「【ペルーという国の…】」名もなき歌 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【ペルーという国の…】
世界的なデフレ懸念がやや後退していたが、このコロナ禍を背景に、世界各国の中央銀行が一斉に金融緩和政策を実施し、このところインフレのオーバーシュートらしき状況が起きている。
欧米の金融当局は、物価高進は一時的として静観しているが、過度にインフレが高まれば、結局、経済は打撃を受けることになる。
この作品の時代のペルーは、高インフレの状態だった。
こうした高インフレには持続的に一定以上の高いインフレが続く、クロニック・インフレと、月に50%以上のインフレが発生するハイパーインフレがあると言われているが、このペルーは前者だったのだと思う。
現在のペルーは、非鉄金属を多く産出し、漁業が盛ん、輸出産業が定着し、ナスカ高原の地上絵やマチュピチュなど観光資源も注目されていて、外貨の獲得は安定的と考えられ、高成長とは言えないが、安定した経済成長は続けていて、インフレも一定程度コントロールされているように思う。
しかし、この時代はまだ低成長で、高インフレ、外貨を獲得する手段として、こうした違法な幼児の海外との売買が密かに行われていたのだろう。
また、センデロ・ルミノソについて語られる場面もあるが、南米で有名なペルー拠点の毛沢東共産思想の武装組織で、貧しい人を組織に取り込んでテロなども行っていた。
ペルーは、その後、日系のフジモリ大統領が誕生したり、パワースポット観光地としても人気があり、日本人は注目していると思うが、こうした作品で、ペルーの現代史を、数十年前はこんなことがあったのだということを少し知っておくのも、相手の国に対するリスペクトになって良いと思う。
そして、このようにして、自分達の暗い部分も、人々の葛藤の物語として残そうとする人がいることや、それを後押しする人がいるのだということも。
個人的には、モノクロは良いのだけれど、スタンダードじゃない方が良いんじゃないかと、勝手に思ったりした。
こんにちは
私も、ビスタサイズで観たかったかな、と思いました。鑑賞したミニシアターの中でも一番小さいハコで観たからかなあ。お金の関係かなあ。モノクロームのスコープサイズの作品を観たいです。
そういえば、今日以前教えて頂いた、ジム・ジャームッシュ監督のレトロスペクティブのポスターが貼ってありました。未だ、作品選定は決まってなかったです。初期作品を上映して欲しいです・・。