劇場公開日 2022年3月18日

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「猫が好きな方か、関連作品「愛なのに」を見た方向けかなぁ。」猫は逃げた yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5猫が好きな方か、関連作品「愛なのに」を見た方向けかなぁ。

2022年3月29日
PCから投稿

今年90本目(合計363本目/今月(2022年3月度)32本目)。

関連作品「愛なのに」も見ています。こちらは猫がちょろっとしか出てきませんが、こちらはタイトル通り、猫が主人公とは言わないにせよ、かなりのウェイトをしめます。
また、R15指定なのでそこそこ描写(特に大人の営み)関係はきついです(「愛なのに」よりもきつい)。

…とは書いたのですが、この映画、ものすごくレビューがしにくいのですよね…。
結局、このような結末(ネタバレ回避)になったのも猫のおかげ(気まぐれ)というところに尽きてしまいますし、まさかR15指定に過ぎない映画を「不純な目的で」見に行くこともないし、それら(「愛なのに」も含めて、R15でどこまで扱えるか、をチャレンジする目的もあった模様)を除くと、何が残るんだろう…というと微妙です(まぁ、ドロドロ不倫があるのは事実ですが、それ書いても仕方がないし…)。

結局のところ「家庭に関することは、よくよく考えてやらなきゃダメですよ」「ましてや不倫なんてダメですよ」というところに大半つきてしまい、それらは当然過ぎる上に、それ以外だと結局タイトル通り、猫を見に行く映画…になるのですが、この映画をそう解するのも微妙だからです。

「観てなんぼ」で、レビューがしにくい映画の代表例なんじゃないかなぁ…という印象です(まさか、R15の大人の営みの感想をかけとか言われても困っちゃう)。

採点にあたっては下記のようにしました。
「部分的には正しいが、混乱してしまうようなセリフが多い」というところです。
二捨三入で4.5にしています。

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(減点0.3) 「(離婚するなら)裁判でも起こして弁護士立てようか?」

 部分的には正しいのですが、当事者どうしの話し合いでまとまらない場合、いきなりの裁判はできず、家事調停という手続きを踏まないと裁判は起こせません(家事事件手続法。調停前置主義という)。
これに弁護士の方が来ることなどは事実なのですが、一方で家事(離婚)調停(「夫婦関係調整調停」というのが正しい用語)は非公開で、純粋たる一般の裁判とも違います(裁判は原則公開)。ここは「部分的には正しいが、趣旨的に言わんとすることが微妙に違う」ので、いきなり(一般用語でいう)裁判で争えるのかと思われても仕方がないところです。

(減点0.3) 猫の扱いについて

 これは映画内ではフォローが微妙にしかないので微妙ですが、特に迷い猫(犬など含む)を発見した場合、いわゆる「動物愛護センター」のようなところに連絡して、さらに警察・保健所(地域によっては保健所も)に届け出るのが正しいやり方です(「動物愛護センター」といった施設は、地域ごとに違います)。間違っても映画内のように勝手に持っていくとまずいです(映画内で触れられている通り)。

 ただ、刑事上も民事上もまずいものの、刑事事件として被害届を出しても起訴するかどうかは警察より向こうの判断でありこちらで「強制的に起訴せよ」とは言えませんし(例外除く)、特に迷い猫・拾い猫のような事案で全部起訴していたら裁判所はパンクしますので、実際にはよほどの事案(虐待事案等)がないと、まずないものです。

 一方で民事で争う場合は普通に所有権を根拠に訴えれば良いだけの話で、こちらは自由にできます(訴えるも訴えないも自由)が、その話は出てこず…。
要は「勝手に自転車持っていっちゃだめよ」の話と同じになるわけで(これも、よほどのことがない限り起訴はされないが、民事では争いうる)、ここのフォローが中途半端なので、補って見ないと理解困難になるところが結構多いです。

(減点0.1) 勝手に私人宅の窓の中までカメラ等で撮影する行為に関して

 プライバシー上問題になることは言うまでもありません。
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yukispica