「いかに無差別銃乱射事件は起きたのか」ニトラム NITRAM だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
いかに無差別銃乱射事件は起きたのか
現実に起こった無差別銃乱射事件をテーマにした作品。
鑑賞前はどんな描き方をするのかと固唾を呑んで見たけど、二トラムがいかにその事件を起こしたかの心理的な部分のみ描かれた作品でした。一切の殺戮シーンは無いのです。
心理描写がかなり難しく感じる。完全におかしい訳でもなくきちんと生活はすることもできる。会話も普通にできる。必死で生きているのだが、うまく生きられないだけという事二トラム。
彼とずっと幼少から過ごしてきた家族の苦悩は計り知れぬものでは無い。特に母親の心情はなかなかつかみきれなかった。なんだか被害者な感じの振る舞いだが、いやそうではなく、この親にしてとも思えてしまう。
でも1番わからなかったのが、ヘレンの存在と気持ち。正直この出会いがなければ、事件は起きてなかったと思うが、彼女が何故二トラムに入れ込んだのかが描ききれてないので消化不良。
悲惨な事件を起こさないために、心に問題がある孤独な人達への接し方は難しいと思わされた。愛情が逆効果にもなりかねないんだなとも感じる作品でした。
なかなか難しい映画であった。
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