レッド・ロケットのレビュー・感想・評価
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前作に続きアメリカの底辺を丁寧に見せてくれる
フロリダプロジェクトもそうでしたが、アメリカの底辺の生活や社会構造を、テンポよく、明るく見せてくれる。 みんないい奴ではないが、悪い奴じゃない。憎めないし、現実の人間はこういう感じなのかも。 ストロベリーは魅力的だが、自分の娘に見えて複雑な感じ。 前作もそうだったが、ラストがモヤモヤ。
口だけ達者な元ポルノスターの主人公マイキーが、一文無しで故郷のテキ...
口だけ達者な元ポルノスターの主人公マイキーが、一文無しで故郷のテキサスの田舎町に舞い戻り、これまたポルノ女優の元嫁の元へ転がり込んで再起を図る物語 映画終盤、マイキーが街を出ていく(ほぼ逃避行だが)ことを決意し、それを元嫁に伝えてしまう。 これが何も言わずに出ていく申し訳なさを感じてのものであったかは分からないが、結果的にとんでもなく裏目ったところに救いようの無さを感じた
大好きだ‼︎
これは「バッファロー'66」を思わずにはいられない傑作。今年のベストの一本だろう。 LAから故郷テキサスに戻った元ポルノ男優のマイキー。別居していた妻レクシーと義母が住む家に無一文で潜り込んだ。数々の賞をとったスターだと言うが定かではない。言い訳と自慢話だけのクソ野郎だった。 レクシーとて客をとって日銭を稼ぐ底辺の生活だった。マイキーが大麻を売って稼いだ金とセックスで満足した。 マイキーが思いを寄せたドーナツ屋で働く高校生のストロベリー。歳がいくつ違うねんとツッコミを入れようとしたが、彼女も本物のビッチだった。 そう、これはクソのような社会で生きるクソのような人々を鮮やかに描いた正真正銘の傑作。登場人物すべてがクソなのに愛おしくて仕方がない。 もう皆んな大好きだ。 この作品が大好きだ。
私は支持者ですがね
「観る人を選ぶ」っ言い方する人多いけど、たかが映画ごときに選ばれる筋合いなんかありませんよ。観る人の好き嫌いが別れる、ってだけのことです。「観る人が選ぶ」でしょ。 この映画も好き嫌い別れます。アメリカの下層階級をリアルに描いているので美しい物や映画に夢を求めるタイプの人は生理的に受け付けないだろうから、内容以前に観ない方がいいです。 ずっこけ勘違い男が殆どドジを繰り返しながら時々成功して、女子高生をひっかけるだけ上手くて、周りの人たちもサイテーとまではいかなくても、どうにも感心しないヤカラが続々登場します。作り方によっては悲惨で暗い話になりますが、この監督は「フロリダ」同様に彼らを決して惨めに扱わず、かといって共感しているワケでもなく「あーあ、君たちしょーがねーなー」的な視点のホドよいバランスで適当におちょくりながら撮っているところが何とも支持者にはたまらないところです。 ただし、人には奨めないくらいの良識はあります。
ポルノ男優 設定がいい!だからSEXが軽く見えてくる
設定の妙 主人公はポルノ男優(だった) はちゃめちゃ、SEX、ヒモ、女たらし・・ が、先入観にあるから 逆に、細部の仕草や行動が、やたらに真っ当 真っ当なのは、単純、素直!? ストロベリー🍓ちゃんは 確かに、それっぽい(最高)
下品で下心のある寅次郎みたいだが違う奴である
なかなか面白かった。口八丁手八丁で泊まらせてもらうあたりで、寅さんを思いおこしてしまった。寅さんに失礼である。 でもいい加減で適当でするする進んでいく奴いるよなあ。そういう映画で楽しかったです。ラストも良かった。
テキサスの工業地帯にある街の朝昼晩の空気感・雰囲気・美しさの描写は流石『フロリダ・プロジェクト』の監督。元ポルノスターだったのだけが真実の嘘付きまくり・要領だけの男、さて次はどうする?
