「これは、えぐい」ニトラム NITRAM JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
これは、えぐい
かなりアウト寄りな映画
でも、心の奥ではこんな映画を求めていたのかもしれない…
ニトラム
Matinを反対にしたNitramという蔑称で呼ばれていた主人公
彼がどうして完全にニトラムになってしまったのか
そして、誰が彼をニトラムたらしめたのか。
そんな映画でした。
彼が悪いのは、大前提なんだけどさ、
やっぱりこういう映画を見るとそれだけじゃないというか
まあそういう造りになっている。
銃を購入するシーンなんて本当ゾッとするよ。
こんな時だけは、日本に生きてて良かったと思いますな…。
本当、幼児のいる部屋での売買とか、
普通に銃の店行っても余りにも簡単に買えてしまったり、
奥に購入客がちらほら当たり前のようにいるんですよね。
演出の妙だな、と思うんですが、余りにもグロテスクだった。
全体的に役者さんが素晴らしかった。
父も母もヘレンも。
そして、主人公。
どっかで見たことあるなーと思ってたら、スリービルボードの彼か!!
すげえや!ケイレブ・ジョーンズ、とっても良い役者さんですな…。
静かなのに、緊張させられるシーンが多く、
一時間くらいでもうお腹いっぱいでしたよ…。
それほど凄い映画ってことなんですけど。
うろ覚えだけど、「ブルーリベンジ」ってこんな雰囲気あったような。
後半にかけてヒートアップするような映画のはずなのに、
中盤もしっかり面白いんだよなあ…。凄い。
ラスト、露悪的に銃撃シーンを見せることもなく、
各所への配慮が行き届いてるなと思いました。
ただ、こういう映画を観たとて、
やはり私には恐怖を感じることしかできないんじゃないか。
と無力感を感じてしまいますね。
最低限のことは、していかないといけないです。
やっぱり最後の文章の恐ろしさは、現代に続いているし、
銃規制のない国に住む事の恐怖をまざまざと感じました。