TITANE チタンのレビュー・感想・評価
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ジュリア・デュクルノー監督の前作をまだ見ていないので、これが同監督...
ジュリア・デュクルノー監督の前作をまだ見ていないので、これが同監督作品の初鑑賞となった。なかなかすごい監督だ。世間では歪んだ欲望として切り捨てられてしまいそうなものを、堂々と描ける胆力があるようだ。欲望を人間にとって重要なものと捉えているように思うし、欲望のあり方は千差万別であり、その中には多くの人が眉をひそめるものもある、それでも欲望は大事だと言えるタイプの監督に見える。こういう監督が新しく出てきたことは大変に心強く思う。
チタンを頭に埋め込んだことをきっかけに車に執着する。車と性的に交わるというユニークなシチュエーションが描かれるのだけど、女性でそういう欲望が描かれるのはこれまで見たことなかった。たまに男性ではそういう人がいることがニュースになっているが、これを女性主人公で描いたのは画期的ではないだろうか。
深読みなんて蹴散らすデタラメ上等の暴走パワー
主人公の女性が持つ身体への違和感、マスキュリニティに振る舞わされる男のエゴなど、多層的なテーマに直結しそうな要素はいくつでも読み取れる。しかし、この映画の面白さは、そういった解釈だけでは手が届かないところにあるように思う。絶対に先読みできないでしょうという作り手に意外性競争に参加させられるような強引さはあるにせよ、「なんだこりゃ!?」を連発しまくるストーリーも映像もキャラクターたちの過剰な造形も、すべてがいちいち面白い。合う合わないはあるでしょうし、不快という人もいるでしょうが、このイカれた物語にこの音楽を乗せてくるのか!と唸らされるユーモアに満ちたセンスの良さも含めて、なんかわからんけど最後までどの料理も美味しかったです!と帰り際にシェフである監督にアタマを下げたくなるような、珍味のフルコースみたいな快作でした。
幼い頃の事故から車と恋に落ちた女性の狂気的な行方が、ある出会いでより想定外になっていく不思議な映画
第74回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた作品と知った上で本作を見ると驚く人が多いかもしれない。序盤のイメージは妖艶ながらも、恐ろしくて痛いシーンが続き、見る側は早い段階で予想を裏切られたような気分になり、展開も含めて謎だらけで、最後まで見届けるしかない映画でもある。風変わりな作品のため、怪作が苦手な人なら途中で退席してしまうかもしれない。
父親が運転する車の後部座席で、エンジンの音に合わせて唸る少女(アレクシア)の冒頭シーンから、既に独特な雰囲気を醸し出していた。アレクシアは父親に注意されても止めようとしない。「彼女は車と会話でもしているのだろうか?」と感じた瞬間、交通事故に遭ってしまう。この序盤の少女の時のエピソードから、話はどんどんエスカレートしていく。
アレクシアは事故の治療で、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれる。
この先の大人になってからのアレクシアについては、常識を軽々と超えるような展開になり、時には痛々しい描写もあり、本作を見る際には「目を背けない」という覚悟が必要になってくる。
とは言え、後半の孤独な高齢の消防士との奇妙な共同生活から何かが変わっていき、アレクシアの底力と生きることへの執着心が、見る側の心に突き刺さっていくと私は感じた。
ラストの結末も想像を絶するもので、これがカンヌ国際映画祭で最高賞を受賞するというのもカンヌの懐の深さのようなものを感じる。
恐らく見る者によって感想は全く異なるであろう衝撃作。私はこの独自性を評価したい。
やっぱり“愛”が好きなフランス。メタバース時代の「愛のかたち」も予感させる
カンヌでパルムドールを獲得したフランス映画の本作。デヴィッド・クローネンバーグ監督が自動車事故に性的興奮を覚える女性を描いた「クラッシュ」との類似点を挙げる声が多く、クローネンバーグ好きな評者も確かにそう感じるが、思えば「クラッシュ」もカンヌで審査員特別賞を受賞したし、他の5作が最高賞の候補になり、さらには審査委員長も務めるなど、かの鬼才はカンヌに、さらに言えばカンヌが象徴するフランス文化的価値観に愛された監督でもあった。
