オールドのレビュー・感想・評価
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考えさせられる作品だった
結論から言うと、時間の流れが早い謎のビーチを製薬会社が治験で利用していたという作品。
細かいことは置いておいて、私が思ったことは、こんなビーチがあるのならそりゃ使うよなという感想。
リゾートホテルを訪れた客の中から病人を連れている家族を狙ってビーチに連れていき薬の治験を行う。
モルモットが良くて人間がダメな理由はなんだろうと考えさせられる。
このホテル(製薬会社)の悪い所は、このビーチに連れて行って治験をしたことではなく、ビーチに連れて行く客に対して治験をするということを明かさなかったことだけではないかと思う。
それを明かしてしまうことでこのビーチの存在が公になってしまう点や治験を拒否されてしまう点など考えると黙って連れていくしかないんだろうという気はする。
製薬会社の研究者が無感情というのは単にビーチに来た人間をモルモット同然と考えているからに過ぎないのではないかと推察する。どう考えてもモルモットなどで実験をするよりも人間で実験する方が人間へ投薬した結果の正確なデータ取れる。
人の一生を一日に縮小出来るのならば倫理観など捨てて使ってしまおうという製薬会社なのだろう。
ビジネスとは言え、これを行うことで助かす命が多数あると考えた場合、悪なのかというと道徳観や価値観で左右される気がする。
重病に罹った時に「あなたは確実に死にますが、あなたのおかげで失われるはずだった多くの命が救われます。」と言われたらそれでいいという人も一定数いるのではなかろうか。
人のために死ねる優しい人が死んで、自分の事しか考えてなく拒否する人ばっかり生き残ってしまい、かえって地獄を見る可能性もある。
この映画のように無作為に治験する方が人類にとっては良いような気がしてくる。
この製薬会社は何も間違っていないという考え方も出来なくはない。
あとは、アメリカでも頭でっかちのエリートはボケ老人になるという知見を得られたのは良かった。
傑作とまでは言えないが、見応え充分!
WOWOWの放送にて。
物語の説得力が今一つではあるが、先が読めない展開は凄い。
…と、思ったら原作(グラフィックノベル)があるらしい。どこまで原作に基づいた筋なのだろうか。
予告編で見せられたビーチがテレビドラマ「LOST」を連想させたので、孤島なのだと勝手に思い込んでいた。ところが、リゾートホテルのプライベートビーチだという。あれ?じゃあ逃げ出せる?いやいや、そういう仕掛けだったか!
恐ろしい早さで人が老化いていく奇妙なビーチ。
子供があっという間に大人になってしまうのだが、知識まで大人にはならないでしょうに…。
製薬会社がこれを治験の短縮化に利用したとしても、申請用の臨床試験データはどうするのか…。
、、、素朴な疑問は多々あるのだが、シャマランの独創性が発揮されていて、全体的には面白かったと思う。
ビーチの秘密はサラリと説明され、大人になってしまった子供たちが脱出法方に気づく。
大事な箇所を観客ではなく登場人物たちが納得することで押し切ってしまうのは、ファンタジー映画の常套手段だが、観てる側は腑に落ちない。
イントロダクション部分が冗長で難点ではある。この際、夫婦間のイザコザなどどうでも良いと思うのだが、終盤に老化した夫婦が最期の言葉を交わすところでこれが効いてくる。
人生の終焉が間近な老夫婦の愛切が漂ういいシーンだ。
最後の大逆転も、この長いイントロが伏線になっている。
医師のセクシーな妻の末路は、ちょっとやり過ぎではなかろうか。これが作品全体の品位を落としているようで残念だ。
ジョーダン・ピールが怒濤の勢いでこのジャンルを席巻している今、シャマランには先駆者として踏ん張ってほしいと、切に願う。
共感できない部分が多かった
確か30分に1年経つ設定で、その設定が共感できなかった。そしたらそもそもこの映画を見るなって話だけど。
最後の薬の新薬を使うために、あのビーチを使うってところは頭がいいと思った。
唯一無二の閉塞感!
