猫は逃げたのレビュー・感想・評価
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ベッドシーンこそ、この映画の主題では?
前半、4人の男女の関係性の描写に、ややテンポの悪さが感じられるが、猫の誘拐を巡るドタバタからは、俄然、物語が動き出す。特に、4人が横一線になって、(主として女性2人が)言いたいことを言い合う長回しは圧巻で、本作の一番の見どころとなっている。
ベッドシーンは、製作に当たっての約束事であったようだが、決してサービスで挿入されている訳ではないだろう。夫婦のそれぞれの浮気相手とのベッドシーンはあるが、夫婦のそれはないところに、この映画の主題が隠されているように思えるのである。それは、夫婦の関係を続けていく上で重要なのは、セックスではなく、相手と一緒にいたいという気持ちであるということではないだろうか?
そして、セックスよりも愛の方を肯定しているという点において、言いたいことは、「愛なのに」と同じであるということに気付かされるのである。
猫は逃げたら何が残る…?こんがらがった4つの気持ちに見える想いと滑稽さ
『愛なのに』を観てから早2ヶ月。待望のもう一編をようやく。序盤はヌルく感じたけど、愛の歪な形が浮き上がって来たときにはトリコ。やっぱり好きだな…。
こちらは城定秀夫氏の脚本、今泉力哉監督のメガホン。比べることでもないが、柔くも繋がったこの世界観を思い出しながら潜っていく。下北沢トリウッド特有の距離感もあってか、これまた余韻が心を軽くする。服が鮮やかに見え、晴れた空に好きな人を思い浮かべる。心地良い休日だ。
「猫をどちらが飼うのか…」不毛な様で大事な議論、なんて彼らは言う。離婚寸前の夫婦に巻き起こる、こんがらがった愛の行方。言い訳のように考えていたはずの猫の引き取りを、気が付けば猫によって見透かされていく。そこに滲む滑稽さと人間らしい愛らしさがクセになる。多面的な表情と考えをシーンによって出す顔を変え、それを魅力的に映し出す手腕に改めて驚く。
「L/R15」の主題でもある、R-15の描写も、もちろんきっちり押さえられている。しかしながら、城定秀夫監督の撮り方が上手いのだと感心する形に。こちらは動機ではあるとはいえ、やっぱりそれに説得力を持たせられることは容易でない。その比較が出来るのもこの企画の面白さかも。
主演は山本奈衣瑠さん。本作をきっかけに知ったが、どの色にも染まっていないその魅力に唸る。カジュアルなコーデに可愛らしさを覚えつつ、普段の姿に少しの油断とスイッチの切り替えを持っているようで、一段と引き込まれる。
毎熊克哉さんも良いナヨナヨ具合でちょっと腹が立つし(笑)、井之脇海さんも可愛い顔して意外と攻めるところは攻めるいい役どころだった。そして何より手島実優さん。HARIBOで何でも出来ると思ってる彼女よ。いい感じの小悪魔で、もっとこういう役どころで見たいと言わせてくれる説得力をしていた。
ちょうどK2で今泉力哉監督の特集をしていた。恋愛映画の名手と例えられることが多くなってきた彼だが、脚本が変わるとまた違った説得力になる。凄く面白い体験だった。
バカじゃないの?
一貫したのんびりした空気感と今泉監督ならではのリアルな会話。ありそう〜なお話でとても引き込まれる。
恋愛描写はやっぱりやけにリアルで、結婚のロマンチックさとか離婚のハードさとかない。
セックスも全然ロマンチックじゃないのに、逆にエロティック。これは城定脚本を今泉監督が演出したからなのだろうか。足つったり、服上手く脱がせられなかったり、みんな絶対、あぁ。となっているのでは。
修羅場のコメディタッチもとても良かった。
そして、とにかく主演の女優さんがめちゃくちゃ自然で素敵。滑舌がほどほどに悪くて、腕まくりとかコーヒー淹れる後ろ姿とかやけに自然体。
平坦なお話だからあれで2時間は若干間延び感はあったが、非常に良質な作品だった。
四人の掛け合い
ラスト近くの四人の掛け合いがめちゃくちゃ面白いの。
みんな真剣に話してるんだけど、「確かにその通りだけど、ここで言うんだ」みたいになって、笑いがうまれるのね。
この作品、脚本・城定、監督・今泉力哉だけど、このシーンは今泉監督が書いただろうな。こういうシーンがめちゃくちゃうまいからね。
そのシーンの中でも手島美優の「笑った。令和に入って一番笑った」「ジェンダーについて発言しちゃいけない場なんてないから」が面白くて、演技も良くて印象に残ったの。
話は、互いに浮気している夫婦が、これからどうするかとなって、猫がからんで、まあ、こういう結論にするよねって感じだった。
シーンが面白いから見ちゃうね。そこでやり取りされる台詞もいい。
それと女優二人がすごい魅了的なの。
