劇場公開日 2021年10月2日

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コレクティブ 国家の嘘のレビュー・感想・評価

全77件中、61~77件目を表示

4.0変わろうとしない国民に愕然とする

2021年10月5日
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鑑賞方法:映画館

ルーマニアにおける大規模な医療汚職事件の全貌を明らかにするドキュメンタリーかと思いきや、その先に真の絶望があった。

事件が明るみになり内閣が辞職したものの、その後の選挙で真っ黒な旧与党が圧勝した。投票率は極めて低かった。無関心な国民がいた。

これは落ちる。やりきれなくなる。

ロシアの影響下から外れ自由化が進むと思いきや、変わることができない東欧諸国の姿を実にわかりやすく描いた今作。

タル・ベーラの『ニーチェの馬』にあった絶望と100%リンクする、見ようとしない、聞こうとしない、言おうとしない、そして変わろうとしない国民に対する絶望があった。

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エロくそチキン

4.0【”国家絡みの医療汚職、腐敗した医療組織、不正医薬品の数々、飛び交う賄賂、政治的圧力・・”の真相に迫るドキュメンタリー映画。最も恐ろしかったのは、腐敗した政治組織が事件後の選挙で圧勝した事実である。】

2021年10月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

ー 2015年、ルーマニア・ブカレストのナイトクラブ「コレクティブ・クラブ」で起きた火災を軸に、徐々に露わになっていく、国家絡みの代々続く医療汚職、賄賂、政権と医療組織との癒着・・。ー

◆感想
<Caution! 内容に触れています。未鑑賞の方は、ここまででお願いします。>

 ◇冒頭のナイトクラブの映像が、恐ろしい・・。メタルバンドの演奏中に、ボーカルが発火に気付き、あっと言う間に炎が燃え広がる様子。
 一つしかない出口に殺到する観客。
 ー 良く、この映像が残っていたモノだ。そして、この映像が流れた後に、観る側は更に恐ろしいモノを見せつけられるのいである。ー

 ・この火災事件は、記憶にはあったが、まさかルーマニアの医療体制の酷さにより、助かるべき人々が死んでいったとは・・。火災による焼死者が多かったとばかり思っていた。

 ・成分表とは違う、1/10以上に薄められた消毒液など医薬品が、長年に亘り、平然と使われていた事。
 それにより、搬送先の病院で感染症に罹患し、亡くなった方が多かった事。

 ・その製薬会社社長の謎の死。
 ー 妻の言葉”あの人は自殺する人ではない。人を殺す人だ・・、がなんともシニカルである。ー

 ・ルーマニア自体の医療体制が脆弱で、緊急時には隣国に患者を搬送していた事。
 ー 自国で、肺移植が行えない国って・・。
   国として、国民を守る義務を放棄している事と、同義ではないか・・。ー

 ・製薬会社から任命されていた保健相が、アッサリ辞任し、新たに保健相になったヴラドは、過去の真相を探るべく、上位役職や、院長、理事長に恫喝された女性医師達に、ヒヤリングしたり、賄賂について調査を進めるが、逆にルーマニアが過去抱えて来た、見えなかった負の事実に気付いて行く。
 ー 新たに、保健相に任命されたブラドのルーマニアで長年、育っていないからこその、奮闘する姿に応援しつつも、一方で病院理事長とは思えない男の恫喝の声”俺が、トップなんだ!”ー

<随所で描かれる、全身に火傷を負い、片手の機能を失った女性が、自らの身体を”アート”として表現する姿。
 だが、今作のラストはほろ苦い。
 あれだけ腐敗し切った社会民主党が、若年層の投票率の異様な低さもあって、過去最高の得票数で政権第一党の座を守った事に対し、新任保健相ブラドの父が彼に言った言葉。
 ”この国は、駄目だ。あと、30年は変わらない・・”
 腐敗した国家、それに目を瞑る民が多数いる国に、明るい未来は無い。
 いつか、大きなツケが来る・・、と思った作品。
 他人事ではない・・。>

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NOBU

4.5何故この作品がオスカーを獲得出来なかったのか

2021年10月5日
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悲しい

知的

この作品の素晴らしいところは2点あり、
①外側(政府を批判するジャーナリスト、民間側)と内側(腐敗した省庁内部で働く健康相、政府側)との2点の視点で描かれていること
②いずれも腐敗した官僚と官民ズブズブな賄賂体制について、同じ目標に向かいながらも右派と左派の"ズレ"も公平に取り上げていること

これ、非常に珍しい作品だと思います。
これまで徹底的に政策批判をやってきた作品は数多くあれど、大半は民間サイドのみの偏った見方になっていたので。
なお、これ虚構ではなくガチご本人がやってるリアタイの出来事だそうです。

