「【”トモダチ・・、とオンボロロボットは直ぐに現実から逃げる僕の顔を見て言った。”オンボロ同士の小さなビルドゥングスロマン映画。中盤まで粗い展開だが、終盤一気に涙が滲んで来ます・・。】」TANG タング NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”トモダチ・・、とオンボロロボットは直ぐに現実から逃げる僕の顔を見て言った。”オンボロ同士の小さなビルドゥングスロマン映画。中盤まで粗い展開だが、終盤一気に涙が滲んで来ます・・。】
ー 近未来の世界が今作の舞台である。
空には、ドローンが荷物を持って飛んでおり、街並みも整っている。
だが、健(二宮和也)の家では、奧さん絵美(満島ひかり)が、険しい顔で健に詰め寄っている。
”何時まで、逃げてんのよ!”
どうも、彼は何かが原因で、ぐうたらな男になってしまったようだ・・。ー
◆感想
・中盤までは、三木監督らしからぬ凡庸な展開である。
研修医だった健が、父が倒れた際に何もできずにオロオロするシーンが、フラッシュバックの様に映し出される。これが、彼がぐうたらな男になった原因のようだ。
- だが、余りに類型的な設定である。奥さんが遣りての弁護士らしい事も、台詞で分かるだけである。-
・そこに現れたヘンテコで、ボロッチイロボット。記憶が無いようだが、自分をTANGと呼んでいる。
- 後に、TANGの名前が、船の名前の一部である事が映し出されるが・・。-
・奥さんに家から叩き出された、健とTANG。健はTANGの製造メーカーを訪ねるがそこのナルシスティックな男から、TANGの情報を全世界に流して、何故か二人は中国の深圳へ。そこで待っていたロボットの女博士(奈緒)。だが、彼らは”怪しい黒い服の男達”に追われて・・。
- この中盤までの、流れが粗い。TANGが黒服の男達に連れ去られても、ハラハラしない。何故かと言えば、先が見えてしまったからである。-
・実は、黒服の男達(小手伸也、かまいたちの二人・・。)はある研究機関の男達で、昔研究機関で起こった馬場教授(武田鉄矢)による事件を追っていた事が明らかになる。
- で、馬場教授が隠れていた南国の島に到着する、TANGと健。だが、何故かTANGは馬場教授がにこやかに近づいても、震えるばかり・・。-
■今作が、面白くなるのは、TANGと健が無事に家に戻ってからの展開を描いた終盤である。
序盤から中盤は時間を掛けてTANGが昔起こした兵器として使用される訓練を行っていた時にロボットには考えられない芽生えた”心”と健が、研修医時代のトラウマを二人の交流を通じて克服していく姿が描かれる。
そして、彼らが家に帰った際に、絵美は正に家を出ようとしていたのだが・・。
・TANGとの旅でトラウマを克服した健が、TANGに喋っていた事が、奥さんの前で”テープレコーダー”のようにTANGが再生するシーンは良かったなあ。”又、医者を目指すよ。ロボットではなくて人間を直す医者を・・。”
その言葉を聞いた絵美の両眼から溢れ出た涙。
そして、TANGは言う。”二つの音が聴こえるよ・・。”
”何時、言おうか迷っていたの・・。”序盤の彼女の苛苛の一つの原因でもあったのだね。
<今作は、ダメダメ男と、オンボロロボットの交流を描いた、小さなビルドゥングスロマン映画である。中盤まではどうなるかと思ったよ。全くもう。
けれども、終盤の展開で気持ち良く映画館を後にした作品である。>
NOBUさん、共感&コメントありがとうございます。
先週末に久しぶりに映画館に行ってきました。やっぱり映画館で作品世界に浸る感覚はいいものですね。そのためにも健康第一でいきたいと思います。NOBUさんもご自愛くださいませ。
ますます納得出来るアドバイスをありがとうございます。
最近6歳もiPadでyoutube見るので、じっくりと一つの作品に集中して物語を見る という事が出来なくなるんじゃないかと危惧していて それには他をシャットアウト出来る映画館が1番効果的な気がするんです。おばけ〜もバズライトイヤーもすごく面白かったらしくて今でもその話してくれるし。今後も機会見つけて連れて行こうと思っています。
ありがとうございました😊
なるほどですね。
バズライトイヤーを両親たちと行ってしまっていたので、何にしようかなあと思っていたところで目について、でもちょっと難しいかなあと思って信頼出来そうな方に と思っていたらレビューの中にNOBUさんを見つけたもので甘えてしまいました。
適切なアドバイス 本当に感謝します!
ちょっとお伺いしていいですか?
これ、 6歳の幼稚園児には難しいですか?
夏休みすぐに おばけずかん 見てもういっこくらい一緒に映画行けたらな と思いましたが、どうですか?
子ども向け との感想が目立つので。
コメントありがとうございます!
いやホントに、誰がわかるんだってネタを拾っていただきありがとうございます笑 二宮に健と来たら監督しか出てこなくて、書いちゃいました笑
自分のレビューには書きそびれましたけど、終盤がすごくよかったですよね。舞台挨拶でも同じようなこと言ってましたけど、満島ひかりと二宮和也が凄くお似合い。良い夫婦役でした。
かまいたちのお二人も、試写会見終わった時、これ、俺たち要らないよな😅と苦笑してたのでは?
と思えるほど、なんだかなぁの展開でしたね、途中までは。
最後の最後でやっと、かろうじて感情移入に間に合ったという感じでした。