3つの鍵のレビュー・感想・評価
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あらゆる世代を網羅した物語構造
あらゆる物語の構造はどこか建築物とよく似ているものだが、複数の家族が登場するこの映画は、さながら彼らの暮らす住居そのままに”集合住宅”然とした作品と言えそうだ。はじまりは夜間に起こったひとつの衝突事故。でもそこからお互いの家族が密に絡まり合うというよりは、むしろ3つの家族のオムニバスのように話は展開していく。その登場人物を紐解くと、生まれたばかりの赤ん坊から高齢の夫婦に至るまであらゆる年代が満遍なく散りばめられていることがわかる。その上、物語もクロニクル的に進んでいき、子供から青年へ、若者から中年へ、中年から高齢者へと各々が一つ階段を登っていく姿に、なんとも言えない時の儚さを感じたり、はたまた彼らの成長が愛おしく思えたり。中盤のスキャンダルをいかに受け止めるかで評価は大きく変わりそうだが、個々の集積によって「人生」を浮かび上がらせる構造には見応えを感じるし、ラストの余韻も上質な香りがする。
最後の最後まで見せるのだが
いろんな人たちを描いても、ごたつかずにみんな同じくらいに気になるものすごい上手い進め方なのに、最後の最後は腑に落ちないかな。監督はずっと全員に同じ愛情を注いでたのに、ダンスはドーラにしか関わってなくない?突飛な物を取り出すにしてもせめて全家族に関わるものにすればよかったのに。これでちょっと温度がさがってしまったけどまあ素晴らしい映画でした。登場人物がいけ好かないのはあるけど、それも含めて良い映画。キホン誰にも感情移入できないけどルーチョよ、お前のっぴきならない事情みたいに子供預けたけどジム行ってただけじゃん。みんな心に病を抱えた人たちだったけどコイツが一番重症かも。あとアンドレア、どれだけ酷い虐待を受けたかと思ったら、ただの厳密な父親と過保護過ぎる母親、こんなの世界にはいて捨てるほどいるよー、刑期終えても大人になっても全然成長しない。こういうヤツほんと困る。という鼻持ちならないヤツばかり描いてるのに見せるのはさすがですモレッティ監督。
騒動ばかりのアパート
マルゲリータブイ扮するアパートの3階に住む裁判官ドーラの息子アンドレアが酒酔い運転で事故を起こし女性が亡くなってしまった。
アパートに住んだ事があるのは学生時代だったからアパート暮らしの様子は余り分からないけど、東京では隣近所は全くかまわなかったな。今回のアパートでも挨拶する程度じゃないかな。娘を預けられた老人がボケ老人だったから災難だったね。普通ではボケてるかどうかは分からんもんね。娘を預けといて怒る父親も勝手だな。 酒酔い運転で人を殺して裁判官の親に乱暴する息子もなんともならんし、兄を憎む弟やらまあ世間はいろんな人がいるからさ。それにしても騒動ばかりのアパートだ。映画としては良く描かれていたよ。
報い
原作はイスラエル人小説家エシュコル・ネヴォの『三階』(未読)で、欧米ではベストセラーにもなっているらしい。ナンニ・モレッテイ初のナットオリジナル脚本と聞いて観てみた、ローマにある同じアパートに住む3組の中流家庭を描いたヒューマンドラマである。モレッティ曰く「この映画は、私たちの家庭の壁の外に存在する外の世界へ、心を開くよう誘っているのです」だそうで、おそらくコロナ禍等の影響により外界コミュニティとの関係が希薄となったローマ人たちの心の扉を開くために撮られた作品であろう。