毎熊さんが揺れるのも分かる気がする。
まるで学生のような恋愛・不倫感
他所様より2ヶ月遅れて公開。初日に観てきました😃
お互いに不倫する夫婦の飼い猫の親権問題を理由に進まない離婚問題のアレコレを描いた作品
ドロドロ系の恋愛ものって基本的に苦手なんですよ
だって小さいコミュニティ内で男女関係を回すのが多いじゃないですか。お前ら恥という概念はないのか😡😭と思っちゃうんです。
学生時代なら世界や視野が狭いから仕方ない部分もあるけど、それが大人になっても続くと世界観が貧相になる気がする
本作は登場人物にあまり毒がない。そして軽妙なやりとりで面白おかしい雰囲気なんだけどやってることはダブル不倫なんだ
大人が小さな世界で行うダブル不倫。私が好きになる要素はないはずなんだけどなんだか気になっちゃう映画
主要人物全員が憎めない
ラストのチープさもなんだかニヤリとしてしまった
脚本がうまいのか監督の味なのかはわからんがいい雰囲気で劇場を去ることが出来ました
でもこの作品セッ◯スいれる必要なかったよね
愛なのにと対になる作品だから外せなかったのかもしれないけどもっとたくさんの人が触れられる作品にできたのにと思うと少し残念
まぁ今泉監督万人ウケって嫌いそうだけど笑
余計な一言
マミちゃんのお尻よかった(最近そんな感想ばっかり)
安定的に面白いシリーズでした
もはや安定の今泉力哉の男女のいざこざムービー。同じ企画の「愛なのに」同様しっかり楽しめる映画だった。こちらはポスター通り4人の群像になるので、企画の必然上ベッドシーンがいくつかあるけど、それがあろうがなかろうがひねりもきちんとある娯楽作。あらゆる邦画が最低限このレベルであってほしいと思わせる。
手島実優さん、山本奈衣留さんがいいです。どちらも役どころにピタッとはまって、やはり最後の長回しのツッコミあいはとても面白かった。この企画のいいところはこういうキャストの押し出しなのかもしれない。
比べると城定監督のほうがおしゃれではある。攻め方、撮り方、印象の残し方。
現在進行形で進む「別れる約束をした夫婦を繋ぎ止め、食い止める一匹の猫」を巡る群像劇。策略とペーソスとコメディ。実は2本ともセックス描写はそんなに必要性は感じない。猫がいるから別れが決まらない、は当然真の理由でなく、結果的に不倫相手ふたりがふたりを繋ぎ止めてくれる。スピードをもっとあげてもよかったのかもとか思いながら、時折挟まる回想シーンがもう少し刺さって欲しかった、とは思った。特にカラオケの中と外。
猫で繋がる関係性
「猫が」じゃなくて「猫は逃げた」
観客をミスリードさせるような題名を付けた作品は好きではありません
猫より猫な若者を描く
4人揃い踏みシーン最高です。
あぁ、今泉監督作品・・・好きだなぁ〜とつくづく思った一作でした。城定脚本もまた好きだなぁ〜と。いい塩梅のエロが散りばめられていて・・・グミがエロいと学びました・・・。それと四人の言い合いシーン見事見事見事です。あの絶妙な間とリズムは今泉監督ならではなのではないでしょうか?「街の上で」の鉢合わせシーンを彷彿させます。
お話自体面白い。本質を突きながらもちょっとズラして、そこはかとないコミカルさを醸し出してる感じが好き。ナイル殺人事件のポアロ級のラストにたたみかける、気持ちの種明かし。あの帰着のさせかたはすごーいアガペーとエロースか・・・・・笑っちゃったけどしっかり帰着させてるあたり良いですね。なんとなく奇妙な男女4人のお話なんですが、作品全体のあの空気感が「あぁ〜あるかも?いや、あるなぁ」って思わせますし、あのラストの帰着のさせ方も「この男女達ならあるかもなぁ」なぁんて。なんとまぁ爽やかなエロースですこと。
けど、結局は猫へのアガペーが繋いでいるって感じが・・・やっぱり、うまいよなぁ。ぐるっと回してる感じが好きですね。何度も見たくなる作品ですね。「愛なのに」と同じで。
カンタじゃないです。タマです。
ハリボー猫
それぞれが不倫をしている離婚寸前の亜子と広重は、飼い猫のカンタの“親権”で揉めていた。
広重は不倫を認めつつも関係を続け、亜子は聞かれることがないので自分の不倫を黙っていた。
ーそんなある日、猫は逃げた。
そして、このカンタの失踪が4人に愛の真価を問いかけることになる。
『愛なのに』も良かったけど、個人的にはこっち。
アガペーがエロースに進化する話。
最後の着地点もスッキリしていて良かった。
お互いに不倫をしてる夫婦の物語なんだけど全くドロドロしているわけではなく、あくまでもそれぞれの愛を尊重していた。
最後の横並びの修羅場は『街の上で』を彷彿させる。
確かに官能表現は城定監督に遠く及ばないけれど、どんな嫌なシチュエーションも尊い一枚の絵にしてしまうから流石。