ドアのない部屋に閉じ込められるデスゲームものより怖いんじゃないかと思うような、開放的なビーチに閉じ込められる得体の知れない恐怖体験。
時間と空間が自分たちの知る在り方で存在していない、という、登場人物が感じているであろう気が狂いそうになる違和感を、見事なカメラワークと芝居で描いています。
いろいろロジックがめちゃくちゃ過ぎて笑ってしまうけど、それを楽しむ箱庭、といった感じの映画でもあり。
個人的には四肢をボキボキ折りながら、再生しながら、そして老いながら狭い洞窟内を老婆が迫ってくるシーンの高揚感が忘れられません。
総合点は高いのじゃないかしら
普通におもしろかった
高速で加齢、謎の浜辺。よくぞここを見つけてきたと感心した奇岩に囲まれたロケの海岸。
M・ナイトーシャマランの監督作に多くの人が期待するのは、意表をつく設定や仕掛け、思いがけない感動といった「驚き」でしょう。
ときに「なんで?」と思う理解不能な作品も過去にはありました。でも前作「ミスター・ガラス」など、このところ快調です。この新作も、タイトルから意味深。見終わってなるほどそれで『オールド』なのかと納得しました。そしてシャラマン監督ならではの仕掛けられた設定に、唖然呆然としました。
何しろ今回は、猛スピードで時間が経過する浜辺に閉じ込められた人々の物語。つまり一生が一日で終わってしまうくらい高速で年を取ってしまうということなのです。そしてその美しいビーチから、誰も逃れることができないまま、瞬く間に寿命が尽きてしまうこと。無邪気にリゾート気分を楽しんでいたはずなのに、突然寿命が秒速でなくなっていくことを知ってからは、見ている方も怖くなってきましたい。でも怖さは同時に、怖いもの見なさでわくわくするものですね。だんだん座席から身を乗り出して画面に釘付けとなったのです。
たぶん最初に監督は、高速で歳をとるこのプロットを思いつき、次の展開で、何故そんなことが起こるのかという理由付けのところで、「なるほど」と思わせる展開をリアルティたっぷりに盛り込んでいったのはところはさすがというしかありません。そのアディアマンぶりには脱帽しました。
そして今回の舞台は、シャラマン監督のこれまでとちがってビジュアル面でおおきく違っていました。青い海に明るい太陽に包まれたシークレットピーチが舞台という光景は、暗い室内が中心だったこれまでの彼の作品とは、趣が異なります。そしてもう一つ問題だったことは、シャラマン監督は大の飛行機嫌いだったのです。よくぞここを見つけてきたと感心した奇岩に囲まれたロケの海岸は、ドミニカ共和国にありました。本来ならそこは大嫌いな飛行機でないと行けない距離のはずです。それでもこの映画をつくることになったのは、彼の3人の娘たちが、この映画の原作であるグラフィックノベルの「Sandcastle」をプレゼントしてくれたからだったそうです。シャラマン監督も親バカなんですね(^^ゞ
舞台は、南国気分の高級リゾートホテル。ガイ(ガエルーガルシアーペルナル)と、プリスカ(ヴィッキー・クリープス)のカッパ夫妻は、近々に健康問題で離婚つもりでいました。家族の最後の記念として、トレント(6歳当時:ノーラン・リヴァー)とマドックス幼い2人の子供(11歳当時:アレクサ・スウィントン)を連れて休暇をとり、人里離れた美しいビーチへのリゾート旅行を計画したのです。
リゾートに到着後、支配人からプライベートビーチに行きませんかとに勧められます。そこは外界から隔絶された、選ばれた数組だけが行ける場所。特別感を味わっていると異常事態が相次いでおこるのです。
そこでは高速で子供は成長、大人は老化。さっきまで少女だった女の子が、直ぐ少女となり、トレントと初体験して、妊娠してしまうという早さなんです。だからといって
