オールドのレビュー・感想・評価
全467件中、401~420件目を表示
どのジャンルとして割り切るか次第
M・ナイト・シャマラン
インド系アメリカ人として1999年のシックスセンス
2000年のアンブレイカブルなど生死を扱った
奇妙な雰囲気の作風で知られる監督
最近はあんまり名前を聞いてなかったかな?
個人的には魅力的な舞台設定や
前半の盛り上がりに対して
後半が今ひとつ尻すぼみな作品が多い印象
話の設定やディティールは結構いい加減で
ホラーとして観るならまあいいやって感じですが
サスペンスとか謎解きと言われると
物足りない感じがいつもする監督です
勢い任せというか
で今作
豪華リゾートにやってきた
ある問題を抱えた夫婦と姉弟
支配人風の男に誘われて向かった
プライベートビーチは様々な人々がいましたが
そのビーチには特殊な鉱物の影響で
細胞の老化が早く一日で50年経ってしまう
とんでもない場所なのでした
逃げだそうとしても気絶してビーチに
戻ってきてしまうゲームっぽい仕様
6歳の弟と11歳の姉も見る見る成長していきます
他のメンバーも
妄想が止まらない統合失調症持ちの外科医
(たぶん)骨粗鬆症の妻と娘
外科医の母
看護師の男
てんかん持ちの妻
鼻血が止まらない(凝固しない)ラッパーの男
など様々ですが共通しているのは
何らかの疾患を持った者ばかり
冒頭からいる夫婦も妻に腫瘍があり
離婚するために最後の思い出にと
リゾートに来たことが徐々に明かされます
そして…山の上からは明らかに
監視している者がいます
早急な老化によりみるみるその
ビーチにいる者たちが倒れていきます
まず既に高齢だった外科医の母が老衰で死にます
屋外なのに密室かのような空間設定ですが
妻の腫瘍もみるみる大きくなり
外科医が摘出作業をその場で行います
妻は気絶していますが麻酔もなにも使わず
ええっ!という感じで切って開けると
胆石みたいに腫瘍が出てきて妻は助かって
しまいます
ここでもうああやっぱこの監督の映画だと
わかるテキトーなディティールが見受けられます
メンバーに医療関係者が妙に多いことで
医療的な話が関わってくるのですが
テキトーさとのバランスは悪い感じです
医療職の人は色々首をかしげることでしょう
そのへんのディティールをまあホラーだし
と割り切れればまだいいんでしょうけど
結局このビーチの特性はとある製薬会社の
長期的な治験に利用されていたのです
なにせ一日で50年ですから様々な疾患の
効能を調べるのには最適なわけです
…ただそう考えると50年で一度しか
服用しない薬ってちょっとありえない
気がしてきてしまいます
こういうとこなんですよ
それに製薬会社の陰謀ってのもまあ
ありきたりなものです
某ゲームみたく
ヘリで去っていく最後も一緒じゃねえかと
吹きました
経過と共に姿形が見る見る変わっていく
様は映画を観ている間特有の時間の進みを
感じられるのですが全体的にはなんかもっと
面白く出来なかったのかなと感じるところ
また精神疾患の患者を倒すべき脅威として
扱ってしまってるのもどうかと思う
確かに頭のイカれた奴が主人公に
襲いかかってくる映画はいくらでも
ありますが精神疾患の名前までは
明示してこなかったはずです
今作はハッキリ言っちゃってて
あれこれまずいんじゃないのと
思ってしまいました
まあそのへんも
ホラーだ映画ならなんでもありで
いいんでしょうが
妙に謎解きサスペンス風味を盛り込んでいる
せいで捉え方がブレブレな感じがする
あいかわらずのシャマラン作品でした
普通すぎるスリラー映画
どう納めるのか最後まで楽しめる
ひとつの発想をここまで広げるとは
最後まで緊張感があって面白かった。
●1日で老化していくという発想をさらに広げたのがスゴイ。単純に老いの恐怖という事以外にも成長、妊娠、出産とドラマが広がっていくのがよかった。
●死んですぐに白骨化とか、ケガをしたら変な治り方をしたとかアイデアがいい。錆びたナイフでケガしたらあっという間に体を蝕むとかスゴイ発想だ。
●サスペンスの描き方、見せ方がいい。
見せないで盛り上げる効果がうまい。サスペンスを描いたらシャマランは本当に才能があると思う。いつも微妙な映画になるのは何でだろうな?