根拠の弱い憶測になるが、フランス文化圏では20世紀中盤頃までに旧来の男女の愛をあらかた語り尽くしたと感じたのではないか(もちろん同性愛を描く作品も以前からあったにせよ)。そして、80年代以降に愛と性に関する価値観が多様化したことと、異形の者への偏愛と人体改変・破壊への執着(広い意味でマイノリティと言える)を描くクローネンバーグ作品が時代的にマッチしたのでは、と思うのだ。
さて本作「TITANE チタン」は、幼少期に車の事故による怪我で頭にチタンプレートを埋め込まれ、成長したのち車と“愛を交わす”ようになる女性の話。カンヌは若い女性同士の性愛を描いた仏映画「アデル、ブルーは熱い色」にも2013年にパルムドールを授けたが、「TITANE」もやはり旧来の枠にはまらない愛を描いている点で共通する。マイナーなセクシュアリティが繰り返し描かれ、また支持されるのは、もちろん物珍しさからではなく、知らなかった愛の形を映画で疑似体験することにより、愛とは何だろう、さらには人の性、生とは何だろうという根源的な問いの答えを求めようとするからではないか。
愛と疑似体験に関して話を別の方向に転じると、他者のlife(生活、人生)を疑似体験できるメディアとして映画は現在まあまあポピュラーな選択肢だが、仮想空間のアバターで何者にもなれるメタバースが今後普及すれば、体験の面では映画を超えるメディアになる可能性が高い。そこでは性自認と異なる性のキャラクターにもなれるし、人間以外の動物、異星人、そしてもちろん機械との恋愛だって自由だ。
前に「フリー・ガイ」のレビューで、続編の筋の妄想として、ゲーム世界で「各キャラクターのコードをDNAに見立ててカップルで組み合わせ、自分たちの子のコードを書いて誕生させる」ことが実現すると書いたが、同じことは将来のメタバースでも実現可能だろう。メタバース内のオプションサービスとして、愛し合う2人の両アバターのコードを組み合わせて「子供」を作る、気に入ったマシンとのハイブリッド(混血)の子を創造する、というのだってあり得る。それはもはや疑似ですらなく、リアルな体験なのかもしれない。そんなことを考えると「TITANE」は、そうした将来のメタバースにおける「愛のかたち」を予見しているような気もしてくるのだ。
人生でなかなか出合えないレベルの変態映画
いやー凄かった。ぐったり疲れた。本物の変態監督が作った変態映画です。痛いのキラいな人は止めた方がいい。でも、痛いの大丈夫な人は、何も情報入れずに見て下さい。私は、最初っから最後まで口開きっぱなしで見てましたもん。「クリスティーン」とか「鉄男」思い出しながらね。
それにしても、これにパルムドールを与えるカンヌはカッコいいし、映画もパルムドールの資格が十二分にあるし、アカデミー賞が国際長編映画賞候補から外したのもよく分かるし。とにかく、人生でなかなか出合えないレベルの一本です。個人的に、サンタナの「シーズノットゼア」とか、「マカレナ」の楽曲シーンで大爆笑。
映画全作品と比べても似た映画がほぼ無いです👹
まあクラッシュがかろうじて近いし
中の人ってクローネンバーグでしょってくらいそっちな監督ですね💥しかしこんな内容は普通に考えて思いつかないでしょ🫶🏻
ある意味天才というか変態というか変態天才だね☺️
頭にチタン入れて殺人鬼になって車と〇〇〇して妊娠してステロイド筋肉消防士の息子になるって発想とかマジでキチ〇〇でしょ🤐(知り合いにチタンの内容を説明したら またまた🤪何言ってんの?って半笑いでバカにされましたが 正確に内容言ってるのにね🥺)それでまだ半分くらいって☠️
先の読めなさで言うと最初から最後まで一切展開が読めないし😵この作品よりわからない作品無いです😵💫
ちなみにミニシアターが珍しいくらい混んでましたよ😵
最後は感動しましたよ🥹(何故感動したのか理解不能🙃)
『ハイ忘れてましたフランス映画は素晴らしいです』
事ある毎にフランス映画に嫌われてると嘆いてたマ王だけど、よくよく整理すると「TITANE チタン」と「恐怖の報酬」はフランス映画だったのよ💦
観た時の感動をすっかり忘れてたのは映画人生に於いての痛恨の極みである😖
先日の「屋敷女」の鑑賞の後「あれ?もしかしてフランス映画じゃね?」と不意に思い出したので勢いで「TITANE チタン」のレビューを書いておこうというノリですわ😁
その残虐性、異常性共に群を抜いてる映画「TITANE チタン」😶
エログロのジャンルだけどグロよりもエロに力が入ってるし、エロの描写だって常人では理解出来ない狂気のエロである🥸
なのに物語は悲しい🥲
救われない孤独な女性が世界を拒絶するかの行動を取り続けるトコは大切な風船を割られた気分になり、切ない😫
また逃げる選択に縋り続ける姿が喜劇とも悲劇とも思えたのはマ王だけか🤔
