劇場公開日 2022年3月25日

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「評価は分かれると思うけど、アクションシーンないですよ。」ニトラム NITRAM yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5評価は分かれると思うけど、アクションシーンないですよ。

2022年3月27日
PCから投稿

今年86本目(合計359本目/今月(2022年3月度)28本目)。

もともと実在する人物で、現在(2021~2022)でも実在する人物です(国によっては死刑が廃止されているため、無期懲役(日本相当)に服しているようです)。
このため、実在する人物・事件であるのですが、とにかく淡々と進みます。

他の方も書かれていたのですが、いわゆる「爆音放映」かと思えるほど「うるさい」映画です(逮捕のきっかけとなったときの事件でも、「知的障害はあると認められるが刑事責任はとえる」という結論になっています)。そのような事情もあり、わめき声から楽器の音、さらに銃器(エアガンなど)まで出てきて「うるさい」映画という印象はうけます。

日本ではここでは予告・特集などから実在する人物を描いたのだろうという点はわかるのですが、実際見ていただくとわかる通り、いわゆるこの人物が起こしたといえる凶悪事件に関してはほぼ描写がなく(10秒程度?)、もっぱら生い立ちから事件を起こすまでという部分に全部つきます。ここは人権に意識したのかなとも思えます。その事情があるため、なぜかしら、映画内の最後のまとめでも「この事件を通して銃器に関する規制が強くなり…」という、もっぱら警察行政の話「しか」出てこず福祉行政的な話が出てこないです。

もしかすると、当地(オーストラリア)などではそもそも「こういう人権的な映画」ということは「最初から」紹介されていないのかな…と思います。
少なくとも日本でこの映画をみて「軽度知的・ADHDなどの方に対する問題提起」の映画と思って見に行くとそういう話はまるで存在しないので注意です。

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 (減点0.3) 結局、映画そのものとして「この事件をきっかけとして銃器の保持の規制が進み」といったもっぱら警察行政の観点で描かれ、それはそれで理解できるのですが、「日本の」ここの特集や予告からは当然想定できない範囲で、「まぁ、積極的にだまし討ちにした」とは思えないものの、「何を伝えたいのか釈然としない」という点は否めないと思います。
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yukispica