●家族の再生の描き方が意表をついて良かった。
すれ違いの家族がある困難を一緒に乗り越えて絆を取り戻すという話はよくあるが、今作は違った描き方で面白かった。両親の不仲は年を重ねることで解消されるのだ。発想が面白くリアリティを感じた。
●きっちり伏線回収した。
姉弟が水平線を見つめる場面で、あれ、ここで終わるのかな?と思ったが、ラストを曖昧にしないでキッチリ伏線を回収し、悪者をやっつけてスッキリ終わらせたのが素晴らしい。
伏線の張り方も良かった。
●悪者の企みの内容が予想外でユニーク。
陰謀が製薬会社の人体実験という発想が意表をついてて良かった。
シャマラン作品て発想は面白そうだけど、見たら微妙というものが多かった。
今回は原作らしきものがあるそうだけど、その辺がうまく作用したのかな?最後まで緊張感を保ち、すっきりオチがついて面白かった。
設定は良いが、肝心な部分が雑過ぎる
そのビーチは時間の流れが早い。
人々は知らないウチに歳をとり、死んでいく。
そしてその事に気付いた時には、もう戻れない。
基本の設定は凄く良いんです。
予告編でもワクワクさせられて、楽しみにしていました。
全体的な雰囲気もストーリーも、そしてラストも悪くないと思っていて、ある一点さえちゃんとしていればワンシチュエーション・スリラーの新たな傑作になり得たのではと思います。
その一点とは、物語の根幹となる【時間の流れが異なるビーチ】というシチュエーションの設定があまりに雑過ぎる事です。
いったいどんな考察や考証を経てストーリーを作ればこうなるのだろうかと不思議に思います。
以下に、自分がおかしいと思った部分を抜粋しておきます。
思い付いた順に書くので順不同です。
違うよ、そこはこういう事だよ、という部分がもしあればコメント欄にてお教えくださると嬉しいです。
◾️両親と子供の時間の流れがおかしい
物語の終盤で、子供達の両親二人が老衰と思われる症状で亡くなってしまいますが、その時の子供達の見た目年齢がどう見ても20歳前後なのはおかしいと思います。
物語のスタート時点で弟が7歳前後(うろ覚えです)、お姉ちゃんは11歳でした。
そしてその両親は、見た目的にも30代中盤であったと思われます。
その両親が目が見えなくなり耳が聞こえなくなりで老衰で亡くなるのですから、普通に考えればその時80過ぎにはなっていたのではないでしょうか。
つまりビーチに足を踏み入れた時点から40数年分は老化が進んだ事になり、その計算でいけば子供達の年齢も50歳前後になっていなければ計算が合いません。
人によって老化のスピードが違うといった設定は無かったと思いますので、ここはおかしいなと思って見ていました。
◾️死体が白骨化するのはおかしい
ビーチ内ではもの凄いスピードで時が進みますが、それは【物理的な時間が早く進んでいる】訳ではなく、あくまでも岩礁の物質の影響により【細胞分裂のスピードが上がって、成長(老化)が加速化している】
だけに過ぎません。
現に、作中では物質や食べ物はその影響を受けません。
細胞が生きていないからです。
にも関わらず、物語の中で人が死ぬと、もの凄い早さで分解が進み白骨化、ついには灰になってしまう描写があります。
人は死ねばただの肉塊です。
言い方は悪いですが、食べ物と同じです。
もう細胞分裂をせず、ただの物体になってしまった人が、このビーチでの怪現象の影響を受けるのはおかしいですよね。
また劇中では、『髪が伸びないのはそれ自体は生き物ではないから』という発言もありますが、にもかかわらず髪の毛ごと分解されてしまうのは製作陣自ら矛盾を産んでいる事にもなると思います。
◾️傷や骨折の治癒が早過ぎる
劇中で、ザックリとではありますが、ビーチでの時間の流れは30分につき1年分であるとされています。