映画冒頭、3階に住む裁判官(モレッティ本人)家族の酒に酔ったバカ息子の運転する車が、アパート1階の壁に突っ込み開けた“大穴”。それがモレッティのいう、外界に通じる“抜け穴”だったのか、それとも外からはまったくわからなかった住民たちの生活を露出させるための“のぞき穴”だったのか。監督はこの大穴を前者のメタファーとして演出しているが、どうもイスラエル人作家による原作小説は、後者的意味合いの強い暗いトーンで終わっているらしい。
小学校に通う娘が、シッター代わりに預けていた隣のボケ老人にイタズラされたのではないか、という猜疑心に苛まれる自営業のルーチョ(リッカルド・スカマルチョ)。亭主が出張で留守がちなため、産後うつにかかり母親と同じ幻覚を見はじめるモニカ(アルバ・ロルバケル)。裁判官の夫と死別、事件を起こした息子とも絶縁状態の元検事妻ドーラ(マルゲリータ・ブイ)は、夫の声で吹き込まれた留守番電話に孤独な心情を打ち明ける。
舞台をテルアビブからローマに移し変えたこの映画、登場人物の誰も彼もがみな、強迫神経症にかかった病み人たちなのである。外交的で楽天的な国民性で知られる南イタリア人に相応しいキャラとはとても思えないこの3人、四方をイスラム国家に囲まれて、いつ核ミサイルをぶちこまれてもおかしくはないイスラエルだからこそ成立するお話のような気がするのだ。バカ息子が車であけた大穴も、ハマスのミサイル攻撃を予感させる紛争真っ只中のテルアビブだからこそ現実味がより増してくるにちがいない。
ルーチョは娘にされたと思った淫行罪でその孫娘に訴えられ、検事妻ドーラは夫と共に絶縁した息子からも「そばによるな」と突き放される。そして、うつを発症したモニカのストーリーがこれまた実に救いのないサッドエンディング。二人目の赤ん坊を出産後失踪したモニカはともかく、その○○を娘のベアトリーチェも見てしまうという、母娘3代にわたって呪われた宿命を背負い続けるのである。これはもうガザ虐殺の報復に怯え続けるユダヤ人のお話としか思えない終わり方なのだ。
【”この映画のテーマの一つは親である事の難しさです。”とナンニ・モレッティ監督は言った。三家族の運命が交錯する群像劇。思わず頭の中で相関図を作り上げてしまった作品でもある。】
■ローマの高級低層階のアパートに住む余り接点の無かった3家族が、裁判官夫婦の息子アンドレアが起こしたある事故を機に変わっていく姿を描き出す。
もろく傷つきやすい人間たちが、苦しみの末に手にした人生を開く“鍵”とは何かを問いかける。
◆感想
・三家族に次々に起こる出来事。息子の交通事故、妻の出産、夫の気の迷いによる浮気。
それらの出来事が、5年、10年後まで描かれるので、脳内フル回転で鑑賞。
・裁判官のヴィットリオ(ナンニ・モレッティ)とドーラ(マルゲリータ・ブイ)の息子アンドレア(アレッサンドロ・スペルドゥーティ)は自動車事故を起こし、一階のルーチョ(リッカルド・スカマルチョ)とサラ(エレナ・リエッティ)の家に突っ込んでしまうが、それをきっかけにヴィットリオとドーラ夫婦と息子アンドレアの関係は悪化し、息子は刑務所へ。
ー その後、10年経って彼らの関係性は良好に向かう。-
・ルーチョは彼に憧れていたシャルロット(デニーズ・タントゥッチ)に誘惑されて抱いてしまうが、その後彼女に告訴されたり・・。
ー 二人の関係も時が過ぎるうちに、良好な方向へ変わって行く。-
<夫々の苦悩と葛藤を細かく捉えたドラマは、5年後、10年後の彼らを追い、彼らが自分の行動とどう向き合い、家族関係がどのように変化して行ったかを描く。
子供達は、親の想像を超え、成長していく。
そこに今作の希望の光を見出した作品である。>
3組の家族の人間模様、なかなかおもしろかった。 酒気帯び運転で女性...