①ヤルこととハッパ以外にすること無いんかい、と言いたい映画だが、プアホワイトとプアブラックの生活ってこんなもん、というリアリティーがある。 ②無一文で故郷に戻ってきた男が、口先と要領だけで自分勝手な夢を叶えそうになったと思ったら周りがもっとしたたかで無一文に戻りましたとさ、というお話。 すっかりその気にさせたローカルの女の子(とてもポルノスターになれそうもない)の前で笑うしかないラストのアップ。 成長せん男を愛嬌たっぷりにどこか憎めない男として造形化したのが成功している。 どこかふてぶてしい別居中の妻とどこか狡そうなその母親を演じた女優達も印象的。 ③あのぺ⚪スの長さはさすがポルノに出ただけのことはあるね。
人たらしのクズの魅力
人たらしって少し苦手だ。初対面から人との距離が近いのに、いつの間にか人に取り入ってて、多少生意気だったり他人に迷惑かけても許されたりする。そして異性にモテたりする。 本作の主人公はそんな人たらしの元ポルノ男優。金も定職もないし嘘をつきまくる。でも、気づくといろんな人とそれなりの関係を築いて、ヤクを売りさばく仕事で少しの金を得るようになる。なんか自由に生きている感じだ。本当にクズって感じなんだけど、なんか憎めないんだよな。近くにいたら少し嫌悪しつつも完全には見捨ててないかもしれない。 正直、何かのテーマを訴えるような内容ではない。それなりに大きな事件は起こるがそれもマイキーがクズさを全開にした対応をする。なんだよこれ、と思いつつもそれなりに楽しんでしまった。 そうなんだな、この手の人たらしって嫌悪と同時に自分ができないからこその一種のあこがれを抱いてしまうんだ。ポルノ俳優になりたいとかではなく、何物からも自由な生き方に。でも、決してなりたいわけでもない。だからこそこんな映画の存在価値があるんだと思う。
マイキー的なもの
週刊文春の映画欄で辛口で知られる評者5人のうち4人が最高点の5つ星を付けていたので、気になって観に行った。この映画の監督であるショーン・ベイカーという人は、私と同じ50代、セックスワーカーを主人公に据える作品が有名で、インディペンデント界の俊英といわれているようだ。社会の片隅で生きる人々を生き生きと映し出し、彼らを取り巻く厳しい現実をもユーモアをもって語り、アメリカの広大な空や風景をまぶしいほど鮮やかに切り取るというのが作風らしい。 主人公のマイキーはナルシスティックで思いやりのかけらもないダメ男といわれているが、生存能力が高い人間であるという見方もできる。なにがあってもへこたれず口八丁手八丁で難局を切り抜けていくし、マリファナのセールスで稼いだお金もしっかり貯めこんでいるし、元ポルノ男優だけあって女性を口説き夜の営みも満足させる能力は抜群である。 もちろん好意的に捉えればということになるが、いわゆる堅気の世界でもマイキーのようなタイプの人間はいるのではないか。自分の自慢話ばかりして、相手がどう思うかなんて考えず、人をうまく利用してやろうという魂胆が見え隠れする。そういう人間は真の信頼は得ることは難しいが、たとえ一時であっても、その勢いにまかせた押しの強さで成功を収めているような気がする。 また、自分もマイキーようになりたいという願望がないとはいえない。まだまだ人生も恋愛も諦めず、どんな苦境もユーモアをもって切り抜ける度胸を持ち、明るくて憎めないキャラクターになるということだ。 短所は長所、長所は短所、人間は多面的に見なければならない。
ただ戸惑った
独特の色合いで撮られた美しい(というか美しく『見える』)街並みの中で、「フロリダ・プロジェクト」のように子供たちが右往左往するのは微笑ましく美しいのだけと、本作のように大の大人が無策に右往左往するのはただ見苦しい。 ストロベリーが思った以上にビッチであるのも、マイキーが阿呆すぎる空っぽな男であることも、物語の顛末も、なにを受け取れば良いのか分からず、ただ戸惑った…
しかし デカチンだったなぁー。(☆o☆) 流石はAV俳優。
女子高生をナンパしてもいいけど AVにスカウトしては イカンぜよー。(怒) あ゛ーそーそー ボカシが無いのが 時代を感じました。 最近けっこう 無いですよね。 スマホで楽に見られるものね。(笑) 株主優待券の 消化で見ました。暇つぶしにわ良いわ。
苦い現実を見つめる映画か。辛いね。
割りと高評価する人がいたので、鑑賞してみた。 ポルノ産業は無くなるとは思えないが、ポルノ映画は廃れていく一方だろう。ネットで見えるからだ。まして、素人が自ら投稿する時代となった。先はもう見えている。 確かにこの世に裏産業(本来なら裏も表もない)でしか生きてしか行けない人は必ずいるだろう。この映画で出てくる人物は、所謂クズばかりだ。私の好きな映画ではないが、認めざるをえない。 「ホームレスのポン引きヒモ野郎」と転がりこんだ妻から吐き捨てられたセリフは、辛辣だが真実だ。
クズ男日常系
この監督の前作「フロリダ・プロジェクト」が面白かったので鑑賞 前作同様、社会の底辺の楽しい奴らの笑えるクズ話 主演のポルノ男優がとことんクズ野郎なのだが、オトコ目線で観るとどこか共感できる部分もあり、結論として男自体が(自分も含めて)所詮クズでpimp野郎なのだ ドーナツ屋の娘がGOOD!!
