コレクティブ 国家の嘘のレビュー・感想・評価
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日本だって、他人事じゃない。
映画の作りもとてもよく出来ていて、写し方も効果的。最後まで集中して見れた。飽きさせない。
最後のほうで、ああ、そうだよねえ、これじゃあ賢い人は海外に流出しちゃう、と思ったが、wiki 見たら、ちゃんと戦った意味あったのだなと。
こんな酷い状態の国がどれだけあるのやらと思ったが、若い人が選挙に行かない日本だって他人事じゃない!と、はっとした。
軽減税率という補助金貰っている日本のマスコミでは・・・
ルーマニアのマスコミは正義で日本のマスコミは悪だといいたいわけではありません。
おそらくどこの国でもノリはいっしょなんじゃないでしょうか、秘密を暴くとか特ダネスクープって楽しいし気持ちいいし自分が正しいことをしている実感もある。
実際、現場ではどこの国でも似たような感じなんじゃないでしょうか。
でも補助金貰ってたら忖度せざるを得ないですよね。
日本のマスコミも政府の批判をしてると思っている方もいるかとは思いますが、それは政府というより与党の批判をしているだけで、もちろん反社や警察や軍まで使って圧力なんてかけてきません。
そういう意味で新聞の軽減税率やNHKのいろいろ非課税、民放の格安電波使用などしっかり手綱を握られている日本のマスコミは機能しようがないかと・・・官僚のいやがらせを受けるより補助金貰ってよろしくやってたほうがいいですからね。
しかし既得権益側のプロパガンダはだいたいどこの国でも外国人に安く売るっていうロジックなんですかね。
《権力の腐敗は世界の共通言語?》
国家権力の腐敗を暴くことを使命とする新聞記者と、腐敗した政治を正そうと奮闘する若き保険相(日本の厚労大臣)を追ったドキュメンタリー映画である。映画としての凄いのは、日本では考えられない場所で撮影していることだ。勇気と勝ち得た信頼感があるからこそだろう。そしてさらに凄いのはインタビューを一切使わず、撮影された事実だけで構成されていることだ。ドキュメンタリー作品を作る人たちが面食らったことだろう。
2015年に起きた事件で発覚した不正をめぐるやり取りには既視感を感じる。嘘、隠蔽、論点ずらし、責任逃れ… 日本で見られるものより「少しだけマシ」な光景が映し出される。「マシ」なのは『さら問い』が行われていることである。
そしてルーマニア総選挙では既得権益にまみれた政党が勝利し、何も変わらないのではという絶望感が映し出される。その選挙においての投票率が40%に届かなかったこと、20代では僅かに5%しかないことが絶望感を象徴していた。
2021年の日本、まずは投票しよう!このタイミングでこの映画が教えてくれたことではないだろうか。
民意は 常に操られる
製薬会社と医療法人の理事長との癒着や
政治との癒着を暴いたジャーナリズムの功績により 国民の批判で政権が倒れる
医療制度改革に立ち向かった新しい保険相だったが
現状では 国内で移植手術ができる医療水準ではない事を熟知する彼は 国内での肺移植を承認しない。
それを 社会民主党より 外国勢力と結びつきルーマニアの医療を売り渡す行為だとキャンペーンを張られ 改革半ばで失脚してしまう。
また、医療法人の理事長改革も頓挫してしまう。
民意は 常に 人命の尊重、高度な医療を求めるのだが 現状認識の差によって 正反対の選択をしてしまうことが皮肉であり、マスメディアナドの報道で 容易に操れることも露呈した映画
また 次世代の若者も投票率が 致命傷的に低いことは日本も同じ。世界的な問題だと思う
本当に、投票に行こう
細かいカットでテンポよく進み、国家の闇に迫る緊迫感もあり、最後まで飽きることなく引き込まれました。
様々な事実や情報を淡々と的確に伝える映像で、ナレーションや被写体と撮影者の対話などもありませんが、合間に捉えられた人々の仕草や表情から、苛立ちや不安や緊迫感なども切実に伝わります。
客観的な視点の映像で、ことさら情に訴えるような感じがないのは好感が持てます。
序盤の火事の映像も衝撃的ですが、中盤の患者の映像も衝撃的でした。
現代の病院であれは、嘘だろと……
人の命を蔑ろにする腐敗した医療業界も、黙認している国家も恐ろしいです。
新聞記者、新任の保健相、火事災害の生存者や遺族、それぞれの立場から理不尽な社会状況が映し出され、国民が国家権力に虐げられないためのメディアの役割についても考えさせられます。
理不尽な中でも、真っ当な信念、哀悼や再生など、人の心の光を感じる部分も印象深いです。
隠ぺい改ざん裏金疑惑の日本の国家権力についても、やはり連想してしまいます。
丁度選挙という時期ですし、他人事とは思えない展開です。
本当に、投票に行こうよ、と思います。
嘘の定義
上映中ただ、作話であって欲しいと願っていた。ため息しか出ない。現実だと認めたくない時間が流れてた。
国家の役割とは?政治家の仕事とは何かを問うことなんだが、そもそも「嘘」ってどういう意味かを考えたい。
辞書的には事実ではないこと。人を騙すために言う、事実とは異なる言葉らしい。
国民としては当然、政治家の国民に対する事実と異なることを嘘とおもっているが、政治家からすればそうではないようだ。政治家にとって、あるいは利益共有者にとっての事実てあるらしい。
この映画の国はルーマニアだが、おきていることは日本だ。
ここ最近の政府の対応と全く同じだ。嘘が正されずそのまま時が流れ、受け流され慣れさせられている。その嫌な習慣は悲しくも国民の、社会生活の場面でも現れてしまっている。
映画ではそんな現実に立ち向かう、立場の違う二人の姿を追って進んでいく。美しくも背筋が伸びる思いだった。
ラストはやはりため息しか出ない、なんとも言えない虚無感だった。
自分に置き換えて、次の機会は良い方向に向かうことを願うばかりだ。
医療者目線
医療技術そのものは、映画だけ観ると、日本の25年前以上と同等かそれ以下。
まず、映像を観る限りは医療機材(メス)などは、ガス滅菌などではなく、消毒液につけておくだけだったのだろうか(哺乳瓶をミルトンに漬けるみたいに)?