これまたザックリと計算すると、30分(1800秒)で1年(365日)進むという事は、1分で約12日間、1秒換算だと0.2日(約5時間)程度時間が進むという計算になると思います。
劇中ではメスで切った傷や骨折の箇所がものの数秒で治ってしまう描写がありましたが、この計算でいくと傷痕は数十秒、骨折に至っては数分は待たなければ治らないはずだと思います。
腫瘍に関してはよく分かりませんが、傷や骨折はもっと治るのに時間がかかるはずで、劇中の表現はあまりにもおかしいというか、ストーリーを進める為のご都合主義のように感じてしまいました。
◾️身体と一緒に精神まで成長するのはおかしい
子供達が成長して大人の身体になるにつれ、何故か中身の精神まで成熟していく描写がありますが、精神とは日々の経験や学習の積み重ねの末に出来上がるものであり、身体が大人になったからといって中身まで大人になったかのような状態はおかしいと思います。
100歩譲って、大人になった男女が抱き合ううちに気持ちが昂り、セックスをしてしまった部分までは有り得るかも知れません。
本能であり3大欲求の一つでもあるので。
でも急に難しい言葉を使い始めたり、精神的に安定し始めたり、頭の回転が良くなるのは矛盾があります。
あの3〜4歳の女の子などは、身体は大人でも心は子供のままで喋り方も片言でなければおかしいのでは。
◾️バレずに治験者を集め続けるのは無理がある
上で言及したある一点の部分からは逸れてしまうのですが、本記事を書いてるウチに思った事です。
劇中では治験対象者を事前に絞ってピックアップし、旅行に来るように誘導し、来た時の交通の痕跡から自宅のパソコンの履歴まで全て消して足がつかないようにしているという描写がありましたが、旅行に行くとなれば当然親や親戚や友人にその事を詳しく話すかも知れませんし、場合によってはホテルに着くまで、あるいは着いてから先の様子も全部SNSで実況中継している可能性もあります。
楽しい旅行にご招待の体なので、旅行客が仮にそうしていたところで、それをやめさせる権限はホテル側には無いはずです。
ホテル内に一般客と治験対象者が混在しているのも本来はまずいですよね。
仲良くなった他の客に何を話すか分かりませんし、可能性的には低いものの、そこに元々の知り合いがいる可能性もあります。
その状態で一家が丸ごと行方不明になれば、当然騒ぎになりますよね。
そういう懸念がある中、今まで何の騒ぎも起こす事なくホテル側が治験を続けて来られたというのには、無理があると思います。
まぁ、結果的にそれがキッカケで今作は解決した訳で、そうなるべくしてなったなと。
細かく挙げればまだまだありますが、主に以上の事のような矛盾点が気になってしまい、物語に全然集中出来ませんでした。
素人でも思い付くこれらの問題点を何も解決させずにプロットを組んでしまった事に、驚きを禁じ得ません。
そこをきちんとクリアーさせた上で今回のストーリーを成立させる事は決して無理な事では無かったように思うので、その雑さは実に勿体ないなと感じました。
どんな映画でも、アクションでもヒューマンドラマでもコメディでもホラーでも、95%の真実の中に5%の嘘や非現実を紛れ込ませるくらいが丁度良いと、個人的には思っております。
例えどんなぶっ飛んだ内容でも、有り得ない世界観でも、基本的な部分、例えば人の行動や考え方、今作にも言えますが科学的な考証であったり歴史的な考証、そういった部分はちゃんと一本筋を通した上で、上にフィクションを被せて味付けするくらいでなければ映画は成立しないのではないでしょうか。
今作はその根幹の部分逸脱の幅が少し大きかったが故に、新しいシチュエーションスリラーの傑作誕生!のポジションに入りそびれてしまったように思います。
いつもの事ですが、大変長くなってしまい申し訳ありませんでした。
最後までお付き合いいただき、ありがとございます。
今自分たちはこの映画の中に生きているのではないか?
