オールドのレビュー・感想・評価
全458件中、81~100件目を表示
受け入れること
前半は設定にわくわくするがやや尻すぼみ。
休暇で美しいビーチを訪れた複数の家族。楽しいひと時を過ごしていた矢先、なんと6歳だった息子は、少し目を離した隙に少年から青年へと急成長を遂げていたのだ。一体このビーチで何が起こっているのか?というストーリー。
最初から不穏な雰囲気が漂っており、謎の老化現象が起こるビーチ、という導入は〇。ミステリーかと思いきや途中からスリラー、ホラーのジャンルであることに気づく。時間の流れ、老化が目に見える形で進むと恐怖になる、という目の付け所はいい。
キャスト陣もいい、特にトーマシンマッケンジーが美しい。
ただ、中盤以降はやや冗長。特に脱出しようとして死ぬシーンや精神病患者に振り回されるシーンがやや長い。また、オチも想像の域を出ないほどでやや残念。後味の悪さがいい意味でも悪い意味でも残る。
老化する(時間が早く進む)という設定も実はふわふわしている。身体的成長とともに精神的に成長していたり、死体は骨になるのに食べ物は腐らなかったり…など。
小さなお子さんをお持ちの方はショックを受けます
胸騒ぎがする中にも、人生の本質を知るきっかけに
時間の流れが・・・
監督・製作・脚本
M・ナイト・シャマラン
スリラー作品
2度目の鑑賞です。
異常なスピードで
時間が流れる謎の
美しいビーチに
集められた人々に起こる
超常現象スリラーミステリー
ネタバレですが
(30分で1年経過する設定)
どんどん、年老いてゆくという
謎のビーチは、
特殊な磁場があり
生物の細胞を活性化するという
そんな説明でしたが
基礎疾患を抱える人々の
治療薬開発の為
製薬会社の治験場として
使われたビーチだったのです。
脱出しようと
何度も試みる努力もむなしく
失敗に終わりますが
病気を抱えた人々の
心理状態。
家族達の心模様
そして、時間の大切さを
教えてくれる作品でした。
でも、
子供が急に大人に成長したり
1日で、人生が終わるなんて
とても、怖いですね。
(^▽^;)
ラスト、脱出できた姉弟が
詳細を暴露する場面には
少しホッとできたかも。
真夏の暑さを
少しでもクールにと
如何でしょうか・・・。
リアルさ十分・エンタメさ不足
このビーチでは人の一生が1日で終わる…という触れ込みから、鑑賞前からSFの匂いを感じました。観てみれば、そのビーチは特別な岩?鉱石?で囲まれていて「時間の流れ」が滞留するかしていて、「時間」が人間の細胞に作用して、老化を促していた。
そのビーチを使ってでっかい製薬会社が「長期治験を1日で行う」という目的で、人体実験を行い、新薬の開発をじゃんじゃん行っていた。治験後の人間は白骨化し塵となるので死体処理にも手がかからない。やりたい放題。
オチも筋が通っていてよかったですが、オチに行く前までに人間の一生を辛辣にまざまざと描く必要があったのかとも思う。それが美しいのだろうけれど、リアルすぎる描写は観てられない。ドキュメンタリーなどのジャンルではない以上、映画は基本エンターテイメントなので、現実逃避や非現実を楽しむために観るので、最後全員生き返るくらいのSFでもよかった。
シックス・センスのようにキャラクターを立てたり、ヴィレッジのように世界観にこだわったりではなく、現実に近い物語を描いているので「治験」という人間が人間に対する行為はリアルすぎてエンタメ性が薄い気がする。
①人の一生のドキュメンタリー(現実・リアル)と②巨大企業の治験(現実・リアル)を③ビーチ(非現実・エンタメ)が繋いでいるので、3つの要素でできていて、2:1で現実味が多い。
両親が老いて子供がその死に様を見届けるシーンは、監督の伝えたい部分のような気もするが、辛すぎて観てられない。死を描くことで生が際立つことはありますが、ヘリに乗るまで死しか際立っていない。映画の9割以上が死ぬことについて描かれていて、ブラインドネスほどではないが、暗い気持ちになる映画。ただ、監督が描きたいことや伝えたいメッセージについて「誠実」な雰囲気を感じられました。しかしながら、ドキュメンタリーのジャンルではないならエンタメ性は欠かせないかもしれない。
特に感想なし
スプラッシュマウンテンに乗ったけど落ちなかったような映画
もはやSFではない?
