「観る前から何故か見飽きてる」TANG タング Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
観る前から何故か見飽きてる
お盆旅行で訪れた鹿児島
夜暇になったので時間が合ったこれを観賞
旅先の映画館行くのは結構好きで
最南端の映画館での視聴となります
三木孝浩監督作品は
なんぼか観た記憶がありますが
原作ものはクライアントの要望を
あたかもわかりやすく入れ込んで
そつなくまとめてある感じの
印象を持ってました
恋愛要素には何かしら作家性を
持ち合わせていますが
原作ものではミスマッチ感を
すごく感じるところがあります
役者も誰でも何でもいいやって
感じでクライアントには都合のいい
人なんだろうなって印象です
ありもので形にする感じ
で今作はどうだったか
まさにそんな感じ!
恋愛要素入れろ
お笑い芸人使え
お涙頂戴やれ
クライアント様はさぞ満足
したのでしょう
でも観る側は
これでもかと使い古された
プロットにズレまくった
感覚の泣かせ演出が
最後まで滑りっぱなしでした
ちょっと前に公開した
「ロン 僕のポンコツロボット」
ってアニメ映画のほうが
今っぽい要素も織り込んで
出来が良かったです
そうだなあ
今っぽい要素と言えば
テクノロジーの先端都市
として深センが出て来た事
くらいかな
でも特に話との関連性は
ありません
名前だけです
ポンコツロボットが
あるはずのない感情を持って
主人公と積み上げる友情!
こんな設定今まででもどんだけ
見ましたか?
海外原作らしいですが
そんなんどうでもいい感じw
とある理由でクズニートに
なった主人公の健が庭に何故か
いた自分をタングと名乗る
ポンコツロボットと交流するに
つれ意外な真相に迫っていきます
…いや別に意外でもないか
とにかく登場人物達の感覚が
ズレまくっています
健は研修医として父の危篤に
何も出来なかった事でクズニート
になるのですがあんまりその
自信を失っている理由と行動が
噛み合ってません
タングを会社に持って行くと
新品と換えてくれるからと
連れて行ったのにしらんまに
話的には健は特にタングと
友情が芽生えるようなことを
やってません
妻の絵美はキャリアウーマンで
健のニートっぷりに
愛想を尽かします
出会いのエピソードも回想で
出てくるのですが
え?こんなんで?という
スッカスカのきっかけで
ただのダメンズウォーカー
にしか見えません
この映画は研修医を
ペーペーのように扱いますが
研修医はもう医師免許持ってますから
映画のような急変時に何も出来ない
みたいな事は考えにくいです
…いやこの映画ではペーペーで
なければクライアント様は
わからないんでしょうね
三木監督はわかりやすく
そうしたのでしょう
そんなノリで健がタングを
テキトーに直す事で
健が医師としての自信を取り戻し
職場に復帰しようとするというオチは
なんの関連性もなくこんな医師は
臨床に立つべきではないと思いますが…
あーまあいいや
俺が相応しい客じゃなかったんです
実際客は自分以外は数人の二宮一也
ファンっぽい女の子だけでした
封切り日でこれでいいのかな
人気のお笑い芸人出せみたいな
要望があったのか
テレビでもあんま見なくなった
かまいたちを使ってますが
目を背けたくなるほど
滑りまくってました
これは想像ですが
映画ってだいたい立ち上がりから
出来るまでに2〜3年だそうです
だからコロナ禍の真っ只中の頃は
まだ完成してきた映画自体は
存在していましたが
昨年の秋頃から丁度コロナで
先行き不明だったであろう企画が
今になって作品として
上がってきたのか
こういう悲惨な出来の映画が
多くないかと思ってしまいます