中で自分はプロムを経験しないで大人になっちゃうの?というセリフがあった。
でも、よくよく考えると今日本ではコロナのため修学旅行は中止、学園祭もない。大学のサークル活動も限定的。
テレビでは渋谷の若者向けコロナワクチンの接種会場野混乱風景。それでも世界中でコロナワクチンの接種が。
私はコロナ軽視論に与するつもりはないが、世界中でそれも金をかけることなく治験をやっている、そんな気に
させてくれた映画だった。
久しぶりのシャラマン監督
答えは『ミズーリ・ブレイク』(1976)
久しぶりに当たりの方のシャマラン映画でした。ホテル側からお勧めされた美しいビーチでのバカンスに3組の家族が向かい、そこで巻き起こる時間が異常に速く進む事象と殺人事件?子どもたちは急成長するし、年寄りは老化が加速して死に至る。ビーチから抜け出そうにも物理的な力によって気絶させられる始末・・・
30分くらいで1年分年を取り、1日で50年進んでしまう。最初は時間が進む特別な地域かと思っていたが、有機物しか影響を受けないのかな?ホテルの備品とかは錆びてたみたいけど、このあたりは考えなくてもいいのかもしれません。
製薬会社の提供ということや、崖の上では常に監視している者がいることなど、オチが楽しみでしょうがない。成長ホルモンみたいな化学物質の実験かと考えてみたけど、見事に外れてしまいました。医療関係者が多いというヒントもあったのに、久しぶりにヤラレタ感を与えてくれたシャマラン・マジック。
プリスカの抱えていた腫瘍が巨大化したり、子どもたちが大人になりセックスをして出産・・・といったバカバカしいエピソードよりも、大人たちがどんどん老化していく様子が身に染みる。「老い」をテーマにした文学的な趣向も見えてくるのです。特に終盤のガイとプリスカのシーンがいい!そして認知症をテーマにした『ファーザー』にも出演していたルーファス・シーウェルが、物取られ妄想や攻撃的になるという認知症の特徴を見事に演じていた。
名前と職業もいいけど、伏線で最も面白かったのが、クリスタル(アビー・リー)が娘カラに姿勢を正すように躾けていたのに自らが背中が曲がってしまったこと・・・その後の彼女は大変なことになってしまった。夢に出てきそうなくらい。なお、クリント・イーストウッドの娘もイヤな役を演じていたなぁ・・・
アレックス・ウルフがもうちょっと年を取ったところでムロツヨシが登場してくれたら満点にしたいくらいでした。
ポスターだけで引き込まれる謎の吸引力
何よりまず着想、設定が面白い。
M・ナイト・シャマラン監督最新作は、これまたありそうでなかった?新しい恐怖とスリルに満ちている。
おそらく張られてるだろう伏線を意識しながら、目まぐるしく展開するストーリーに一気にのめり込む。
>>特別に招待された3家族が自然保護区のビーチに足を踏み入れた時から、すでにそこに佇んでいた謎の鼻血ラッパー、何処からか流れ着いた若い女性の水死体…。
おいおい、こんなの遊んでられねぇわ。
ドライバーに電話!あれっ?電波が繋がらない。
すいませーん、ウチの子たち見ませんでしたか?
ママ、僕はここだよ!パパ、私よ!
