー 自国で、肺移植が行えない国って・・。
国として、国民を守る義務を放棄している事と、同義ではないか・・。ー
・製薬会社から任命されていた保健相が、アッサリ辞任し、新たに保健相になったヴラドは、過去の真相を探るべく、上位役職や、院長、理事長に恫喝された女性医師達に、ヒヤリングしたり、賄賂について調査を進めるが、逆にルーマニアが過去抱えて来た、見えなかった負の事実に気付いて行く。
ー 新たに、保健相に任命されたブラドのルーマニアで長年、育っていないからこその、奮闘する姿に応援しつつも、一方で病院理事長とは思えない男の恫喝の声”俺が、トップなんだ!”ー
<随所で描かれる、全身に火傷を負い、片手の機能を失った女性が、自らの身体を”アート”として表現する姿。
だが、今作のラストはほろ苦い。
あれだけ腐敗し切った社会民主党が、若年層の投票率の異様な低さもあって、過去最高の得票数で政権第一党の座を守った事に対し、新任保健相ブラドの父が彼に言った言葉。
”この国は、駄目だ。あと、30年は変わらない・・”
腐敗した国家、それに目を瞑る民が多数いる国に、明るい未来は無い。
いつか、大きなツケが来る・・、と思った作品。
他人事ではない・・。>
何故この作品がオスカーを獲得出来なかったのか
この作品の素晴らしいところは2点あり、
①外側(政府を批判するジャーナリスト、民間側)と内側(腐敗した省庁内部で働く健康相、政府側)との2点の視点で描かれていること
②いずれも腐敗した官僚と官民ズブズブな賄賂体制について、同じ目標に向かいながらも右派と左派の"ズレ"も公平に取り上げていること
これ、非常に珍しい作品だと思います。
これまで徹底的に政策批判をやってきた作品は数多くあれど、大半は民間サイドのみの偏った見方になっていたので。
なお、これ虚構ではなくガチご本人がやってるリアタイの出来事だそうです。
そのような点を踏まえ、この作品こそがオスカーを獲るべきと思いました。
ええ、まあ、タコを追う映画も良いですけどね。
やっぱ命とリスクを賭けた戦いをしてる人達の労力も買ってもらいたいと思うんすよ。
それにしても、ルーマニア。やばい国です。
人々の言葉の中に何度も「マフィア」というフレーズが出てきますが、無論、現実にマフィアを撮影するようなシーンはない。
ただ、登場人物の言葉の端々にその存在が見え隠れしていたりするのです。恐怖。
最後に保健相のヴォイクレスク氏にかけた、彼の父親の言葉が何よりも辛かったです。
この先、この国が変われることはあるんだろうか。
同じような正義の政治家は日本にもいるはずだ
以前、中国人の知人と財布を拾ったときの行動について話したことがある。日本では大抵の人が警察に届けると言うと、中国では警察に渡す人などいない、拾った人のものになるか、警察官が自分のものにするかのどちらかだ、と言っていた。この話はいろいろな意味合いを含んでいて、必ずしも日本人の美徳や中国人の悪徳で済まされるものではないと思う。
日本には全国いたる所に交番があって、拾得物の届出が簡単にできる。日本人は、殆どの警察官は遵法精神に富んでいてきちんとした手続きをしてくれるものと信じている。日本人は他人の目を殊更に気にするから、拾得物を横領して得られる利益よりも、横領がバレて会社を馘になったり共同体から責められたりする不利益を重く見る。幼児の頃から義務教育を通じて、物を拾ったらすぐに届け出るように教え込まれているから、横領することに自動的に罪悪感を感じる。「悪銭身につかず」という諺もある。そもそも日本人は小心者だから拾得物を平気で横領することができない。
ちょっと考えてみただけで、日本人が拾った財布を警察に届け出る割合が高い(警察の発表では90%以上)理由がたくさん挙げられる。これらの理由が複合した結果、財布が持ち主に戻る割合が高くなったのだろう。倫理的に日本人が中国人より優れているわけではないと思う。現に話をした知人も、自分も日本に住んでいるから、拾った財布は警察に届けると言っていた。日本人も中国人も、同じ霊長目ヒト科ヒト属ヒトである。種が異なっているわけではない。環境と教育の差があるだけだ。
さて本作品はルーマニア映画である。ルーマニアの政治と医療が日本以上に崩壊していることを知って、まず驚いた。しかしルーマニア人が日本人よりも道徳的に劣っているとは思わない。小心者の日本人も、赤信号をみんなで渡るのは平気である。選挙にしてもアベシンゾウや石原慎太郎が勝ち続けた。根っこから腐敗しているのは日本も同じだ。
ただ、このような映画を製作する映画監督がいて、それをきちんと評価する人がいて、世界で上映するシステムがあることに救われる。そして作品に登場したような正義漢の保険大臣がいたことにも救われる。同じような正義の政治家は日本にもいるはずだ。
いまは単館での上映だが、こういう作品が多く作られて、シネコンで上映されるようになれば世界も変わるかもしれない。そうなればこういう作品も不必要になるかもしれないが、赤信号をみんなで渡りたがる人たちを根絶することはできないだろう。戦争映画がいつまでも製作され続けているように、こういう作品が不要になる時代は多分来ない。
それでも善意の政治家や役人たちが選ばれれば、社会システムと教育環境を改善していくことはできる。人類は少しずつではあるが、利己主義から脱して寛容さを獲得し、自由で平和な世の中を実現する方向に進めるかもしれない。
ドキュメンタリータッチじゃなくドキュメント。
程度の差こそあれ、日本も変わらないように思います。アスピリンをピリン系と言い切るバカ医者がいるし。
10倍に薄めても効力に変わり無しと思ってたんじゃないの。
すごいドキュメンタリー!!
