「汚職と既得権益を守る姿」コレクティブ 国家の嘘 ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
汚職と既得権益を守る姿
ドキュメンタリー映画なので、ストーリーも、エンディングもありません。
事実を伝えているだけです。
この映画を鑑賞しても、何かを得られるのかは、鑑賞した人によって異なります。
映画賞を受賞したから、映画評論家が高く評価しているからという理由で鑑賞しても得られるものは何もないでしょう。
コレクティブは、2015年10月30日、メタルコアバンド「Goodbye to Gravity」のライブ中に火災が起きた東ヨーロッパにあるルーマニアの首都ブカレストのクラブの名前です。
この火災で、27名が死亡し、病院に搬送された重症患者の37名も死亡しました。
国家の嘘は、ルーマニア政府が国民に嘘を言ったことを示しています。
ルーマニアの人口は、2000万人くらい、国土は日本の三分の二くらいの大きさの国です。
ウィーンは、オーストリアの首都です。
ブカレストからウィーンまでの距離は、850kmくらいです。
東京から札幌や福岡までの距離が、800kmくらいです。
ジャーナリストが、政府発表に疑問を持ち、病院に搬送された重症患者の37名の死因が感染症ということを追求し、国家の嘘を暴き出すきっかけになりました。
この映画では、ジャーナリストが政府発表に疑問を持ち追求する姿と新任の保健相が国家の嘘に対応する姿が見られるところが良いです。
日本では、ジャーナリストが政府発表に疑問を持ち追求する姿を見ることはできません。
日本では、担当大臣が国家の嘘に対応する姿を見ることはできません。
汚職と既得権益を守る姿だけは、日本もルーマニアも同じです。
映画「i 新聞記者ドキュメント」と比べて観ると、日本は、ルーマニアに劣っていることが理解できます。
映画「i 新聞記者ドキュメント」は、ルーマニアではもちろん、日本以外では公開さえされずに、アカデミー賞はもちろん、映画賞にノミネートも受賞もしていません。
この映画「コレクティブ 国家の嘘」は、日本はもちろん、世界中で公開され、アカデミー賞で2部門でノミネート、多数の映画賞を受賞しています。
世界報道自由度ランキングでは、ルーマニアは48位で、日本は71位です。
この映画で描かれているルーマニアに、主観的にも客観的にも、日本の報道自由度は劣ります。
映画「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」でも描かれていましたが、「報道機関が権力に屈すれば、国民の将来はない」ということを再確認することができました。
日本の総選挙結果で、日本に将来がないことが示されることでしょう。
ルーマニアは30年以上は直らないそうですが、日本は50年以上は直らないでしょう。
牧島かれんデジタル担当相(女性、44歳)は、2019年6月と2020年6月の2回にわたって、NTT
の秘書室長から会員制レストランで金額の最も高いコース接待料理で接待を受けて、
「大臣就任前の一議員として政治活動を行ったものだ。一議員として、いろいろと意見交換を
するのは、政治活動の中で大事なことだ」と述べました。
日本の将来は、ありえません。
この映画に登場するのは50歳以下の若い人です。
国民の将来を変えるのは、老人ではなく、若い人です。
老人に国民の将来を任せれば、何も変わりません。
日本人は、メタルコアバンドのライブに行く人が悪いと感じるのではないのでしょうか?
日本人は、新型コロナウィルスで亡くなったのは、亡くなった人が悪いと感じているのではないのでしょうか?