3組の家族の人間模様、なかなかおもしろかった。
酒気帯び運転で女性をひき殺したにも関わらず、全く反省する様子もなく、裁判官の親に証拠隠滅を頼み、撥ねつけられると逆切れ暴行し、さらにケンカをして逮捕されてしまう男。
どうしようもないクズだが、出所後は更生したようでよかった。
7歳の娘が老人男性から性的暴行を受けたのではないかと疑い、老人男性を暴行する男。
さらに老人男性の孫娘に誘惑され、抱いてしまうという失態。
孫娘は自分から誘惑したにも関わらず、2度目の行為を拒絶されると男を訴えるという悪質さ。
しかし、控訴を断念したのは賢明。
また、生まれたばかりの赤ん坊を放置して家出する女など、問題のある人間が次々に登場し、色々とツッコミながら観賞させてもらった。
ハチミツを1歳未満の子に与えてはいけないと伝えたかった。
それぞれ精神的な悩みを抱えた3家族のストーリーが3路線で交互に展開される。
交互展開のリズムは面白いが、これといった交差点もなく、単に3つの話という感じである。
良い点
とくになし
悪い点
・やや集中力を要する
切なくて哀しい家族とご近所
イタリアによくある集合住宅の4世帯の家族がそれぞれの内部に抱えた問題と、少しずつ重なるご近所との関係を描いた切なくて哀しい物語だが、ナンニ・モレッティ監督の映画には、よく分かるという気持ちと、どこか中途半端で物足りないモヤモヤ感がいつも残る。派手なドタバタで荒唐無稽な映画もイヤなのだが、日常の機微を描いているようで、どこか空虚な感じもするのだ。つまり好きな監督(役者としてはいつもイマイチだし)ではないのだが、彼の作品のほとんどを見ているのだから、実は好きなのかもしれない。
10年
3つの家族の、10年に及ぶ不和と諍いと和解の物語。
日本人的な感覚からするとみんな勝手過ぎると感じるが、イタリア人はこんなものなのかな?
その辺りはアジャストして観る必要があるが、割とよくありそうな問題が和解に至ることの困難さを見せてくれる。
普通の家族だが、奥深い
【鑑賞のきっかけ】
このところ、エンタメ系娯楽作の鑑賞が続いていたので、じっくり人間ドラマを楽しみたくなり、チョイスしたのが、本作品でした。
【率直な感想】
<3つの家族の物語>
家族をテーマにした作品は、昔からありますが、新しいところで印象的なのは、「万引家族」(是枝裕和監督)と「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)の2作品でしょうか。
これらの作品は、ひとつの家族に焦点を描いていますが、本作品は、ひとつの共同住宅(アパート)に暮らす3つの家族を描いています。
前記2作品との大きな違いは、前記2作品は、「とても個性的な家族」であるのに対し、本作品の3家族は、いずれも、「ごく普通の家族」であるということ。
<3家族の構成>
一番目の家族は、父母と息子の3人家族。ある日、息子が自ら運転する自動車で女性を轢いて、死亡させてしまう…。
二番目の家族。夫が仕事で長期間の出張で家を空けている時、妻が陣痛を起こし、娘を出産。たった一人での育児に不安を感じ始める…。
三番目の家族。父母と幼い娘の3人家族。娘を向かいの部屋の老夫婦に預けていたら、娘が老夫婦の夫と迷子になり、無事発見されたが、父は、老夫婦の夫が娘に悪さをしたと疑念を抱いてしまい…。
舞台は、ローマということで、イタリアの話なのですが、どの家族も、子どもがいても、基本一人っ子というところが、今の日本と全く同じで、これを日本の世帯向けマンションに住む3つの家族と置き換えても、違和感なくお話として成立するように思えました。
また、この3つの家族の物語は、それぞれがどこかで交錯するのですが、深い関係ではなく、ご近所さんとして、挨拶くらいはするけれど、それほど深入りする訳でもない、という今の日本の近所づきあいと同じで、この辺りも違和感がありません。
<物語の展開>
それぞれの家族の転機となったことを記載しましたが、その後の展開はネタバレになるので記載はしません。
ただ、気をてらったものはなく、「こういうことってあってもおかしくないな」という展開であるものの、私はそこにこの作品の質の良さを感じました。
3つの家族はそれぞれ、「特別に幸福な訳でもない。だけど、特別に不幸という訳でもない」そんな家族なのです。
だから、それぞれの登場人物に対し、自分だったら、どのように考えて、どのように行動するだろう、と感情移入しながら鑑賞できます。
その点がこの作品で一番評価したいところです。
<ラスト近くで>