そして、熱傷患者にアレが出現しているシーンがあるが、あれは治療として行なっていたのではないか(日本でも10年前くらいにやっていた)。
色々、疑問が残るが、現在は改善されていることを祈る。
消毒のせいか?
作品の重要性と作品の面白さは別である。
登場人物にテロップなどは出ないので、ドキュメンタリーではないのかと思った。
スポットライトみたいに役者が演じているのでは?と思った。
東欧の作品で役者も一人も知らないし。
しかし、やはりドキュメンターリーでした。
中止してみていないと、どの人が何の役割なのかがよくわからなくなる。
これは、鑑賞する作品としては良い評価ができない。
まあ、ルーマニアの人には分かるのかもしれない。
さて、グルタールアルデヒドとヨウ素の濃度が低いとのこと。
前者は人間ではなく機材の消毒に使うが、日本ではほとんど使わずに、洗って滅菌しているはず。
ヨウ素はイソジン®︎と思うけど、熱傷の処置で消毒自体はそんなに重要ではない。
表面の洗浄は必要だし、感染が絡んでくればサルファ剤と銀のクリームを塗るし、発熱すれば抗生物質の全身投与だし。
それから、消毒を10倍に薄めても効果が十分の一になるわけでも無い。薄め具合は添付文書に書いてある。
緑膿菌も熱傷によくつく菌で特別なことではない。
そもそも、消毒剤は単価は安いので、わざわざ薄める作業をしてもあまり利益にならないのでは?
だから、政官財病の構造的問題があるのだろうけど、消毒自体は関係ないのでは?
重症熱傷の処置は大変なので、ちゃんと協定を結んであれば、隣国に送るので正解ですよ。
以前、ロシアの子供を日本で助けたではありませんか。
ドラマよりも現実
ライブハウスの火災についての追及かと思ったら、病院と製薬会社、政府の腐敗の話でした。わりと初歩的な、「薄める」って!政府側がチェックしたり指導する体制が皆無。回収すらされない!この辺りは日本はきちんと法律や規制があって(薬害などはあったけどその中で積み重ねもあり)、病院を基本的には信用できるのはありがたいと思った。
「ジャーナリスト」がいわゆるクオリティペーパーの記者じゃなくてスポーツ紙なのが意外。彼が弁の立つ人で、テレビにも出まくって議論を盛り上げていった様子。TVの司会者は政府寄りだったりする。盛り上がるにつれ、タレコミも集まる構図。
汚職取締局が政府から独立してきちんと機能していそうだったり、デモで首相が退陣していたり、デモ隊がジャーナリストを称えていたり、日本から見たら羨ましい場面もあった。
タレコミも正義感からというよりあいつパワハラでムカつくからみたいな動機っぽく、根本的な善意が市民から失われてしまうとどうしようもないなと思った。告発するのは全員女性で、男性教授は尻込みしていた。
記者会見での追及場面があり、日本ではどうなんだろう?あと、キプロスの銀行の明細はどうやって手に入れたのだろうか…!閣僚や市長が日本よりは若いし、女性も多い。なんだ日本…。
奮闘する新しい大臣と及び腰の官僚、そして皮肉な結末。「僕のやったことが少しは残るかな」というひと言がせつなかった。
生き残った女性の写真が良かったし、それを大臣が部屋に飾っているのが良いと思った。
元妻が「自殺なんてする人ではない。どちらかというと殺すタイプ」ってコメントするのすごい。
ドラマにもなりそうな内容だ。ドラマと違ってハッピーエンドにならないけれど。
カメラを回し始めた時はまだ先は見えなかっただろうし、大臣の会議でもカメラ回してるし、不都合なシーンや苦笑いする顔まで映しちゃってドキュメンタリーとしてすごい。そうか、初めは形になるかなんてわからないうちから始めるんだな。
ルーマニアの医療汚職を扱ったドキュメンタリー。保健相大臣がカメラの...