へっ…?あなたたち…?
さっきまで幼かった姉と弟は、わずか数十分の間に中高生ぐらいの見た目に変わっていた。
うそーん!何じゃ、こりゃあー!
引き返してドライバー呼んで来る!
あいたたた…頭が締め付けられる〜!
ダメだ、引き返そうとしたら頭が圧迫されて気を失った。
えっ?もしかして俺たち戻れないの?
お姉ちゃん…水着が小さくなってオッパイがハミ出そうだから着替えてらっしゃい。
それより何で子供たちあんなになっちゃったの…?
(当然こんな軽いテンションではないが笑)
シャマラン作品は正直当たり外れもあるが、摩訶不思議な現象、謎解きサスペンス、密室ミステリー劇などあらゆる要素を含んだエンターテイメントとして飽きさせない仕上がり。
たまに覗かせるヒューマンな部分も相変わらず絶妙。
プロットの粗探しとか深読みはし過ぎず、ビーチにいる気分でシンプルに楽しむことをオススメする。
"クヨクヨ考えてるうちに人生なんてあっという間に終わってしまう、だから今を精一杯生きよう"
なーんてそんな教訓めいたことは後付けでしかない。
最後まで目を離せないOLDって
真面目なシャマランは鑑賞者を放ったらかしになんかしないのだ!
言わずと知れたMナイト・シャマラン監督の作品だが、インド出身という偏見からではないが、恐らく理系脳のこの監督は観ているものへ決して投げっぱなしにはせず、張った伏線はしっかりと回収し、最後には無理矢理にでも辻褄を合わせないとどこか収まりが悪く感じるタイプではなかろうか。
メディア等の宣伝で、あのビーチへ行くと急速に老化するという事を事前に周知させた上で、原因は何かという大オチ1点のみで勝負する(し続ける)この監督の潔さは毎度ながら感心させられる。
ただしこれがビッグバジェットの映画でやられると物足りなさからか「それだけかよ!」とツッコみたくなるが、今回のようなそこそこの予算で作る映画なら十分楽しめてしまうから不思議である。
ホテルの従業員の秘密ありげな態度やビーチへ連れて行かれた面々が醸し出す強烈な違和感みたいなところはしっかりと伝わり、終始感じる気持ち悪さがラストへの期待感を後押しする。
もちろんツッコミどころも満載で、腫瘍摘出手術や出産についてはいろいろ言いたい事もあるが、直ぐに傷が塞がってしまうのなら出血も最小限だし、あんなふうに簡単に成功してしまうのだろうと自分自身を納得させることにした。
※骨折が変な形で直ぐ治ってしまうくだりも同じ。
子どもを使う事が多い監督だが、姉、弟という組合せはヴィジットと同じ。
弟役のアレックス・ウルフはヘレディティ以来自分の中では今の時代に稀有なスリラー俳優という位置付けで、今回も良い意味で抗えない不条理な運命や迫りくる恐怖を受け入れざるを得ない絶望感みたいなものを元々の恐怖顔で上手に表現していた。
因みに弟役(トレント)は全部で4人が演じたが、よくぞあの位置にホクロがある人達を見つけてくれたと思っていたのだが、調べたらアレックス・ウルフ以外は皆付けボクロだった。
成長しても同じ人間であるという事がわかり易い便利な特徴ではあるが、少数派に多数が合わせている事に何となく可笑しさを感じてしまった。
どうしてもアレックス・ウルフにこの役を演じてさせたいという監督の強い意志をを感じた。(やっぱりこの人を使いたいもんね)
シャマラン作品は好き嫌いがはっきりと別れるが、個人的には評価が高かったヴィジットよりも楽しめたので、迷っている人はラストのオチを人から聞いてしまう前に劇場で鑑賞される事を勧める。
次から次に起こる事件にハラハラしっぱなし。
ある4人家族がリゾートにやってくる。両親が離婚する前に子供達には秘密で思い出を作るためだった。