いろんなものがゆらゆらしていて映画的
久々に映画らしい映画を観た。ロケーション、キャスト、演出、間の抜けっぷりの良さ。アメリカの田舎町がいかに映画的か、とも思うが、これは監督の汲み上げたものだろう。むしろ、風景と建物からドラマを生み出してる気がする かつてのポルノスターの帰還をここまであっけらかん、かつ悲惨な話にしないのだけでと大したもんだと思う。どこかでコメディ、ってジャンル分けされてたけど、まあコメディでもあるけど、何しろポルノ界では著名人だったはずが、田舎に戻って自転車であっちいったりこっちいったりがいい。またそれを捉える16ミリ撮影の風景がいい。履歴書に書けないプロフィールゆえ仕事にありつけず、結局ヤクの売人になりゆらゆらゆらゆら漂い、ドーナツ屋の未成年にポルノスターの原石を発見して手を出して、って書いてると日本でもできそうな物語かもしれないけど、風土の問題か、資質の違いか、とにかくカラッとした人間模様なのが楽しい。 最後には身包み剥がされ、玉をゆらゆらさせて、自転車すらなく、ひたすら歩いて歩いて、たったひとつ残されたものがパッカーんと微笑みを浮かべるラストも素晴らしい。あと母親とか隣人のキャスティングも良かったな。いろんな意味で昔の北野武を思い出した。
移動はママチャリ
めちゃくちゃおもしろい! 笑える! 主人公マイキーがクソ最低でクソ最高すぎる! 徹底した自己中野郎で、自分が周りに対して不利な状況では憐れみを誘い責任を回避し、有利な立場では恩着せがましくとことん利用する。そうするためにウソでも本音でもひたすら主張し、どんどん調子に乗っていく。あの惨事の責任をロニーに押し付け逃げ切った時のうれしがりようたるや、本当にクズの面目躍如である。古い漫画で言うとカメレオンの矢沢栄作的。 今年の年明けに公開された、そして僕は途方に暮れるの主人公はすぐに逃げる後ろ向き・消極的なダメ人間であったが、こちらは前向き・積極的なクズ人間で、ラストワンシーンまでポジティブなのだ。いわゆるサイコパスなのかもしらんけど、これはこれでひとつのピカレスクロマンという気がする。 なんで自分はこういう人間になれないのだろう…という悔しさすら感じるが、終盤、同じポルノ男優の物語であるブギーナイツのマーク・ウォールバーグ同様にポロリ(というかぶらんぶらん)があり、この立派なイチモツがマイキーの過剰な自信の裏付けなのかも?と思うと、やはり自分には無理(涙)。 出てくるキャラがみんなクソでダメ人間というのも愛すべき哀しさ。そんな中でおっさんと女子高生というNGな間柄などおかまいなしに口説き落とされるキュートなそばかす顔のストロベリーは、もくもくと排煙が流れる工場群が背景の干からびた街にポツンと建つカラフルでポップなドーナツ屋そのもの。時折マイキーと庭で目が合う飼い犬の表情がすべてを見透かしているかのようでまたおかしい。 年に何本かはこーゆー作品が観たい。ほんとショーン・ベイカー監督すばらしい!
ダメ人間は堕ちていく
クズで自由すぎるとほほな主人公に、ただただ呆れる130分。 全て口から出まかせ。 女房がいるのに、17歳の少女・ストロベリーをポルノスターにするために籠絡して、調教してとやりたい放題。 ヒラリーvsトランプで全米が騒がしい2016年、そんなことは知らんよとテキサスという街で燻った貧しい連中が、日々に目を背けながら自分のダメさ加減をせっかく忘れているのに、もっとダメな主人公のせいで思い出させられる。 ダメ人間ってのはどこか人間的魅力に溢れてて、なんとなく愛おしく感じちゃうけども、どこまでもテキトーで、立ち直れそうなことがあっても簡単に堕ちていく、って現実の怖さが伝わってきました。 もしもストロベリーとうまく街で一発当てたとしても、もう一人のレクシーを生みだすだけだったんでしょうね。
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