ルーマニアの医療汚職を扱ったドキュメンタリー。保健相大臣がカメラの前で生々しい会話をするのにびっくり。それだけ大臣も本気なのだろう。それくらいにルーマニアの腐敗は酷い。日本の政治家がまだましに見えてくる。ジャーナリストと大臣の奮闘ぶりに頭が下がる。今どうなっているのだろうか...
行き着いた無力感
ドキュメンタリーなのにフィクションのようなドラマティックな展開。構成。
撮影、編集、音声にものすごい技術と才能を感じる。本当にドキュメンタリーなのかと思わされるほど。
でも、行き着いた無力感が事実なのだと強く感じさせてくれた。
だが、必ず次があるはずだと信じたくなる。見るべき映画だと思う。
悲惨なルーマニア医療制度
ルーマニアの医療崩壊を白日の下に晒したドキュメンタリー。
コレクティブというライブハウスで火事が起こり、死者17人の大惨事となる。その時一命を取り留めた重傷者が後日当日の死者以上に死亡していったことから医療ミスの疑いが大きくなり、それをすっぱ抜いたスポーツ新聞を映画は追いかける。また病院の理事長あがりでウヤムヤに事件を終わらそうとした保健相の尻拭いで登板した保健相も密着。
遺族や被害者のことを考えると胸が苦しくなりしかしない話だが、旧ソビエトの社会主義国家と考えるとありえなくはない話と少し納得してしまう。
メディアが弱いと政治は国民をないがしろにするというメッセージがあったが、ルーマニアのこの状況を考えれば日本のメディアはなんと強く、政治はなんと弱いのだろうと感じてしまった。
密着取材、圧倒的な実録
実録に圧倒された。ルーマニアについては、治安の悪さやマフィアの暗躍がこれまでも報じられてきたが、国民の医療という基礎インフラも食い物にされていたことが火災事故から明らかにされた、その過程が関係者への密着取材で撮られている。スポーツ紙がここまでしっかりと政府の不正を取材しているのに驚くが、辞任した大臣に代わって就任した社会活動家出身の保健相が利権に切り込むと、病院経営者と与党政治家が束になって叩きにくるところも撮られているのも凄い。ただ、これは他人事ではない。日本でも安倍政権による不正の隠蔽やメディアへの圧力はあったし、今もある。われわれはルーマニアの記者や市民のように立ち上がれるか、問い直して見るべきだ。
いつになれば…
ルーマニアという国の深い闇を見た。
腐敗した政治や支配層がはびこる自国、それでも諦めず世に事実を突きつける新聞記者たち。
これらをひたすらドキュメンタリーで見事に見せてくれた。
憤り、歯痒さ、様々な感情を揺さぶられる素晴らしい映画だった。
これは今の日本の現状だ
汚職に塗れた世界。芯まで腐り切った上に奥が深い。国民の無関心が引き起こした最悪の国家。直接的に悪いのは政治家であり、資本家であるのだが、それを長い間見過ごして来た国民一人一人の自覚の無さが根底にある。今の日本がそっくりそのままルーマニアである。スポーツ紙が何発もスクープを叩き出すのだが、選挙が行われると結果は今と変わらず利権塗れの腐り切った世界が存在する。日本と同じである。国民の未来は全く他人任せである。自分自身のことであっても他人任せ。現状を村社会でしかないSNSで嘆くばかりである。
権力者は嘘をつく
驚きに満ちたフィルムでした。
まさか、保健省(日本でいう厚労省に相当)の大臣室にまでカメラが入るとは。
映画の中では、事件の起きた年(2015年)から始まって、2016年末までで2人しか首相が代わっていないけれども。
ルーマニアは汚職がひどく国民から信頼されていないため、圧倒的政権与党がない。
与野党が連立を組み、それが集まったり離れたり、不祥事を起こしたりなどで、しょっちゅう首相が変わっている。
2021年までの6年で、実に6人も辞任、さらに代行が4人いるほどだ(この後もどうなるか分からない)。
直近でも、大手TV局や新聞が「コロナの助成金」という名目で賄賂を受け取って、政府に有利な報道を垂れ流すことが問題視され、マスコミの社会的信用度が爆下がり中だそうだ。
そんな中で、調査報道をしているのはスポーツ新聞紙だけというありさま。
なもんで、国民がバカバカしくなって選挙にいかないもんだから、余計にカルト的な支持層や、贈収賄の繋がりだけで選挙に勝てちゃうのが現状。
映画を観ながら、「あれ、これどこかの国と似てない?」と既視感で脂汗が出てきましたよ。
それどころか、事前に記者が提出した質問に対し、恣意的に数人を当てるだけで、他の記者の質問を受け付けないなんて茶番までやっている国もあるしね。
国民の無関心は国家を殺し、政治家や官僚ら、権力側の嘘を許してしまう。
主権は国民にあり、選挙は大事だ。
心に強く刻まれました。
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