逃げようとしても、ピーチを包む強力な磁場の力で失神してしまいます。海からの脱出を目指した人は、溺死してしまいました。
結局逃げようとしても方法が見つからないなかで、どうやって秒速でなくなっていく寿命が尽きる前に脱出するのかできるのか。残された家族たちはいろいろ試そうとしてます。その中で、そもそもなぜ招かれたのかについても次第に疑問になっていきます。山の上には、家族たちを監視するかのような人影が…。
。 あぜんとするような体の変容と意外な内的成長。そしてあちこちに潜む謎解きのヒント。シャマラン監督は堂々と巧妙に、周到に、観客の好奇心を満たし、謎を追う楽しみをたっぷり味わわせ、加齢の様々な側面を描き出してくれました。
もっと掘り下げてほしい点もありましたが、何しろ時間はどんどん唐突に経っていきます。登場人物から様々な機会を奪ってびゅんびゅん過ぎていくのです。その感じ方は、コロナ下の今現在では、何だか切実にしみてくるものを感じました。(2021年8月27日公開/108分)
俺はいくつまて生きたいのかな
"時間"というものの儚さ
そして、尊さに気付かされる映画でした。
ある美しいビーチに様々な毛色の家族、カップルが集まります。
問題を抱え、離婚を決断しようとしている夫婦。
いわゆる金持ちな男と、美人な若い女の夫婦。
子供たち。
などなど…
時間が急速に進む環境で、みんな変化に追いつかず動揺し『気持ちの整理がつかない。時間をちょうだい。』などと言います。
でも時間は残酷にも急速に進んでいきます。
気づいた時には人生も終盤、死に際に今まで取り繕っていた物が崩れたり、今まで蔑ろにしていた愛に気付いたり…それぞれが色々な最後を迎えます。
目に見えない『時間』というものの『恐怖』と『尊さ』を上手に表現した映画だと思いました。
人生は短い、それに気付いた頃にはもう遅い。
そんなメッセージを感じました。
時間を大切に、今を生きようと思います。笑
前持って伺っていたお好みに合わせて
人の生涯
通常の何倍もの早さで老化が進むビーチに連れてこられたリゾートのお客さんたち。
元々のお年寄りはすぐに寿命がつき、その遺体は骨になり分解される。
子供は青年になり、恋をしてあまりにも短い間ではあるが家族になり、そして中年に。
破局寸前だった夫婦は、危機を乗り越え再構築し、助け合いそして寿命を迎える。
美しいプライベートビーチで、1日で人の生涯がぎゅっと凝縮されてしまう恐ろしさ。
蓋を開ければ身勝手な製薬会社の壮大な治験だったという…
最後は警察の手が入り摘発されたようで良かったけど、いったいどれだけの人が犠牲になったんだろう。
基礎疾患持ちの人をほとんどの人が生きて帰れないビーチに送り込み、基礎疾患のための薬を作る?助けるべき人と死ぬ人の線引きは一体どこなんでしょう…
ところで医師は最初認知症かと思ったら、統合失調症だった。
見る側も一緒に成長できるかどうか
シャマラン監督が仕掛けるタイムパニック・スリラー。
異常に細胞の成長が進んでしまう脱出不可能なビーチに取り残されたグループ。
どんどん身体が老いていく焦りと、なぜこんな事になったかというサスペンス感も加わる新感覚な作品でした。
結末が読めないところは、さすがシャマラン監督だなと。
そんなバカなとツッコミどころもあるけど、それは身体だけではない心の成長と変化を描いたもので、見ているこっちがそのスピードについていけなかったのだと思う。
そして成長する子供たちや年老いてく大人たちを、どうやってこうも上手く撮影したのかが気になってしまいます。
いつもちょい役で出てくる監督を探すのが一つの楽しみになっているのですが、今回はガッツリ出演されてますね(笑)
予想以上に面白かった
ナイトシャマランらしいと思う映画でした
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