「とても面白かった」レッド・ロケット どんぐりさんの映画レビュー(感想・評価)
とても面白かった
その道のプロの筈の主人公が、色ボケで頭に霞がかかったような行動しかしないのがおかしくもあり、身につまされる。
監督の前作「フロリダプロジェクト」は親子の切実な状況を描いて忘れがたい傑作だったが、今作は打って変わって、全く何のありがたみもないような、しょうもない話にも思える。
しかし見ている間中ずっと、テンポよく進む楽しさとヒリヒリした息苦しさが同時に迫って来る独特の感じは前作から共通している。
今回の舞台はテキサス州だが内陸ではなくメキシコ湾沿いの町のようで、産業構造など物語の社会的バックグラウンドをこの監督はうまく描写している。
とにかく登場人物たちの魅力が最高なのだが、脇役も含めてキャラ立ちがハイレベルすぎる。中でもお気に入りは大麻売り元締めの仏頂面の娘と、ドーナツ女子の元カレの一家3名。
コメントする