「見る映画ではなく、体験する映画です」TITANE チタン グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
見る映画ではなく、体験する映画です
開いた口が塞がらない、というか…
一体何をしてくれちゃったの?
今まであまり味わったことのない複雑で奇妙な感情の余韻がなかなか引かずに困ってます。
「不条理な設定」と「前衛的(アヴァンギャルド)」
そうだ、これだ❗️
昔、安部公房という作家の本を読んだときに、誰かの評論で使われていた言葉です。
まさにこの映画の世界観にも当てはまるように感じます。
(以下、一部ネタバレあります)
チタンを埋め込まれることで、何か異質な脳内作用のスイッチが入ったのか、はっきりとした説明などありません。それでも動機不明の殺人衝動は破滅的で破壊的です。
それでいてサイコな怖さよりも、彼女が抱えている精神的な病理の正体のほうが気になります。
中盤以降は、生命を宿すことから生じる〝有無を言わせない身体的懊悩〟がつまらない理屈で何かを語ろうとする小賢しい試みを蹴散らかしていきます。
筋骨隆々の屈強な男たちに比べて遥かに脆くて弱々しいはずの女。しかし、その女しか持ち得ない〝命そのもの〟を宿し育む肉体。その生命体としての力が真に迫ってきて、とにかく圧倒されました。
見る映画ではなく、体験する映画です。
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サプライズさんのコメント
2022年4月3日
コメントありがとうございます!
分かります笑笑 終わってすぐバックからステッカー取り出して、いいなぁと思いながら少し眺めてましたもん。何やってんだ、自分。と思ってたら、前の方も全く同じことしてました笑