ちょっと怪しい理由で、リゾートから特別に紹介されたシークレットビーチに出掛けることに。そこで一緒になった数組の家族達、最初は景色のいいビーチを楽しんでいたが、突然、子供達が大きくなった。変に感じていると自分達も歳とっている事に気づき始める。どうも1日で50年進んでるらしい。脱出を試みるも失敗続き。海で気絶したり、崖から落ちたり。妊娠出産死亡がまさかの数分間とか。1日目で殆どの人が死亡。そりゃそうだ、親達は夜に80超えちゃうんだもん。
何故こんなことが起きているのか、どんな種明かしなのか、ずっと考えながら観てました。リゾートの人達怪しいとは思っていたが、そういう事だったのね。
最後はスパッ!ま、この手の現象は考えてもしょうがないもんな。
スピーディーな展開で、とっても楽しめました。
変わったスリラー
崖に囲まれた美しいビーチでバカンスを過ごすためやってきた複数の家族が、異常なスピードで時間が経過し、急速に老いていく不可解な現象を描くスリラー。
そのビーチは崖に囲まれていて、脱出するために来た道を帰ろうとすると頭痛が起き倒れ、海を泳ごうとすると気を失い溺死、崖を登ろうとすると途中で気を失い転落死。一年が30分で過ぎていく異常なビーチでどうなる、という話。
変わった設定の恐怖映画だった。
最後に種明かしが有るが、そのビーチでに行った家族には何らかの持病がある、というところがポイントで、なるほどと思った。
時間よ止まれぇ
1日が一生の速度で進む謎のビーチに来てしまった家族たちの話。
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時間の流れるスピードが早かったらというシュミレーションを見てるような感じで何も考えなければ結構面白い。キズができたらすぐ治り、手術は困難だけど病気の進行は早い、骨折すると変な位置で治る。
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これらを上手く利用してハラハラドキドキさせてくれるのが面白かった。こういうスリラーは粗探しして、ツッコミどころ探しちゃダメ!
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このビーチに一行が来てからは、映画が進むのが怖いという不思議な感覚に襲われる。登場人物達が老いていくのを見ていると、時間の経過がすごく怖い。映画を出た頃にはきっと2時間分老けてしまった、、そう思っているこの瞬間にも時間が進んでいる、、ってトボトボ帰ることになるでしょう(笑).
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個人的に好きなシーンはお父さんが成長した息子に女性との関係を注意するところ。「優しく話しかけろ!」と言っていたり今っぽいお父さんで良かった。後はやっぱりアルツハイマーじじいが良かったすねぇ。
名前と職業は?一生に一度の体験
夏だ!映画だ!シャマランだ!冒頭から問題のビーチに行くまでのパートが比較的定点での撮影や流れるようなスムーズな移動を伴う静かなショットの連続だったのに対し、いざ"それ"が始まってからはまさしく目眩のしそうな怒涛のカメラワークを堪能できる。酔いそうなほど動き回ったり文字通りグルっと回ったり、またその回っているときに変化を描くことで観客にも作中での時間経過を感じさせるなど、不和・時間の歪みを演出する見せ方の上手さが光る。薄気味悪さ(ex.テントから出てくるアレックス・ウルフ)や残酷さなど随所でしっかりと作品を形作るクセがある。終盤のネタバラシパートになるとやはり芳ばしさもあった(ex.『ザ・ハント』)。ヒッチコックがサスペンスの神様ならば今日における"スリラーの神様"?ヒッチコックといったらドリーズーム通称めまいショットも見られる。