難解な映画で解釈も人それぞれだとは思うし賛否が真っ二つに分かれる作品だと感じたが、マ王は賛の方に傾きました✨
こういう映画には滅多に出会えません😶
チャンネルが違うと露悪的な映画と判断されがちかもだけど、ちゃんと周波数が合えば気持ちに刺さる映画なのよ👍
でも子供は観ちゃダメだし、大人もちゃんと自分の感情に責任の取れる立場(若しくは年齢)になるまで控えた方がいい作品です🤗
あと普段から、Hな事にはあまり興味が薄いかも、と自覚がある人は鑑賞を止めるのをオススメします😅
過激な部類ではなく異常な方面ですので💦
フランス映画にしては解り易い内容、それに暴力シーンと狂ったエロスが散りばめられた本作😐
マ王唯一の騙されなかったフランス映画なので点数も甘いです(嬉しくて)
でも描写はイってる映画なので(内容は更に常識外)耐性のある変態さん御用達と思って下さいな🤯
映画館での鑑賞オススメ度★★★★☆
いやぁ~フランス映画って素晴らしい度★★☆☆☆
この手のスイッチが無いとつまらない度★★★★★
思い込みを飛び越える七変化
ついにUネクストにて「チタン」観る。
男女も親子も夫婦も、有機に無機も飛び越える、というか入り乱れるジェンダーレスどころの騒ぎにとどまらない七変化展開。
だが同時に、そうして次々と立場を入れ替え、重ねてもなぜかブレない登場人物らに、
日常、それらカテゴリに縛られた自身の思い込みが無意味にも見えてきたり。
人間や、対象が何であろうと存在そのものに迫ろうとする怪作では。
突き詰めた結果、答えとして全編に存在し続けたのは、様々なカタチの愛なのかもと過る。
一度、書いて投稿し損じ、二度目でしっくりこないまとまりだが、仕方ない。
とにかく聞きしに勝るスゴさだった。
演者陣も、ものすごい。
一番度肝を抜かれたのは、消防自動車の上でのダンスシーンか。
あの状況のあの格好にもかかわらず、冒頭同様のセクシーさが重なってみえた。
つまり格好ではないとするなら、
普段、見ているモノは何なんだ。
何をもってそう感じているか。混乱させられた。
最後までわからなかった。
パルムードールを獲得した作品という事で鑑賞しましたが、自分は映画はただ楽しく観ているだけの消費者でいいなと思いました。
例え仕事でもこの作品を受賞するほど褒めたりそれらしい説明をするのは私には難しい作品でした。
ホラーと心理サスペンスのバカげたハイブリッド映画
自動車と人間のセックスといえば、クローネンバーグ「クラッシュ」が思い当たるが、あれにはテクノロジーの発展により人間の性欲が変化し、自己を害するようになるだろうという原作者バラードの災害の予感が背景にあった。
本作では当たり前のように女性が自動車とセックスして妊娠するというのだから、クラッシュなどよりさらに進んでいる。というよりジャンルが異なると言ったほうがいいか。
クラッシュがテクノロジーの進歩に伴う人間意識の変化を描くことに主眼があるとすれば、本作はもはやホラーである。
しかし、そのホラー要素とは違う意味での人間心理の怖さ(父子関係の不気味さ)を対置して、ホラーと心理サスペンスのハイブリッド映画としたのが本作だろう。
はっきり言って、バカげているしつまらないこと極まりない。時間の無駄だと思った映画は久しぶりだ。
カンヌのパルムドールねえww その程度の賞ということだな。
正直よさがわからない
おかしな映画がパルム・ドールを取ったということで注目しての鑑賞。でも、この作品の良さがよく分からないままに観終わってました。
・上映館が少ないのも納得。少ないといってももっと少ない映画もありますけど、確実に万人受けはしない。人によっては気持ち悪くなるし胸糞要素を感じるだろうな、と。だが、逆にそこの作り方は絶妙でした。
・交通事故での治療で頭にチタンを入れて~とありますが、チタンを入れる前からおかしな女の子でした。チタンを入れて~の意味は絶対にありません。
・エロ要素が、特に前半、結構あります。ただ、一切エロくないです。いちばん重要なところでは超変態でした。その変態行為からとんでもないことが起こります。生命の基本原則を思い切り無視した展開に突入します(笑)。
・アレクシアを見てHIBIKIを想起しました。HIBIKIをエロく変態にして頭のネジを数本抜くとアレクシアになる感じかなあ。
・今思うと、「父と子」がテーマでしたのね。前半が実の「父と娘」後半が偽り(妄想?妄念?)の「「父と息子」。
・BGMは抜群でした。BGMが主で映像が従の関係に思えました。視覚情報は豊富なんですが、感情に訴えるというところではBGMが圧倒します。
・ぶっちゃけ、B級、C級映画です。断言します。
何がどうしてこうなった?
