レッド・ロケットのレビュー・感想・評価
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わがままなポルノ男優
現実的にみれば、とてもわがままな主人公ではあります。
どこか憎めないところが、妙にひっかかり観たあとしばらく余韻をひきました。
だれでも自分の才に酔いしれ、その後うまくいかなかったとして
「おれはこんなハズじゃない、これから巻き返してやる」等馬鹿な思い込みから抜け出るのに大変な時期があります。
それこそこの主人公のように、底辺でもがいては人生の苦さに打ちのめされるんでしょう!
だから愛すべき人なんです。わがままサイコー
人タラシだな。
まごう事なきクズ人間だがなんか憎めない主人公。
落ちぶれたポルノスターのマイキーの舌先三寸、綱渡感が凄い。かなりエグい設定だし、わざとあやふやにした結末で地獄車無限ループ決定なのに、なぜか軽やかで希望を感じるのが不思議だ。
要注意監督である。
ドーナツ屋の赤毛の子がRed Rocketという意味なのかなぁ、、と思ったけど、犬のチンコの事らしい。www
なんと「何だ馬鹿野郎」すらない
自分が出演してきたポルノ映画の賞やいいねの数だけが生き甲斐で、家庭を顧みない元ポルノスター。一文なしで転がり込んだ妻と義理の母の家で、二人に嫌われながらも生活するうち、なんと娘といっても良い年齢のテイーンエージャーを彼女にして、その元彼と一悶着、そして結局は・・・・と普通の目線では最悪・最低の人生です。
でも、そこには悲壮感も後ろめたさも何もない。
自動車産業が衰退したテキサスの、しかし明るい陽の光に照らされて、とあることからの開放感に包まれながら、自転車を走らせる主人公の表情の屈託のなさと言ったらどうでしょう!
荒井忠の「なんだ馬鹿野郎」さえない。ただあっけらかんと恥も外聞もなく、「生きてるだけで儲け物」と、生を謳歌する姿がそこにある。そしてそれがまた哀しくもあり、可笑しくもあります。
アメリカの白人社会は既に中間層がなくなり、分断が進んでいると言われて久しいですが、ここで描かれている世界もその一部なのでしょう。ヒラリー対トランプの戦いでヒラリーが行った勝利宣言演説のテレビ音声がこの映画でも流れますが、その後何が起こったのか、そしてそれが何故起こったのか、この映画の物語を見た人には、言わずもがな、それがよくわかるような構成になっているように思いました。
この作品公開後に判明した最近の元大統領逮捕騒ぎ(ポルノ女優との関係の口止め問題)と、どうも話は繋がっているような気がするのは私だけではないでしょう。最低・最悪なのに何故か憎めない。偽悪者かもしれないが偽善者ではない。主人公と元大統領はそんな点で何か繋がっているような気がしてなりませんでした。
"ポン引きヒモ野郎"
主人公のマイキーはいわゆる"スーツケース・ピンプ"とはポルノ業界用語、自分は働かず奥さんをキャバ嬢にアフター場所までついて行き、女遊びと他の娘もキャバ嬢に、風俗よりはマシか、実際にそんな男を知っていたり、色気だけは十分に世間知らずな小娘は性に対して多感な時期、ストロベリーみたいな娘も知っている、そりゃ全て田舎での可能性が高い、日本に住んでいても共感できる、別に戻りたくて戻った訳でも無くすがれる場所が逆戻り、真面目に職探しも、マリファナを売る才能があるし、嫁や姑にも気を使いながら、マイキーのクズっぷりが発揮されたのは竜巻事故にしても轢き逃げする人も多いし、ロニーは可哀想だがバレない可能性に賭けて見事勝利を、黙って家を出れば済む話が、最後の最後で詰めの甘いマイキーの人柄に好感は持てなくても許容範囲内のクズ人間に明るい愛嬌と憎めない人間性!?