ライブハウスの火事の映像はとてもショッキングで生々しいものだった。ライブを撮影していたカメラがいきなり火に飲み込まれる…。
子どもを亡くした親たちの集まり。苦悩が伝わる映像だった。
火傷の痕や後遺症がありながらも、生存者として生き抜く人はとても美しい。
そしてジャーナリストたち。社会に対しての役割を自覚している。
そして政治家(になっちゃった人?)
どのシーンもカメラを持つ人の前とは思えない。内部告発者とか、新しい大臣の苦悩とか。
選挙の報道もあった。
ブカレストの女性市長は、なぜか最近の総裁選挙のある候補者みたいだった??
日本にも似たようなことがたくさんありそう。
選挙の前に観るべき映画かも。
まるで劇映画のようなドキュメンタリーで、火事のシーンに始まり、記者...
まるで劇映画のようなドキュメンタリーで、火事のシーンに始まり、記者たちのやり取り、内部告発等、すごい緊張感、リアル感。ルーマニアのような国でこんなにひどいことが起こってるなんて信じられない感じ。日本でも、医療のような専門職の現場でここまでひどいことはなかったんじゃないか。血友病とかはあったけど、医者は知らなかったし。民度が低いのか、やはり。
役者が演じているんじゃないのか。嘘だろう。
ルーマニアの医療制度の腐敗を告発するジャーナリストと医療制度を改善しようとする保健大臣の奮闘を描いた映画です。
実話に基づいて役者が演ずるドュメンタリータッチの映画だと思って観ていました。
大臣室の私的な会話まで収録してあるからです。ところが、これが何と本当のドュメンタリーだと知って驚愕です。よく、許可したなと思いました。
孤軍奮闘する保健大臣の苦悩が良く伝わります。
しかし、ここまで腐敗しているルーマニアの不幸は、他人事ではありません。国民がしっかり監視していないと腐敗は必ず起きるとこの映画は伝えています。これでアカデミー賞ノミネートだけで、受賞しなかったのは、何故だろう。凄い作品が他にあったのか?
リアルは全て虚像で出来ている
最初から最後まで、出来事の映像までもが、あまりに洗練されたもので、ほぼ全編ドキュメンタリーには見えないものだった。それぐらいの力感と覚悟が伝わってくる作品だったけれど、見終わっての脱力感というか無力感は半端ない。
映像が氾濫している昨今では、荒々しい映像にリアリティを感じてしまうけれど、本来ならこの作品のような映像こそがリアルなはず。でも多方面の映像をキレイに切り取られると、たちまち虚構に見えてしまう。しかも、作品の中の出来事が信じられないことの連続で、現実世界のことだとは思えない。そしてこの作品から学ぶ。この世界は嘘で塗り固められていて、あまりに虚無的なのだと。
事実は小説より…
本当によくもまあ、こんなに…
権力と悪みたいな構造の物語ってよくあるけど、
現実でこんなにも人でなしな権力者たち。
誠実さは皆無、次から次に暴かれる事実に言葉もでません。
丸山ゴンザレスさんという方のコメント、
“権力と生活の関わりを描いた本作の問いかけは重い。
これは決して対岸の火事ではない。
「無関心は人を殺す」のである。”
本当にその通りで、わたしたちも政治に関心を持ち
誰を支持するのか、ちゃんと考えなければいけないのだと強く思いました。
政治は任せきりでなく、検証が必要。
虚飾に塗れた国家を正す為のはじめの一歩が画かれている。
とかく、社会主義国家は国威にプライオリティを求めがちで、形ばかりの民主化では本質は変わってなかったと言うのが実態だろう。
国も個人も誰も見てない、見ても何も言われないと思うと良識や理性が吹っ飛んでしまうもんなんだろうな、ある種こういう告発ものは必要と思う。
なかなか見れないドキュメンタリー。
腐敗政治を真正面から捉えたドキュメンタリー。これだけ頑張っても世の中なかなか変わらない、という現実をまざまざ見せつけられた。こんな短い上映時間ではそのごく一部と思うが…。腐敗しきっているのもある意味多数派。正常に戻すのにどれだけ長い年月がかかるのか…厳しい。
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