そのような点を踏まえ、この作品こそがオスカーを獲るべきと思いました。
ええ、まあ、タコを追う映画も良いですけどね。
やっぱ命とリスクを賭けた戦いをしてる人達の労力も買ってもらいたいと思うんすよ。

それにしても、ルーマニア。やばい国です。
人々の言葉の中に何度も「マフィア」というフレーズが出てきますが、無論、現実にマフィアを撮影するようなシーンはない。
ただ、登場人物の言葉の端々にその存在が見え隠れしていたりするのです。恐怖。

最後に保健相のヴォイクレスク氏にかけた、彼の父親の言葉が何よりも辛かったです。
この先、この国が変われることはあるんだろうか。

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BONNA

4.0同じような正義の政治家は日本にもいるはずだ

2021年10月5日
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 以前、中国人の知人と財布を拾ったときの行動について話したことがある。日本では大抵の人が警察に届けると言うと、中国では警察に渡す人などいない、拾った人のものになるか、警察官が自分のものにするかのどちらかだ、と言っていた。この話はいろいろな意味合いを含んでいて、必ずしも日本人の美徳や中国人の悪徳で済まされるものではないと思う。
 日本には全国いたる所に交番があって、拾得物の届出が簡単にできる。日本人は、殆どの警察官は遵法精神に富んでいてきちんとした手続きをしてくれるものと信じている。日本人は他人の目を殊更に気にするから、拾得物を横領して得られる利益よりも、横領がバレて会社を馘になったり共同体から責められたりする不利益を重く見る。幼児の頃から義務教育を通じて、物を拾ったらすぐに届け出るように教え込まれているから、横領することに自動的に罪悪感を感じる。「悪銭身につかず」という諺もある。そもそも日本人は小心者だから拾得物を平気で横領することができない。
 ちょっと考えてみただけで、日本人が拾った財布を警察に届け出る割合が高い(警察の発表では90%以上)理由がたくさん挙げられる。これらの理由が複合した結果、財布が持ち主に戻る割合が高くなったのだろう。倫理的に日本人が中国人より優れているわけではないと思う。現に話をした知人も、自分も日本に住んでいるから、拾った財布は警察に届けると言っていた。日本人も中国人も、同じ霊長目ヒト科ヒト属ヒトである。種が異なっているわけではない。環境と教育の差があるだけだ。

 さて本作品はルーマニア映画である。ルーマニアの政治と医療が日本以上に崩壊していることを知って、まず驚いた。しかしルーマニア人が日本人よりも道徳的に劣っているとは思わない。小心者の日本人も、赤信号をみんなで渡るのは平気である。選挙にしてもアベシンゾウや石原慎太郎が勝ち続けた。根っこから腐敗しているのは日本も同じだ。
 ただ、このような映画を製作する映画監督がいて、それをきちんと評価する人がいて、世界で上映するシステムがあることに救われる。そして作品に登場したような正義漢の保険大臣がいたことにも救われる。同じような正義の政治家は日本にもいるはずだ。

 いまは単館での上映だが、こういう作品が多く作られて、シネコンで上映されるようになれば世界も変わるかもしれない。そうなればこういう作品も不必要になるかもしれないが、赤信号をみんなで渡りたがる人たちを根絶することはできないだろう。戦争映画がいつまでも製作され続けているように、こういう作品が不要になる時代は多分来ない。
 それでも善意の政治家や役人たちが選ばれれば、社会システムと教育環境を改善していくことはできる。人類は少しずつではあるが、利己主義から脱して寛容さを獲得し、自由で平和な世の中を実現する方向に進めるかもしれない。

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耶馬英彦

4.0ドキュメンタリータッチじゃなくドキュメント。

2021年10月5日
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程度の差こそあれ、日本も変わらないように思います。アスピリンをピリン系と言い切るバカ医者がいるし。

10倍に薄めても効力に変わり無しと思ってたんじゃないの。

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Oyster Boy

5.0できるだけ多くの人が見られますように。

2021年10月4日
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redir

4.0助かるはずの命が…

2021年10月4日
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怖い

難しい

助からない。
日本も遠からず、ルーマニアと同じ事が起こっている。目の前の人の命を救えない、最善の治療を行わない。
正していけず腐敗していく国家、根深い悪習。やる気のない人々が何十年もかけて国を腐らせていった。日本がここまでになってほしくない。

新大臣が諦めてしまうのか、その後のルーマニアが気になる。

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ガンビー

5.0すごいドキュメンタリー!!