最初からマイキーに拒絶反応を示すマリファナ家業の元締めの娘ジューンがブレない態度で潔いナイスキャラ。
考えさせられる何かを深刻に描くよりも明るくPopに映し出すショーン・ベイカーの人物描写も疎かにしない演出が素晴らしい、的外れかもしれないがウェス・アンダーソンやソフィア・コッポラ、ハーモニー・コリンよりも凄いかもしれない、本作を含め鑑賞したショーン・ベイカー監督四作にハズレ無し。
判り易く言えばほぼ「リアリティショー」
私はこの映画レビューを映画.comとFacebookへ投稿していますが、今回もFacebookではあまりウケが良くなさそうな作品です。すみません。
通ぶるつもりはありませんが、この手の作品を喜んで観るタイプはそれなりに映画を掘ってる「ファン」が中心です。なので、私らがもし「面白い映画ありませんか」的な(雑な)質問をされたときに、自分は好きでもまず例には挙げない作品であるとも言えます。
本作、ショーン・ベイカーの新作と言うことで上映前から映画ファンの期待度の高さを感じつつも、やはり商業的には厳しいとみられているのか公開規模は小さめです。週末のヒューマントラストシネマ渋谷の午前中回はオンラインチケット販売だけでかなりの客入りだったので、敢えて、平日のシネマート新宿を選択。こちらは16時20分開始の1回のみでサービスデイということもあり、中途半端な時間にもかかわらずやはりまぁまぁ入っていました。
で、観た感想は一言「かなり好き」。
でも解説めいたことはしようがないほどめちゃくちゃシンプルさで、判り易く言えばほぼ「リアリティショー」的な感じなんですが、そこはやはり映画的な編集です。独特な間とバシバシ展開する落ち着きのなさが、作品内で起きている「おかしな現実」に対して変に考えてしまうことなく、ただただ笑えてその効果が活きています。
主人公のマイキー(サイモン・レックス)は得意の口車で相手をマニピュレートしているつもりになっていますが、そもそも言っている自分が誰よりも思い込み激しくて妄想が止まりません。自分がペースを作っているようでいて、実際は無計画で成り行き任せな彼の言動は傍から見れば「わかりやすい」ため、案の定のことをする彼に対して「可愛げ」すら感じてしまいます。
そして、ストロベリー(スザンナ・サン)はヤバいですね(笑)。マイキーが完全に浮かれている様子を笑いながら観つつも、私も完全なるオジサンとして正直、このムスメに関わってはまずいな、と思ったり。でも、まぁ自分はむしろ隣人ロニーのキャラクター寄りだし、と言う逃げは、なら(作品内のように)ああなるのか?と思うと、それはそれで複雑で。
観ていて終始「酷いなぁ」なんて半笑いで観ている他人の言動に対し、実はめちゃくちゃ自分を重ねて考えてしまう妙なリアリティがあっていいのです。
結局、観てもらわないと伝わらない面白さなのですが、特に女性には「見たくもないもの」もガンガン見えちゃってますし、まぁ本当に興味があればどうぞ。
映画史クズ野郎の系譜の一人だ。
『フロリダ・プロジェクト』のショーン・ベイカー監督の新作というだけで、気分はその空気感に包まれる。とことん肩の力を抜いた、本音のプアホワイトらを活写する。本作の主人公マイキー・セイバーも、相当なクズ野郎っぷりがリアルだ。『気狂いピエロ』(ジャン=リュック・ゴダール監督)のフェルディナや『レインマン』(バリー・レビンソン監督)のチャーリーの造形、それらを時代と大陸を越えて、立体的に比較分析したいが、このあたりはプロの評論家にキネ旬などで語ってもらおう。
まあ、ちょいと拾い物の一作だったことは確かだ。
なんなんだ この人々は…
ほぼマトモな人が出てこない
隣の配偶者を亡くしたおじいさんくらい?
ヤク中 セックス中 などなど類は友を呼ぶ地域なんだろうか…
終わりかたも中途半端だし…
アリtoキリギリスの話のキリギリスが沢山集まる地域テキサス?の話
アメリカは、まだ表記は「ポルノ」!
内容は淡々としていて盛り上げりが無い映画ですが、映倫がR18+指定でも、最後に元ポルノ男優が、テキサスの住宅街を全裸で必死に全力疾走するシーンをボカシ無しで上映してくれた事が、唯一の救いでしたね。
日本もセクシー俳優とか表記しないで、ポルノ俳優と表記を戻せば良いのに!
