フラッグ・デイ 父を想う日のレビュー・感想・評価
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この父親を愛せますか
一攫千金を夢見て、ドツボにハマっていくジョン。そんな父親の話はよく聞くが、このジョンという男は、贋札作りで人生最後の勝負に出る大馬鹿者。
事前情報なしだったから、エンドロールを見て驚いた。息がぴったりだと思ったらジェニファー役のファミリーネームが「ペン」。親子だったのか。しかも監督は、ショーン・ペン本人。
事業に失敗した挙句、家族と借金を残して1人で夜逃げする父親。そんな父親のことを忘れようと思っても、小さな頃の楽しかった思い出が多幸感を伴うドラッグのように湧き上がってくる。
ジェニファーが語ったジャーナリストへに志望動機は、父親の血が流れていることの証であり、本人も意識していると思う。
ジョンが最後にとった行動は、父親としての誇りを保つ唯一の方法だった思う。そうだとしても、ありきたりでそこそこの人生を目指せば、80%の幸せを得られたのにね。さざなみ程度の波乱しかない人生を歩んでいる私にとっては、羨ましくもありますが、乗り切れる自信は全くございません。
タイトルが泣ける。
トビ鷹
ショーン・ペンの作家性が存分に詰まった一本
ショーン・ペンは社会に適応できない疎外者や、平凡な生き方に疑問を持つ者に強い思い入れを抱く。監督デビュー作『インディアン・ランナー』ではPTSDを患いトラブルを起こすベトナム帰還兵、『イントゥ・ザ・ワイルド』では恵まれた環境を捨てて一人旅に出る青年を主人公に据えた。
本作の父親ジョンも、思い通りに行かず、何度も犯罪に手を染めてしまう人物。だからこそショーン自身が演じることで光明を差し、寄り添う。そんな父に愛憎を抱く娘も、中盤では自分の在り方を探しに、『イントゥ・ザ・ワイルド』の青年のように一人旅に出る。
実話をベースにしながらも自分の作家性を盛り込む。批評的にはあまり芳しくないが、ショーン・ペンのフィルモグラフィーを辿れば納得できる一本。
それにしても娘役のディラン・ペンが母親ロビン・ライトにそっくりすぎ。次いでに言えば、弟役のホッパー・ジャック・ペンは父ショーンにクリソツすぎ。
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