「正直言って、“マイキー、地獄に堕ちろ”と思って見てた。」レッド・ロケット 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
正直言って、“マイキー、地獄に堕ちろ”と思って見てた。
ポルノ男優のマイキーが、トラブルで食い詰めて、
カリフォルニアのど田舎に帰って来る。
そこは青年時代を過ごした故郷で、
籍の抜けてない妻のロクシーの家へ転がり込む。
嫌々置いてくれるレクシーと母親のリル。
正業に就こうとするが、まともな職歴もなくて、
ことごとくハネラレル。
で、やれることはマリファナを売ること。
一文なしから、少し稼ぎ出すと途端に偉そうになり、威張り腐る。
そして町のドーナッツ店でバイトする17歳の高校生の女の子に、
一目でハートマークが点灯する。
確かにショートケーキか?生クリームで飾ったプリンとか、パフェ
みたいに美味しそうなストロベリーちゃん。
惚れるのもアタックするのも自由だけど、
ストロベリーちゃんをポルノ女優にして、
もう一旗あげよう‼️
ロサンゼルスに行くぞ!!となって、
レキシーに明日、家を出てハリウッドに向かう・・・
と言っちゃうのね。
そこから、レキシーの反撃‼️‼️
レキシーには、マイキーの行動が全てお見通しなのよ。
マリファナ売りのゴッド婆ちゃんの娘と息子がレキシーと結託して、
マイキーの溜め込んだお金を奪いに来る。
素っ裸で二百ドルだけ渡されて、追い出される。
マイキーは素っ裸でゴッド婆ちゃんの家へ行き洋服を借りる。
徒歩でストロベリーちゃんの家へ、
迎えに行く。
そしてラストシーン。
ストロベリーちゃんが、真紅(レッドの、)ビキニの下着で
セクシな“決めポーズ”をとる、
(なんか、ヤル気満々だよー )
このラストが、レッド・ロケット?なの?
どいつも、こいつも、
まともじゃない奴ばっかし‼️
ご存知の通り、ショーン・ベイカー監督は、
一貫して「セックスワーカー」の味方を公言している。
「ANORAアノーラ」でも、セックスワーカーの女性アノーラが、
主人公の映画です。
性風俗で働く人を映画やドラマと本でしか
私は知らない。
好きだからしてる仕事なのか?
それしか出来ないから?なのか、
リスクを考えるだけの知的能力がないのか?
手っ取り早く大金を稼いで、起業の資金稼ぎなのか?
全く分からないけれど、
人を裏切る・・・
なんて日常茶飯事みたいな、
イメージもあるし、
自分が嫌な事やらせられてるから、
仕返ししてやるみたいな感覚とか?
競争のために客を奪うキャバクラとか、ホストたち!
見てる分には野次馬根性で楽しめば良いんだろうけれど、
ほとんど笑えないのよね。
隣にいる人(レクシーもそうだし、隣家のロニーも、)
近くに居る人と良い関係を築けないのは、
人間として欠点あるよね。
マイキーが、「出口だ」と言ったせいで、急旋回して
玉突き事故になったのに、
一切責任を取らないマイキー。
隣のロニーは同乗者のマイキーのことを、一言も言わずに、
守り通すんだよね。
ロニーの行動こそが、まともな人間のすることだよ‼️
だから結論もタイトルと同じ、
マイキーは、地獄に堕ちろ‼️
(まぁ、ゴミ溜めみたいな人間の猥雑さは描けている)
(これがアメリカの貧困層の実態を描いているというか、
一面なのだろうか?)
マイキー、同情の余地がないくらいのクズでクソ、全然悪びれてないところが最低のクズでクソ!
アノーラもそうだったんですが、あの業界で働く人は職業に後ろめたさを持っているような印象がありましたが、ところがどっこい、彼らは自分の職業に誇りを持っていて(全員がそうではないでしょうが)外野の蔑みや哀れみは不要なんだと思わされました。でも、アニーなんか「私は売春婦じゃない」って言ってて、自身は差別意識を持っているんですよね、これがリアルなんじゃないかと思いました。