幼少期の怪我でアトミックブロンドやレッドスパローやANA
みたいな舐めた野郎どもをオラオラオラァと粉砕する映画かな
と思ったら
あーこれは生理的に無理です。
キチンとした説明がないので
彼女が垂れ流すものも明確でなく
どうやって車と**して
お腹が出てきてもこれは俺の息子だと言い張る義理のオトンも
意味不明やし
最後の子もナニモンやねん?
どこをどうしたらこんな映画が作れるのか
それはそれで興味わく
30点
2
アップリンク京都 20220428
衝撃の親子愛???
とにかく凄いものを見たとしか言いようがないトンデモ映画には違いない。
エロいというか、グロいというか、えげつないというか、気持ち悪いというか、感動的というか、この見終わった後の感情の持って行きどころに困る、しかし形を変えた、もしかしたらあり得る?親子のお話であった★
パパ
色々した主役の子を完全に喰うパパ最高でした。
パパの最後のセリフを聞くための一時間40分だったと思うほどです!!!!
痛いのもグロいのもエロいのもまあ、あるとは思うけど、結構サクッカラッと痛くてグロくてエロいので、それ以上にパパです!!!!
話は訳わかんないから、説得力ある演技が絶対必要だと思うけど、本当に素晴らしかった!!!パパご!!(名前を存じ上げず、恥ずかしい)
先の読めない中で飽きさせずずっとフルスロットルで進行する力量を感じる作品でした!!!なによりも、パパ!!!
わたしはとても面白かったです。
正直よく分からなかった
こちらの理解力の問題もあるかも知れませんが、メタファーだろうなとは思いつつ、それが何の主張なのか全く分かりませんでした。
最悪なことに、僕が痛い系もかなり苦手としているところから、見てる時間が苦痛で、面白みも感じられなければ、表現されていることをキャッチすることもできませんでした。
ジェンダーを越えた先にある人間の究極の愛を奇想天外な寓話で描き出す衝撃作。
車に性的な愛を感じる女は、男や女を同じ人間として見ることが出来ないが故に、殺人を重ね続ける。やがて車での自慰行為の末に妊娠して、初めて自分のジェンダーに恐怖し始める。逃亡の末に失踪した息子と偽って出会う老境の男。彼は老いに自分の男らしさが無くなって行くのに堪えられず薬を使って抗っている。お互いを偽りながら、遂に女が出産を迎えるが...。女は一体何を産むのか?、そのスリルで映画全体を引っ張っていく中、他者と異質なモノを受け入れてこそ初めて生まれる愛もあるという人間の本質にも迫ったテーマを、対極の無機質なモノから描き出した驚きの力作。
混迷の世紀に救世主誕生譚
聖母マリア
重油の匂い
高校の時、リスペクトする同級生 松山が貸してくれたセックス・ピストルズのNever Mind the Bollocks に針を落とした時の衝撃に似た、ナダル曰くの「逝っちゃってる❗️」感に浸りながら、悪い冗談だよなぁ〜となかった事にしようとしてる還暦オヤジ一匹🤮
いろいろ言うより、エポックなこの映画、先ずは観るのを勧めます😵💫💩
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