あの修羅場シーンだけでもまた観たい。
劇場内はそういう雰囲気じゃなかったけど、クスクス笑いまくりたかった。
色々と良くできた作品。
アガペーがエロースに進化するとか、アガペーがエロースに進化するとか、まさにアガペーがエロースに進化するってことですよね(ヤケクソ)。
4人を振り回し、4人に振り回されたカンタ。
子供のいない町田夫婦にとっての子供であり、 じゃない方にとっての厄介な“モノ”。
冷静にことを見つめる猫は、もはやペットでなくキューピッド。いや、神かもしれない。
夫婦関係と恋のようなもの結末は、猫の可愛がり方で既に現れていたような気がする。
『愛なのに』は中島歩がMVPだったけれど、今回のMVPは間違いなくカンタ。
個人的には手島さんも良かったけど。
『愛なのに』での〈多田=ただ、一花=一家〉みたいな言葉遊びは今回も。
〈カンタ=簡単、ひろ(広重)=(猫を)拾った〉
若干こじつけ感あるけど、そう聞こえたんだもん。
だから、アガペーがエロースに進化したってことでしょ。
アガペーがエロースに進化する。それがいかにアガペーがエロースに進化するということか。
アガペーはエロースに進化し、アガペーはエロースに進化した。
本当にアガペーがエロースに進化する様子をまざまざと見せつけられた。
まあ、要はアガペーがエロースに進化したってことなんですけど。
>脳溶けちゃうよ〜。
映画監督役のオズワルドの伊藤さんがナイス。ネコの親権は重要。 4/15(金) 再鑑賞。4人の修羅場(?)みたいなところが笑える。 4/24(日)再々鑑賞
ネコの親権は重要である。
町田夫妻は、別れることについては話がついていて (ネコの親権についてはもめているけど)、 あとは正式に離婚するだけだ。 そして今は恋愛感情がない2人の友達が仲良く一緒に暮らしている感じだ。なんかこんな穏やかな感じなら、離婚だけしてそのまま一緒に住み続ければいいのにと思ってしまう。 そしたらネコの親権問題も解決する。
しかしネコがいなくなるという大事件が発生して離婚どころではなくなる。このニャンコ失踪事件の真相が面白い。ちょっとミステリー。タマはどこへ行った?
描きかたによってドロドロになるのに、さわやかな感じで終わったのが良かった。最後の4人の記念撮影の場面もとても良かった。
オズワルドの伊藤さんがすばらしい。映画監督が言ってることが訳が分からなくて笑えた。
* 近所で上映終了なので新宿まで遠出。 水曜日の男女共通1200円デーで混んでいた。いつも人が少ないかなり前の席なのに最後列にしたら久々に隣に人が来た。この日は続けて16:30から『愛なのに』を再鑑賞 。
《追記1》 4/15(金) 再鑑賞
◇4人の修羅場(?)が漫才みたいでおかしい。この場面の微妙な雰囲気とセリフのやり取りを見るためだけに、もう1回見に行くかもしれない。
◇アガペ~がエロ~スに進化した
伊藤さん演じる映画監督のインタビュー場面が笑える。「哲学で言う愛には3つあることは(当然)ご存じですよネ」とか真顔で言うのがおかしい。 伊藤さんにはもっとドラマや映画に出てほしい。 芸人の仕事がいそがしくて無理か。
◇「ちがいます、玉です」 (^o^)
《追記2》 4/24(日) 再々鑑賞
4人の修羅場(?) は何度見てもおもしろい。
2022/4/13(水) ☀️新宿 武蔵野館
. 4/15(金) 新宿 武蔵野館 (前のほうの席)
. 4/24(日)☁️🌂新宿 武蔵野館
そう言えば泥棒猫って言うよね
HARIBO
今泉監督のファンなのですが、「L/R15」の一本目であった「愛なのに」が全くと言っていいほどハマらず、今作も不安視しながら鑑賞しました。
思っていたよりかは良かったですが、今泉監督作品(城定監督が脚本に携わっているので多少影響あり)の中では微妙な部類に入る作品でした。
今泉監督の持ち味でもあるすれ違いまくる会話劇、「街の上で」ではが中々のハイテンションで物語が展開され、それが自然と笑いに繋がっていました。しかし今作、そういう会話劇があるにはあるのですが、面白いというよりかは責任の押し付け合いを観ているようで苦笑いするしかなかったです。
猫映画としてはとても愛らしい姿を猫たちは見せてくれました。放し飼いなのに去勢してないというのは大丈夫なのだろうか…とは思ってしまいましたが。あと前作で痛感したのですが、エロ要素が完全に邪魔しにかかっているなと思いました。
今泉監督の作風は可愛らしいが魅力的なので、次回作ではそこに回帰して欲しいなと願うばかりです。
鑑賞日 4/8
鑑賞時間 16:05〜18:00
鑑賞日 E-10
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