「ポップなロボット映画の「傑作」。」TANG タング ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
ポップなロボット映画の「傑作」。
TANGは感情を持ったロボット。人間とロボットを隔てるものは感情である、ロボットが感情を持ったらという話はたくさんある。古くは「鉄腕アトム」が有名だが、映画ではスピルバーグ監督の「AI]が印象深い。{AI]は人間の都合で愛することをインプットされたこどもロボットの悲劇である。ロボットの悲しさに心が揺さぶられてしまう。それに比べてこのTANGはとてもポップで癒される。TANGがかわい過ぎて映画のテーマはどうでもよくなってしまう。おそらく健とTANGの不思議な結びつきと心(?)の成長を描きたかったのだろう。エリート人間ではなく、人生に傷つき前に進めなくなった健だからこそTANGの素直な、AIとしては奇跡的な人間的成長を促したのだろう。そんな話よりとにかくTANGのかわいらしさである。表情はないのに様々なパーツで感情を表現するおかしさとたくみには恐れ入る。すべてVFXで作ったそうだ。動きは二宮和也本人がモーションキャプチャで演じているようだ。それもあってか二人(?)の息もぴったりである。
単純な空想ファンタジーとしても楽しめるし、AIはどこまで人間に近づけるのか、また、人間とAIはどうつきあっていけばいいのかという社会的問題としても見ることができる。ポップながらも見る人によっていろんな見方ができる作品でした。
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