3つの家族の接点は希薄と書いたとおり、3つの家族が一緒の画面に映るシーンは基本的にはないのですが、一箇所だけ、ラスト近くで、住んでいるアパートの前の道路で、あるパフォーマンスが繰り広げられているのを知って、3つの家族のすべてではないですが各家族最低1人が、玄関を出た場所で、横に並んで、そのパフォーマンスを一緒に眺めるシーンがあります。
この時、それぞれが、とても幸福な顔をしていたのが印象的でした。
そして、その後、物語は、それぞれの家族が、それぞれの道を歩んでいくシーンで終了します。
それは、特別にハッピー・エンドというほどでもないが、ある種の希望のようなものが感じられるものでした。
この絶妙なバランスが素晴しい出来栄えと感じました。
【全体評価】
家族を中心とした人間ドラマに制作するなら、こういう風に演出するのだよ、というお手本のような作品でした。
ただ、上映館が少なく、私は、たまたま電車で1時間くらいのところで上映していたので、劇場鑑賞できたのですが、もっと上映館を増やして多くの方に鑑賞していただきたいな、と感じさせる作品でした。
色んな出来事が詰まった2時間
自動車がアパートに突っ込む衝撃の場面から始まり、色んな出来事がそれぞれの家族に巻き起こる。
家族のいぞこざや、他人とのいざこざや、色々あるよね。。見終わった後味は悪くない。人生、色々あるけど、そんなに悪くもないと思いたい。
自分を見失う。
誰かに寄り添うとか、誰かを信じるとか。。
何を根拠に出来るのか、家族さえ見失うというのに。。
誰も責める必要のない話。
それぞれが、今不安に思っていることを追求するのは誰かを思ってだし。。
子供だから、許されることでもないよな。。
等と思いながらも、自制心はないのか?と、思ったり。
でも、だからこそ何度でも生きなおせる。
自分の人生だからこそ、自分の味方でありたいな。
周りの方、お眠りの方多し😅
親愛なる日記と、併せて本日は堪能致しました。
劇映画的。時間の流れが結構あるのが、人生には救いがあることを感じ...
劇映画的。時間の流れが結構あるのが、人生には救いがあることを感じる。
優れた文学を読んでるような歓びがあると同時に、結局時間の流れの中で、人生と同じように、浮かび上がらせるものもあれば曖昧なまま置いていくものもあり、とはいえ、やはりかなり中途半端な映画だ。
それぞれの道
イタリアのとあるアパートで暮らす3家族の悩める人生を描いた作品。
とりあえず顔と名前を知っている程度の間柄で、皆独自の問題を抱えながら過ごしている様子。
3家族とも偏り過ぎずバランスよく描かれている様子だが、3つの物語が上手い事リンクしているのかと思いきや、粗それぞれ独立したストーリーみたいですね。
皆が抱える問題は、大きいものの、誰もが抱え得るありふれたものでもありますね。
心配性、妄想癖、病気、親子の過干渉、不倫・・・。
客観的な目で見れば、登場人物は皆かなりクセがあり、滅茶苦茶なことを言っていたり、ふざけてるなぁ・・・と思いつつ、案外皆ワタクシ自身に重なる部分もあり、中々のめり込めさせられる展開。
その他、各家族の抱える問題の原因は何なのか?公園ではいったい何が起きたのか?
・・・等々の謎がどう展開していくのかという点も非常に気になる。
当時こそは躍起になっていたものの、時間が経つにつれ知るのが怖くもなっていたのかな。10年経ってようやく聞けた真実に、観ているこちらも少し目頭が熱くなった。
で、こっちの家族は結局どうなったのか。最後観たのは幻!?
さらに、こっちの家族は、結局良い感じになったの?だとしたらきっかけは??
でも、度々電話するシーンは個人的にすきだったかな。
結論から言って、一番気になっていた部分はハッキリしたけど、その他あやふやなままだったことも多かったし、煮え切り切らない感じは否めない。
それでも、ちょっとした選択で狂う暮らしや、誰でも陥る可能性のある闇、そして少しずつ明るい方向へ進む人々の姿に胸が熱くなった。
まさに、人々の日常、人生を描いた名作といった感じだった。
ワタクシも今の部屋に住んで、幾度の更新を迎えたものの、隣人の顔は一切知らず。。
きっと皆人に言えない悩みを抱えて生きているのだろうなぁ。なんて思いを馳せてみたりした。
イタリア映画は数が少ないので比較が困難だけど…。
今年282本目(合計557本目/今月(2022年9月度)25本目)。
いつもはアジア映画を多く流すシネマートさんで鑑賞。
シネマートさんでは「きわめてときどき」英語による映画がありますが(それでも、韓国・中国(台湾)がメイン)、フランスはおろかイタリア映画は知る限り初めてかなぁという印象です。
※ 大阪市では、フランス・イタリア映画をメインに扱っていたテアトル梅田さんが9月末で終わりになりますので、ミニシアターどうしの配分などもあるのかもしれませんね。