たぶん多くの方と同じかもしれませんが、「シックスセンス」(99)があまりに素晴らしかったがため、その後の作品がいずれも物足りなく感じてしまいます(涙)。M・ナイト・シャラマンのことは忘れて観ていたので、「ミッドサマー」(19)のアリ・アスター監督のDVDを借りたんだっけ?と思いながら観てました(笑)。日常から異界へ入り込んでしまったような感覚は、なかなか不気味で面白かったです。終盤の種明かしが興味深く、現実にありそうな話に着地していて、シャラマン監督らしいトリックを感じました。監督のインタビューで、今作はSFではないというようなコメントをされていたと思います。確かに、「2001年宇宙の旅」(68)のように、過去にSFだったものが現実になってしまう例は幾多もあり、創作よりも現実の方が遙かに奇妙な世の中になってしまっているのかも、と思いました。
つまらない
48倍速で《老いる》ビーチ
2021年(アメリカ)監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
舞台は南の島の楽園リゾートにある、
《美しいプライベートビーチ》
そのビーチにいる人は1時間で2歳、年を取るのです。
そしてそのビーチは《密室と同じ》
誰もそこからは、生きて抜け出せない・・・
タイムスリラー!!
うわあー、怖い設定です!!
ある理由で南海リゾートツアーに集められた家族たち。
着く早々に、《プライベートビーチ》に誘われて、過ごすことになる。
謎の死体。
急に6歳の息子が少年に成長している。
娘も背が伸びて大人びている。
そんなのは序の口!!
みんなこの島から脱出不可能と、気付き始めます。
疑心暗鬼ではじまる狂気に飲み込まれる人、人、人。
凄く面白いかと聞かれると微妙ですね。
シャマラン・マジックに、かかったことのない退屈な人間です。
ビーチシーンが長過ぎる。
そしてラストに一気に謎解きを見せつける。
ちょっと手抜き!?
そんな驚くほどの謎・・・でもなかったです。
シャマランワールド…
これぞ、怖がらせる完全ホラーではなく、奇妙でじわしわ怖い独特の作風。一日で50年年取ってしまう島。それが分かってから若干間延びした感はあるが、離婚寸前の夫婦が互いに赦し合い、幸せに死んでいく様を描くなど、単なるスリラーに終わらせないのも良し。アビー・リー自体がそもそも怖かったけど。結局は製薬会社の人体実験場であったわけだが、その伏線があったり、最後もヘリ落ちるんじゃないかとハラハラ期待してしまった。
「老い」とは。
オープニングの車の中のセリフ「いつ着くの?もう5分経ったよ。まだー?」ってよく言うよね。時間の流れの不思議は誰もが日常的に感じている。時間ってほんと謎。
何個のジグソーパズルとか、何個の貝とか。数って多い方がいいの?でもリスクのパーセントは少ない方がいいか。
では年齢は?