光陰矢の如し。今回もオリジナリティがすごくシャマランはシャマランでしかなかった、こんな監督そうそういるものじゃない。昨今のヒーロー映画ブームに一石投じるようなアンブレイカブル(ガラス?)・ユニバースを『Glass ミスター・ガラス』で閉じたシャマラン、コロナ禍で製作された新作!彼が今回挑んだのは子供たちに渡されたらしいグラフィックノベル Sandcastle に着想を得て、私達が日頃生きてく中でふとした時に感じる"時の速さ"。子供の成長は一瞬だとか(週末も?)、それはかけがえのないものほどそうで、だから残酷に引きずるし、興味の尽きないアイデアの宝庫にも身近さを感じ取れる。ガエル・ガルシア・ベルナルを座長とした多国籍キャスト。とりわけ息子役はシャマランが自身を投影しているのかなんて勘繰ってしまった。本編前にはシャマラン自身による、コロナ禍における劇場体験の素晴らしさを説くアツいメッセージもあった。ちなみに、もちろん本作でもシャマラン自身が出演しているので、シャマランシャマラン尽くし。
今をもっと大切に生きようと思いました、と小学生の感想文みたいな締めで。
2級(2流)の上
怖い話や
【"時の流れに身を任せ・・てられないよ!"心と身体の悩みを抱えた様々な人達が、リゾート地の秘密のビーチで経験した事。】
- M.ナイト・シャマラン監督は、「スプリット」(解離性同一性障害の23人格を持つケビンを演じたジェームズ・マカヴォイの怪演は忘れ難い。)以降、徐々に復活して来たと思う。
M.ナイト・シャマラン拘りの、脚本・製作も全て自分で行うスタイルも、変えていない。
何より、お得意の不条理極まりない世界観が、今作品では、見事に表現されているからだ。-
◆感想
1.登場人物の設定の巧さ
・離婚間際の未来を見る夫と過去を見る妻。そして、幼い11歳の娘マドックスと6歳の息子トレント。
”最後の家族旅行”として、”ウォーレン製薬会社”系列の高級リゾートホテルにやって来る。
- 娘と息子は当たり前だが、両親の血を引いている。これが、ラストに効いている。
そして、物語のキーをさり気なく夫婦間の会話に差し挟んでいる。ー
・精神的に不安定な外科医と外見を気にする妻。
・外科医は"ジャックニコルソンとマーロン・ブランドが競演した映画のタイトルが、思い出せない・・"と矢鱈に口にする。
- ”「ミズーリ・ブレイク」だよ! ン?、もしかして・・。一人ずつ、始末されていく映画だったよなあ。”
妻は自慢の美貌がドンドン・・。怖いなあ・・。-
・てんかん持ちの妻と夫
ー ここも、序盤、ホテルで発作を起こした妻に与えられたクスリのシーンが、効いてきます。ー
2.舞台設定の巧さ
・高級ホテルではなく、”秘密のビーチですよ・・。貴方たちが”好き”になったので、特別に教えます・・。とホテルの経営者らしき男が爽やかな笑みを浮かべ、数家族を誘う。
ー ビーチへのドライバーは、勿論、自作出たがり監督で有名な M.ナイト・シャマランである。ー
・秘密のビーチの絶妙なロケーション。背面切り立った赤茶けた断崖。
正面は入江だが、ビーチは狭く戻る道は、来た道だけである。だが、ドライバーはサッサと帰っている。電波は、届かない。孤立無援の場所である。
ー ホテルから提供されたかなり多めの食事パックの意味・・。崖の割れ目から抜け出そうとすると、激しい頭蓋骨内部からの圧が・・。ー
3.鮮やかな結末
・高級リゾートホテルで、トレントが友達になった、少年からの絵文字手紙に書いてあったこと。
”おじさんは、サンゴ礁が嫌いです・・。”
ー 最早、中年後期になったマドックスとトレントの決死の脱出劇・・。ー
<オリジナル映画製作に拘るM.ナイト・シャマラン監督が、”タイム・スリラー”に取り組み、ラストも見事に決まった作品。
今までと少し違うのは、ラストに”スカッとする”ところかなあ・・。>
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