さて、こちら。
映画を見る限り「3つの家族」ないし「3つの部屋」程度にしか思えないのですが、「鍵」はちゃんと最後あたりに出ます。ただ、物体としての「鍵」というより、「閉ざされていた自分を解き放って未来へ進む」という趣旨のメタファーではないかな…と強く思いました。フランス映画は独特の余韻が好まれますが、イタリア映画は数が少ないので評価が難しいですね…。
とはいっても、シャルロットさんは…。この人、まぁ趣旨は理解できるし彼女の主張も理解はできるけど、ここまで複雑な状況をさらにかき回してどうするんでしょう…。
採点に関しては気になった点は下記です。
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(減点0.3) この映画はイタリア映画です。リアル世界では法の成り立ち、分類というと「大陸系」という考え方(フランス・ドイツなどで発達した)と「英米系」という考え方(アメリカ、イギリス)があり、日本はその両方を取り入れた「折衷型」になっています。よって、海外映画で多少にも法律ネタが出る場合、(よほど詳しくない限り)日本の法律基準で見るしかなくなります。
ただそうすると、訴訟には一般には民事訴訟と刑事訴訟がある(行政訴訟は特別な扱い)ものの、刑事訴訟の中で民事訴訟の話をするような字幕が出てきたり、一部混乱させる要素があります(まぁ、裁判制度は国によって多少違いますので…)。
※ 行政訴訟は、行政事件訴訟法が適用されますが、本質的には民事訴訟です(同法で、規定がない点は民事訴訟の例による、という一文があります)。ただ、「人(団体) vs 行政」という「力関係が違いすぎる」という事情もあり、「行政事件訴訟法」での扱いになるわけです(その意味では3類型あります)。
しかもこの映画、「裁判の話」は一定の割合でウェイトがあるので、何がなんだかわからない部分もあり、最悪「それら法律ワード」は飛ばしたほうが良くなってしまいますが、そうすると、「シャルロットさんの大人の営みのシーン」のウェイトが増えてしまうので、どうかなぁ…という部分はあります。
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イタリア人は謝らない恕さない。
カトリックの国なのに恕さない。
赦されなくても謝ることをしない国民か?
高級アパートメントのワンフロアに住むとこんなにも無慈悲でエゴの強い人になってしまうのか。
曖昧なラストではあるが、
最後は謝ることの優しさを、
恕することの勇気に気づく。
そのためにはどれだけの月日と
不運の生贄が必要なのか。
嗚呼、それにしても何時も翻弄されるのは、
女性なのかと疑問が湧く 🙇♂️
時間軸があまりぶれないけど…
時間が戻ることなく、5年を境に物語は進む。同じマンションに住む老若男女の話。
親に反抗的な息子、隣の既婚デザイナー❔に身を捧げた未成年女性、その未成年女性のおじいさんはボケて既婚デザイナーの娘と行方不明になるなど、都会ではあり得る話が、それ以外の人々も巻き込みながら淡々と進んでいく。最後にはどの家族も上手くまとまったような、まとまらなかったような後は自分で想像してねーと言った感じでした。
上手に平行で進む群像劇
ひとつひとつのエピソードは、何処かでありがちな家族の物語で、特に目新しくはなかったけれど、上手に群像劇を成り立たせていたと思う。
好きな場面はアルゼンチンタンゴの祭りのシーン。もともと官能的なダンスだけど、外で一般の人たちが踊るというのもなかなか乙!
お母さんの新しいワンピース姿も、晴れ晴れと颯爽として良かったな。裁判官という職業を持ちながらも、家庭では自立できていなかったのね。
惜しかったところは、随所小さいことはあったけれども、1番は5年10年と経つのに大人が全く老けていなかったこと。子供たちは成長して違う役者を使ったりしてるのに。白髪一本も増えてないのかーい、みたいな。メイクで老け顔作らなくても、せめて髪型変えるとか服装変えるとか、何かしらして欲しかった。
スタッフの皆さんは多大な時間と労力を使って映画制作してると思うので、小さいことはケチつけないで楽しませて貰おうと心掛けているのだけど。折角の作品が色褪せてしまう演出もあるので、ほんと勿体無いなと思ってしまう。
今上映中の「靴ひものランド」にも、アルバ・ロルバケルが出演しているけれど、最近彼女の存在感が増してきてるように思う。こちらはちょっと行き過ぎた面もあるけれど、ヒリヒリする迫力のある映画だった。
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