確かに「老い」は、既往症を加速させ、認知機能、体格のバランス、視力、聴力を失わせる。
だけど。自らの絶望感や相手の裏切りといった、コインの片方からの視点を一枚のコインとして統合させてくれる、実に尊い一面がある。
愛する人が近くに居てくれるだけで幸せ。理屈ではなく、ただ実感できるという丁寧な素晴らしい演出でした。
だから、メロン大の腫瘍の手術、妊娠出産、スレンダーな奥さんのボッキボキなど「少々やり過ぎ!」って思う場面も、映画として満足できました。笑
そしてラストのメッセージ。
一生懸命作っても、すぐに流される砂の城。損得勘定なしの子どもの遊び心に戻った時、彼はやっと秘密の暗号を思い出しました。
子ども心に忠実に、表裏を統合する成熟を得て、私は自分の寿命を全うしたい。
水準以上の出来栄えで満足
【鑑賞のきっかけ】
劇場公開時には、その存在すら知らなかった作品。
動画配信が可能となり、なかなか評判も高そうなので、鑑賞することに。
【率直な感想】
<どうしても期待してしまう、特殊な監督>
ナイト・シャマラン監督と言えば、「シックス・センス」で有名。
あの作品を観てしまうと、彼の作品を追いかけたくなってしまうというのは、分かっていただけるかと。
でも、あの作品を超えるものには、出会うことができないのが現実。
本作品も、残念ながら、あの作品を超えることは出来なかったけれど、それなりに楽しめる作品に仕上がっていたと、感じています。
<設定の面白さ>
なにしろ、「高速で老化」という設定が面白いですね。
普通の時間より遅く年をとるというのは、昔のSF映画にはよくありました。
例えば、「猿の惑星」(1968年)では、光速宇宙船で半年の人工冬眠をしていたら、地球時間での約2000年が経過していた、というのが物語の発端。
それが本作品はその逆で、しかも、「老化」の速度が恐ろしく速く、主人公たちがやってきたビーチでは、1日いるだけで、およそ50年の時が経ってしまうという、高スピード。
この設定から、登場人物たちには、普通の空間ではあり得ない出来事が連続し、ビーチという限られた空間の中でのお話なのに、観客を飽きさせることのない展開が待っていました。
<スリラーとして高評価>
スリラーも、ミステリの一種なので、伏線の張り方と、その回収が優れていれば、それだけ評価が高くなるかと思います。
「シックス・センス」ほどではないにせよ、きちんと伏線が張られていて、ラストになってくると、あのシーンはこういう意味か、と納得させられました。
物語に仕掛けられた「真相」の衝撃度はそれほどではないけれど、巧い伏線のお陰で、「そういうお話か」と、満足のいく「真相」が待っていたのも、嬉しかったです。
<監督の出演>
ナイト・シャマラン監督は、しばしば、自分の作品に、いわゆる「カメオ出演」するので、私は、その辺りも楽しみに鑑賞を始めたのですが、この登場シーンに驚き。
南国リゾートのホテルに滞在する登場人物たちは、バンタイプの車でビーチに向かうのですが、その運転手が、ナイト・シャマラン監督なのです。
ビーチの入口の金網には、「立入禁止」とあり、運転手は、ビーチを囲む峡谷の手前で、夕方迎えにくるからと、去って行く。
さて、物語が展開し、このビーチが高速で老化する場所であることが明らかとなり、容易に脱出できないとなると、運転手のことが気になりました。
あの運転手は、このビーチが「立入禁止」となっている理由が、「高速で老化」ということを知っていたことは間違いない。
つまり、この物語の「真相」に繋がるビーチの秘密を知っているキーパーソンなのだと。
こうなると、「カメオ出演」どころではないですね。
ここで面白い作品構造に気づきます。
現実世界で、ナイト・シャマラン監督は、物語の「真相」を知る人物。
そして、虚構の世界でも、「真相」そのものかどうかまでは分からないけど、「真相」に近い位置にいる人物。
この二重構造のおかげで、ラストへ向けて、ワクワクしながら鑑賞できました。
【全体評価】
今回も「シックス・センス」は超えられなかったけど、それは想定内のことでしたので、低評価はしません。
むしろ、「シックス・センス」の監督という看板を背負っていない、無名監督の作品であれば、相当に評価の高い作品になっていたような気がするのです。
つまり、スリラー映画として、水準以上の出来栄えであったことは言えるのではないか、と感じています。
全458件中、81~100件目を表示