「Always You」TANG タング ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Always You
正直、あまり期待せずに観に行きました。予告の段階でかなりベタなやつだなーと思いつつ、売れっ子のかまいたちを敵サイドっぽい位置に配置したりと。
なんだか惜しい映画だなーと思いました。けちょんけちょんに貶すほど悪い作品では無いんですが、ロボットとの交流の描き方の浅さだったり、主人公・健自身の葛藤が大して物語に絡んで来なかったり、様々な場所に行くのに変化が感じられなかったり…と児童文学原作という事を考えたら分かりやすさを優先するのは致し方ないのですが、いくらなんでも見立てが甘すぎるように感じました。
良いところ
・TANGが可愛らしい
ここが魅力的でした。子供のような無邪気さとロボットにしてはポンコツなのか優れているのか分からない不思議な感じにとても癒されました。健の好きなコーヒーを持ってくる動作なんか可愛すぎました。
・ニノの素晴らしい演技
ニノ演じる健は基本的にTANGとの対峙が多いので、実際の撮影だといないものに対して身振り手振りを表現しているので、下手したら変なズレが起きてしまいそうなところを喜怒哀楽全て体現していたニノが凄かったです。
・白組のVFX
VFXの技術もぐんぐん上がっており、現実と遜色のないCGと、煌びやかな街並み、ありのままの自然と、映像の美しさは邦画の中でも群を抜いていました。
ここから悪いところ
・AIの設定がかなり杜撰
健がAIに関しての知識がほぼ皆無だったり、トラウマを生み出した医療関係にAIが携わっていないのも設定として無理があるくないか?と思ってしまいました。
・悪役がわかりやすすぎる
武田鉄矢さんが出てきた瞬間に悪役この人じゃん!って思ってしまい、その通りで、しかもそれを超える悪行が起きなかったのもあり、消化不良感が否めませんでした。まぁナタを振り回したりしてたのはネタ的な面白がありましたが笑
・配役が謎
かまいたちはコントをしにきただけっていう印象で、わざわざ忙しいコンビを呼んでまでやる事じゃないなと思いました。この2人だけ関西弁(関西弁自体は好きです)なのも変に違和感がありますし、手下としても何か役立っているようにも思えなかったです。あとTikTokerの景井さんの起用はゴリゴリの力技で出番を作っているように思え、少々イラッとしました。AI役も棒読みのはずなのに下手に感じてしまいましたし、妙に顔のショットが多いのも変な圧力が働いてんなーと思いました。
・納得いかせるオチになっていない
家族を大事にというラストはありがちですが、作品のラストとしては安定しているので使われがちですが、健の葛藤がそこまで描かれないので、家族をやり直すという過程にも疑問しか残りません。子供できとったんかいと大きく言葉に出してしまいそうでした。
可もなく不可もなく、興行的にもかなりつまづいてますし、脚本に大きく問題があるなと思いました。三木監督とも個人的に相性が悪い様な気も…。
鑑賞日 8/15
鑑賞時間 15:55〜18:00
座席 J-14