劇場公開日 2022年4月22日

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「グローバル都市に佇む個人」パリ13区 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5グローバル都市に佇む個人

2022年4月23日
iPhoneアプリから投稿

高層住宅が立ち並び、大学も近く、中華街もあるパリの13区で、中国系、アフリカ系を含む、いずれも都会でフランス的知性を身につけながら、仕事には恵まれず、それぞれに私生活に悩みを抱えた若い男女が出会い、身体でも繋がりながら、微妙な心のすれ違いから別れたり思い出したりするストーリー。都会の教養ある人たちはなんと面倒くさい人間関係なのだろうとやきもきもするが、刹那的なようでたまらなく愛おしい感情の往き来に感じ入り、フランス映画って、やっぱりこうだよな、と思わせてくれる。藤原帰一先生もツイートで書いておられたが、「ベルファスト」といい、この映画といい、ここに来て敢えて白黒で撮った秀作が続けて見られるのはなぜだろう。白黒のほうが感情が豊かに出るのか、それだけでなく、裸体もカラー以上に美しく見える気さえする。

Boncompagno da Tacaoca