日活ロマンポルノのスター俳優として活躍した、片桐夕子さん哀悼。
23-055
どーしようもない人生を歩む者の周りには
これまたどーしょうもない人々が集まる。
ドイツもコイツも一癖あり。
だが暗くならず明るく夢みがちな姿が
それなりに素敵に見える。
ストロベリー、メチャ可愛い。
キュートでセクシーさに見惚れました😊
MVPはストロベリー
マイキーの人格はご覧の通りだが、感情移入できるか否かで鑑賞者が二極化すると思われる。できない人(含・評者)は,同化できる人はこう感じるのだろうなと推測しながら「メタ鑑賞」するのも一興。
舞台となっているテキサスが,人生の選択肢や機会に乏しく、才能ひとつで大セレブ、というアメリカン・ドリームとは程遠い土地柄であることは,例えば「ヘル・オア・ハイ・ウォーター」みたいな映画でじっくり描かれているが、そういう下地を踏まえて観ると登場人物たちの屈折や諦観が切実さを増す。
マイキーは,身近には決していてほしくないが,こういう人物をとことん排除する社会がはたして理想的なのか?居場所をさりげなく提供するコミュニティのほうが健全ではないのか?とはいってもその居場所を用意できるのは結局あんな「シラフじゃやってられん」テキサスだけなのか?…などと,おそらく監督の意図とは関係なさそうな事を考えてしまいました。
とても面白かった
その道のプロの筈の主人公が、色ボケで頭に霞がかかったような行動しかしないのがおかしくもあり、身につまされる。
監督の前作「フロリダプロジェクト」は親子の切実な状況を描いて忘れがたい傑作だったが、今作は打って変わって、全く何のありがたみもないような、しょうもない話にも思える。
しかし見ている間中ずっと、テンポよく進む楽しさとヒリヒリした息苦しさが同時に迫って来る独特の感じは前作から共通している。
今回の舞台はテキサス州だが内陸ではなくメキシコ湾沿いの町のようで、産業構造など物語の社会的バックグラウンドをこの監督はうまく描写している。
とにかく登場人物たちの魅力が最高なのだが、脇役も含めてキャラ立ちがハイレベルすぎる。中でもお気に入りは大麻売り元締めの仏頂面の娘と、ドーナツ女子の元カレの一家3名。
同情できない情けなさとクズっぷり
主人公のあまりの勝手さ、自己愛の強さに同情の余地は無かった。ある事件後に見せた喜びのシーンがクズさを最大限に引き出しててドン引きした笑。
常にその場しのぎでいつか酷い目に遭うんだろなぁとちょっとワクワクしながら観ていた。
が、ずっと見せられていると不思議と愛着が出てしまい、最後のテンポの良い展開は自業自得すぎたが、ちょっと可哀想と感じてしまった。なんだかんだ周りの人間も変でひどいやつばかりだったからかな。
ワンコ以外はみんなクズ
クズなのは主役だけじゃない。
主要な登場人物はみんなクズ。
なぜか観終わった後、「世界最速のインディアン」を思い出しました。
対極だからかな。
130分退屈しなかったんだから満点です。
DONUT HOEL
落ちぶれてLAから17年ぶりに地元テキサスの田舎町に帰ってきた元ポルノスターのお話。
一応まだ妻と義母が住む家に転がり込み、仕事を探すもみつからず、昔のツテでマリファナの売人をすることになっていくストーリー。
製油所の従業員には手を出すなと言われる中、ストリップ劇場で客を開拓したり、ドーナツ屋のバイトのJKに一目惚れしたり…。
とりあえず、口からデマカセは当たり前、口八丁でひと人に取り入り、なんとまさかのストロベリーも!?
しかしながらラストはなんか中途半端にぶった切られた様な感じ?
一応コメディ要素も強めのインチキ再生物語という感じなんでしょうかね…つまらなくはなかったけれど、イマイチピリッとしないというか、主人公がテキトーに生きているだけみたいな感じだし、特に魅力的という訳でもないし自分にはハマらなかった。
純度100%のクズ男
マイキーという男、純度100%のクズ成分で構成されていて、言うことやること虚栄心と身勝手なことばかり。だが、突き抜けたクズが笑いを引き起こす。
長年、音沙汰なしだったのにヨメの実家にノコノコとアポなしで現れるなんて、普通の男にはできない。ただ、マイキーには逆境を屁とも思わないタフさと、口の上手さがあって、ヨメの実家にまんまと居座ってしまう。
テキサス州Gulf Coastが舞台で、湾に面した製油所が巨大にそびえる。マイキーの周辺の人間は、石油がもたらす雇用にはありつけず、まともに働いている様子がない。まともに働く気もないのかもしれないが。アメリカの豊かさからこぼれ落ちた彼らが、トランプに望みをかけたくなるのも理解できる。
終盤、マイキーのクズ行動が、あっというアクシデントを引き起こす。怒りすら湧いてくる自分勝手なマイキーなんだけど、これも笑いに繋がるんだよね。場内、大爆笑。
ストロベリーを演じるスザンナ・サンがやたらと上手い。おバカで大人の男に憧れる高校生を演じているんだけど、溢れ出るキュートさにやられてしまう。この作品をキッカケに羽ばたいていきそう。
監督によると『Red Rocket』は、オスのワンちゃんのアソコを意味するんだって。
サイモン・レックスの立派なモノは再起するのか。乞うご期待。
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