「とても良い映画」パリ13区 stoneageさんの映画レビュー(感想・評価)
とても良い映画
タイトルにもなっている『パリ13区』の13区というのが、どういった区域なのかは、よく知らないけど、この作品を見る限り、特別裕福でも無さそうで、かと言って貧乏過ぎるわけでもなく、何とかかんとか生活は出来ており、また色んな人種が住んでいる区域…といった所なんでしょうか?(階級的には、中流の中?下?)
まあ、そんな背景を感じながら、この作品を観ました。
鑑賞前、粗筋なんかを読むと、セックス場面が多いとの先入観があったけども、それほどコテコテの濃厚な"撮り方"はしていないので、思ったほどには、その辺は気にならなかった。でも、逆に気になったのは、フランス人って、(昔からよく言われるように)性に対して大らかというか、見境がないというか、まぁ、悪く言えば、ちょっと"お下品"だなと…もっと悪く言えば、ほとんど"犬猫"同然な感じがしました…なんとも直情的なんです(笑)
そう、あまり繊細な感じがしない…。
でも、この作品は、一見動物的なニュアンスが強いんですが(特に中国人女性)、登場人物たちは徐々に、時間を掛けながらも、対話をすることによって、先入観を捨てていき、互いの理解を深めて行きます。
ノラが最後、出会い系のチャットで知り合った女性と公園で御対面するんですが、実際に会ってみたことで、ノラが眩暈を起こしその場に倒れ込んでしまいます…心の揺さぶり(愛の衝動?笑)を感じることの出来る、良いシーンでした。
*台湾系?中国人、黒人、出会い系の女、義理の叔父に性的に搾取されていた女性、吃音者…"偏見"というのがこの作品のテーマだった…?
*鑑賞前は、どんなフランス映画なんだろうか?抽象的で分かりにくいんだろうか?と、かなり構えていたんですが、ストーリーは結構単純でした。日本人とは、性(生活)における文化・習慣が異なるので、やや面食らうし理解しがたいところはありますが、総じて物語自体は難解では無かったです。ややテーマの分かりにくさはあったかな…。