2021年10月3日
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ライブハウスの火事の映像はとてもショッキングで生々しいものだった。ライブを撮影していたカメラがいきなり火に飲み込まれる…。

子どもを亡くした親たちの集まり。苦悩が伝わる映像だった。
火傷の痕や後遺症がありながらも、生存者として生き抜く人はとても美しい。

そしてジャーナリストたち。社会に対しての役割を自覚している。

そして政治家(になっちゃった人?)
どのシーンもカメラを持つ人の前とは思えない。内部告発者とか、新しい大臣の苦悩とか。

選挙の報道もあった。

ブカレストの女性市長は、なぜか最近の総裁選挙のある候補者みたいだった??

日本にも似たようなことがたくさんありそう。

選挙の前に観るべき映画かも。

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Momoko

4.0これは未来の日本の姿

2021年10月3日
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yone

4.5まるで劇映画のようなドキュメンタリーで、火事のシーンに始まり、記者...

2021年10月3日
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まるで劇映画のようなドキュメンタリーで、火事のシーンに始まり、記者たちのやり取り、内部告発等、すごい緊張感、リアル感。ルーマニアのような国でこんなにひどいことが起こってるなんて信じられない感じ。日本でも、医療のような専門職の現場でここまでひどいことはなかったんじゃないか。血友病とかはあったけど、医者は知らなかったし。民度が低いのか、やはり。

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えみり

5.0ジャーナリストが権力に屈服すれば

2021年10月3日
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悲しい

怖い

知的

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tkry

4.5役者が演じているんじゃないのか。嘘だろう。

2021年10月3日
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ルーマニアの医療制度の腐敗を告発するジャーナリストと医療制度を改善しようとする保健大臣の奮闘を描いた映画です。
実話に基づいて役者が演ずるドュメンタリータッチの映画だと思って観ていました。
大臣室の私的な会話まで収録してあるからです。ところが、これが何と本当のドュメンタリーだと知って驚愕です。よく、許可したなと思いました。
孤軍奮闘する保健大臣の苦悩が良く伝わります。
しかし、ここまで腐敗しているルーマニアの不幸は、他人事ではありません。国民がしっかり監視していないと腐敗は必ず起きるとこの映画は伝えています。これでアカデミー賞ノミネートだけで、受賞しなかったのは、何故だろう。凄い作品が他にあったのか?

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いなかびと

4.0リアルは全て虚像で出来ている

2021年10月3日
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悲しい

難しい

最初から最後まで、出来事の映像までもが、あまりに洗練されたもので、ほぼ全編ドキュメンタリーには見えないものだった。それぐらいの力感と覚悟が伝わってくる作品だったけれど、見終わっての脱力感というか無力感は半端ない。
映像が氾濫している昨今では、荒々しい映像にリアリティを感じてしまうけれど、本来ならこの作品のような映像こそがリアルなはず。でも多方面の映像をキレイに切り取られると、たちまち虚構に見えてしまう。しかも、作品の中の出来事が信じられないことの連続で、現実世界のことだとは思えない。そしてこの作品から学ぶ。この世界は嘘で塗り固められていて、あまりに虚無的なのだと。

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SH

5.0腐敗の根はこんなにも深い

2021年10月3日
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Tom

4.0事実は小説より…

2021年10月2日
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本当によくもまあ、こんなに…
権力と悪みたいな構造の物語ってよくあるけど、
現実でこんなにも人でなしな権力者たち。
誠実さは皆無、次から次に暴かれる事実に言葉もでません。

丸山ゴンザレスさんという方のコメント、
“権力と生活の関わりを描いた本作の問いかけは重い。
これは決して対岸の火事ではない。
「無関心は人を殺す」のである。”
本当にその通りで、わたしたちも政治に関心を持ち
誰を支持するのか、ちゃんと考えなければいけないのだと強く思いました。

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I am R.

3.5政治は任せきりでなく、検証が必要。

2021年10月2日
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虚飾に塗れた国家を正す為のはじめの一歩が画かれている。
とかく、社会主義国家は国威にプライオリティを求めがちで、形ばかりの民主化では本質は変わってなかったと言うのが実態だろう。

国も個人も誰も見てない、見ても何も言われないと思うと良識や理性が吹っ飛んでしまうもんなんだろうな、ある種こういう告発ものは必要と思う。

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ちゆう

5.0なかなか見れないドキュメンタリー。

2021年10月2日
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腐敗政治を真正面から捉えたドキュメンタリー。これだけ頑張っても世の中なかなか変わらない、という現実をまざまざ見せつけられた。こんな短い上映時間ではそのごく一部と思うが…。腐敗しきっているのもある意味多数派。正常に戻すのにどれだけ長い年月がかかるのか…厳しい。

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peanuts