「黒いミルクとマタイ受難曲」TITANE チタン talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
黒いミルクとマタイ受難曲
ヴァンサンは消防士で部隊の隊長、神だ。だから息子は神の子イエス・キリスト。アレクシアがマタイ受難曲と共に生んだ幼な子はイエスで、産婆の役割をした「父」ヴァンサンはヨセフであり、洗礼者ヨハネであり、幼な子を胸に抱くマリアでもある。アレクシアは聖母マリアでありイエスでありマグダラのマリアでもある。すべてを一身に備えていた失われた両性具有への憧れも根底にあるのだろうか?マッチョ的肉体の若い消防士達が男だけで踊り狂う様子は恐怖でもあり子どもっぽくもあり何かが欠けていた。
「クラッシュ」と同じく金属やメタルの冷たい感覚。そして再生と生誕のプロセスは炎と血のイメージで熱くて痛くて不気味で、赤くて黒い。腹部に何かが「居る」のかなという感じから共生の感覚を覚え、一体感に満たされ、胎児がぐるぐる動き出すと「これ」を守るのは自分だ、と思いきや出産は怖い、という妊娠の状態と変化は大変な経験で、忘れたくても身体が覚えてる。怖い映画なのに悲しくもあり幸せで何度も涙が流れたのは「ザ・フライ」以来。見てよかった。
おまけ
パンフレットがエッジ効いててかっこよかった。中身も良かった。
そりゃあ カンヌでグランプリもとるよなって納得できましたよ!
オリジナリティの高さが別次元だし🤯
とんでもないものを見てしまったって感覚が あそこまで強い作品は滅多に無いですから🥶
アレクシアと隊長の間には確かに愛がありましたね。アレクシア、凶悪な殺人者なのに、苦痛に耐えながらもお腹の子にはあいを感じてたね。
あまりに強烈すぎて、なかなかそこまで気がつけなかった。tlismanさんのレビューでキッカされましたよ👍
ステロイドを打って(錠剤よりも効きがよい)、筋トレするとめちゃくちゃパンプアップ(筋肉がパンパン)するんです。最初は、このお父さんは馬鹿なのかなと思っていたんですが、ヨセフとマリアの両性具有と解釈するとスッキリしますね。
今晩は
「サタンタンゴ」に頂いたコメントバックデス。
流石に、腰が抜けそうになりました。でも、今年の正月又見ました(配信で。)
最近だと、フレデリック・ワイズマンの「ボストン市庁舎」がインターミッションがありましたね。
「DAU.退行」も観たかったのですが、物理的に無理でした・・。では。
コメントありがとうございます!
そうなんですよ。でも、私には最高と言える勇気がありませんでした笑 かなり美しく、狂気とともに愛に溢れている映画でしたけどね。